今回は、ASUS様のご厚意で明日2月5日に発売されるASUS Zenbook SORAを、発売前に一足早くレビューをする機会があったので記事にまとめました。
執筆時時点では、恐らく日本で数人しかレビューをしていないと思うので、最速レビューになると思います。
本機を一言で言うと「軽い!」です。Copilo+PCで1㎏を切る機種は少なく、X X1モデルは驚異の899gです!!(レビュー機はX Eliteモデルで実測985グラム)
通常、ノートパソコン軽いってだけでかなり価格が高くなりますが、本機はただ軽いだけじゃなく、Copilo+PCで性能も高くバッテリー駆動時間も長い、それでいて最安値モデルは17万円台からとなっています。
ちなみに海外ではASUS Zenbook A14と言う名称で販売されていますが、本機は日本向けに調査され開発された機種になります。
レビュー機はメーカーからお借りしており、スペックはSnapdragon X Elite X1E-78-100、メモリLPDDR5X-8448MHz 32GB、SSD PCIe 4.0 512GBになります。
詳しく概要をつかみたい方は動画もどうぞ。
Contents
ASUS Zenbook SORAのスペック
CPU | Snapdragon X X1-26-100 Snapdragon X Elite X1E-78-100 |
---|---|
メモリ | LPDDR5X-8448MHz 最大32GB |
ストレージ | SSD 512GB/1TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14型) | WUXGA(1920×1200ドット)TFT液晶/OLED |
OS | Windows 11 Home Arm |
無線 | Wi-Fi 6E/Wi-Fi 7 |
生体認証 | 顔認証 |
WEBカメラ | FHD |
オーディオ | Dolby Atmos、1Wスピーカー×2 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 310.7 × 213.9 × 13.4~15.9mm |
重さ | 899g(X X1モデル) 980g(X Eliteモデル) |
バッテリー(JEITA 3.0) | 最大約16.2時間(X X1モデル) |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 179,800円~ |
<性能評価>
※ベンチマークがエミュレーターで動くため、正確なGPU性能は測れませんでした
パソコンの頭脳であるCPUは、最大45 TOPSのNPU性能を持つSnapdragon X X1-26-100かX Elite X1E-78-100が搭載で、レビュー機はX Eliteが搭載でした。CPU性能はなかなか高く、Geekbench AIのスコアはすごく高かったです。
メモリはLPDDR5X-8448MHzのオンボード最大32GBで、メモリベンチマークのスコアはかなり高かったです。ストレージはSSD PCIe 4.0で最大1TBと大容量で、こちらもデータ転送速度が速かったです。
ディスプレイはどちらも1920×1200でX X1モデルはTFT液晶、X EliteモデルはOLEDディスプレイになります。また、画面アスペクト比が16:10と縦に長いので、14インチでも15インチ並みの情報が表示されます。
OSはArm版のWindows Home 11でFHD Webカメラに顔認証対応、ドルビーアトモスのオーディオに1Wスピーカーが2基搭載、そして無線はWi-Fi 6EかWi-Fi 7になります。
インターフェイスの数は普通で、Thunderbolt 4が2つにUSB-Aも2つ、HDMIにコンボジャックにHDMIもあります。
14インチで1㎏以下と軽く、X X1モデルは899g!!めちゃくちゃ軽いですね。バッテリー駆動時間は約16.2時間と長く、丸一日外出するような人に合います。
ただし、OSがArm版なのでエミュレーターで動いて本来の性能を発揮できないものがあったり、使えないアプリや対応していないドライバもあります。互換性の問題があるので、ビジネス用途の場合は購入前に調べたほうが良いと思います。
Copilot+PCとは?
Copilot+PC(コパイロットプラスピーシー)と言うのは、Microsoftが「Microsoft Build 2024」で発表した新しいカテゴリのPCで、AI技術を活用するための機種と位置付けられています。
主な特徴です。
・NPU搭載
・16GB以上のDDR5/LPDDR5メモリ
・256GB以上のストレージ
・40+TOPS(1秒当たり40兆回の演算)
・終日のバッテリー寿命
・最先端のAIモデルへのアクセス
・RecallでPCで見たものを簡単に検索
・CocreatorでほぼリアルタイムにAI画像の生成及び調整
・Live Captionで40以上の言語の音声を英語に翻訳
・薄型軽量、美しいデバイス
すごく簡単に言うと、AIがいろいろなサポートをしてくれて作業効率が上がる(便利になる)、と考えていたら問題ないです。
こちらにCopilot+PCでできることを紹介しているので、あわせてどうぞ。
Arm版Windows 11でできること、できないこと
Arm版のOSって、通常のWindowsと違いできないこともあります。
いろんなアプリとかドライバってIntelとかAMDに合わせて作られているので、タブレットやスマホに搭載されるSnapdragon(Qualcomm社)じゃ使えないものがあります。もしくは、使えてもエミュレーションされてて本来の性能が発揮できないものが多くあります。
以前ARM版Windows 10で使えないものとして、Google日本語入力やプリンター用ドライバーが有名でしたが、Windows 11では対応ソフトが増えました。
今回はいくつか一般的なソフトやデバイスと筆者が頻繁に使うソフトを検証しました。
Microsoft Office | 〇 |
---|---|
Google日本語入力 | 〇 |
Canon製プリンターのドライバー | × |
Bambu Studio (3Dプリンタソフト) | 〇 |
Bluetoothアクセサリ (キーボード、マウス、イヤホン) |
〇 |
Xbox | △ 一部対応 |
Photoshop | 〇 |
Lightroom | 〇 |
VirtualBox | × |
Blender | 動作が重たい |
Parsec | 動作が重たい |
2024年12月6日・BlenderとParsecの使用感を追加しました
依然としてプリンターなどのドライバーには非対応なようで、Canonのプリンターは使えませんでしたが、メーカーがARM版ドライバーを出していれば使うことができます。
ソフト全般についてはARM版Windows 11からx64エミュレーションをサポートしているため、ARMにネイティブで対応しているソフトよりは効率が落ちますが動作可能です。
Xboxについては、クラウドゲーミングのみ表示され、他のデバイスで購入済みのゲームなどは表示されませんでした。ただし、MinecraftなどMicrosoft Storeからダウンロードできる一部のゲームはARM上でもプレイ可能です。
軽い!めちゃくちゃ軽い
本機は14インチで実測985グラムと1㎏を切る軽量機種で、とにかく軽いんですよね。しかもX1モデルの方は899グラムと900グラム切りの超軽量機種です。
裏話をすると、SORA開発時は世界最軽量のCopilo+PCだったのですが、2025年1月に富士通FMV WU1-K1と言う868グラムのCopilot+PCが出たので、発表前に世界最軽量Copilo+PCの座を奪われました。
しかも、本機は軽いだけじゃなく高級感がすごく高く、かなりかっこよい外観です。
ベゼルは左右約4ミリ、上約8.2ミリと極細です。
高いPCってアルミニウムやマグネシウム、そしてカーボンファイバーが採用されますが、本機はセラルミナムと言うセラミック素材をアルミニウム素材にくっつけた不思議な素材で、なんとASUSは4年かけてこの素材を作り出したみたいです。高強度で耐摩耗性と耐傷性、そして耐衝撃性が高く、さらさらとした手触りです。
もちろんMIL-STD-810Hにも準拠しているので、安心してどこにでも連れていくことができます。
軽いだけあってスリムでコンパクトな機種なんです。幅は310.7ミリ、奥行き213.9ミリ、厚さ13.4~15.9mmとなっています。数年前の13.3インチ並みの大きさですね。
最薄部はカバー付きのiPhone 14と同じ厚さです。これならカバンに入れてもかさばらないですね。
ラウンドエッジの筐体で、かっこよいというよりもおしゃれな感じです。
なんかかっこいいボタンがあると思ったら、ただの飾りでした(残念)。
ディスプレイが開く最大角度は、写真の通りです。135°くらいだと思います。
指一本で開くディスプレイ
軽い機種って特に調整が難しいのですが、本機は指一本でディスプレイを開くことができます。
片手に資料や飲み物を持っていても、簡単に使い始めることができます。
最大45 TOPSのNPU性能を持つSnapdragonが搭載
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
コア/スレッド | 12/12 |
トータルキャッシュ | 42MB |
TFLOPS(GPU) | 最大4.6 TFLOPS |
TOPS(NPU) | 最大45 TOPS |
Snapdragon X X1-26-100 | |
コア/スレッド | 8/8 |
トータルキャッシュ | 30MB |
TFLOPS(GPU) | 最大1.7 TFLOPS |
TOPS(NPU) | 最大45 TOPS |
このSoCの最大の特徴は、AI専用のNPUコアですね。最大45TOPS(1秒間に45兆回の演算を実行可能)と高いNPU性能です。
また、多くのアプリからArm版Windows向けネイティブアプリケーションが提供されており、今まで以上に使えるアプリが多くなっています。
今回ベンチマークをとったのはCPU MarkとCinebench 2024、そしてGeekbench AIのみです。というのも、ほとんどのベンチマークがエミュレーターで動くので、本来の性能を測れないためです。
ここからはベンチマークの紹介で、Snapdragon X Elite X1E-78-100で計測しています。
Snapdragon X Elite X1E-78-100のCPU Markの計測結果は28318と、別機種で計測したスコアとほぼ同じでした。
その他のCPUとの比較です。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ハイエンドPCに搭載される
- 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ/本機 青/その他 赤/同じCPU別機種
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 9 185H | |
Ryzen AI 9 365 | |
Ryzen 7 8845H | |
Core Ultra 7 165H | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/別機種 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/本機 | |
Ryzen 7 8840HS | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 7 155H | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/別機種 | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core i5-1335U | |
Core Ultra 5 135U | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 165U | |
Core Ultra 7 155U |
Cinebench 2024のスコアで、Cinema 4DのデフォルトレンダリングエンジンであるRedshiftのパワーを利用して、CPUとGPUの能力を計測します。計測結果はマルチコア759、シングルコア106と良いスコアでした。
他のCPUとの比較です。
マルチコア性能
オレンジ/本機 青/その他 赤/同じCPU別機種
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Snapdragon X Elite X1E-78-100/別機種 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/別機種 | |
Ryzen 7 8845HS | |
Apple M1 Max | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/本機 | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 7 258V | |
Apple M1 | |
Core i7-1280P |
シングルコア性能
オレンジ/本機 青/その他 赤/同じCPU別機種
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Apple M1 Max | |
Apple M1 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/別機種 | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/本機 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/別機種 | |
Ryzen 3 8300GE | |
Ryzen 7 8845HS | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core i7-1280P |
Geekbench AIのONNXでCPUのAI性能を測りました。ONNXはOpen Neural Network eXchangeで、ディープラーニングや機械学習モデルのようなAIモデルの性能を計測します。
Single Precision(単精度)は2115、Half Precision(半精度)は3471、Quantized(量子化スコア)は6867とぶっちぎりで良いスコアでした。特に半精度の性能はかなり高いです。
Single Precision Score/単精度スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 125U | |
Core i7-1260P | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 8640HS | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/本機 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/別機種 | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
Half Precision Score/半精度スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Snapdragon X Elite X1E-78-100/本機 | |
---|---|
Snapdragon X Elite X1E-78-100/別機種 | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
Quantized Score/量子化スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Snapdragon X Elite X1E-78-100/別機種 | |
---|---|
Snapdragon X Elite X1E-78-100/本機 | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
5分の4K動画を撮影し、Davinci Resolveでレンダリングにかかった時間です。当然ですが、時間が短いほうが高性能です。3回計測し、平均は3分28秒でした。別の機種で計測したときと全く同じ時間でした。
4K動画レンダリング速度
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
---|---|
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/別機種 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/本機 | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core i7-14700+RTX 4060 | |
Ryzen AI 9 HX 370+RTX 4060 |
グラフィックス性能
グラフィック性能が高いとOfficeを使った作業や複数画面での作業、そして画像・動画編集などがしやすくなります。
3DMarkを使いグラフィック性能を測りましたが、エミュレーターで動いているので正確な性能を測れませんでした。
参考までにどうぞ。
Steel Nomad Lightは2166、Wild Lifeは17949、Fire Stikeは6077、そしてNight Raidは28010と、いくつかのベンチマークはGTX 1650 Max-Qを超えるスコアが出ていました。エミュレーションされてるのにすごいですね。
Steel Nomad Liteは、DirectX 12 Ultimateの性能をテストし、レイトレーシングを使用しない中量級ゲームを想定したベンチマークです。スマホなどの他のデバイスとスコアを比較できる、クロスプラットフォームです
Steel Nomad
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3050 | |
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Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 Max-Q | |
Core Ultra 5 125H | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 7 7735U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Wild Life
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3050 Ti | |
---|---|
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 Ti | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
GTX 1650 Max-Q | |
Ryzen 7 8845HS | |
Ryzen 5 8640HS | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Fire Strike
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3050 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
GTX 1650 | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 Max-Q | |
Arc A350M | |
Ryzen 5 8640HS | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 7 7735U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Night Raid
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 4050 | |
---|---|
RTX 3050 | |
RTX 3050 Ti | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 258V | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
GTX 1650 Ti | |
Core Ultra 5 125H | |
GTX 1650 Max-Q | |
Ryzen 7 7735U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
次は2Dゲームのベンチマークで、同じくエミュレーターで動いています。ドラゴンクエスト10は5867で「快適」でした。
OLEDディスプレイ搭載モデルあり
本機のディスプレイは2種類あり、レビュー機は右のモデルになります。
Snapdragon X X1-26-100 | Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
解像度 | 1920×1200 | |
ディスプレイ | TFT液晶 | ASUS Lumina OLEDディスプレイ |
光沢 | ノングレア | グレア |
視野角 | 170° | |
色域 | – | DCI-P3 100%、ΔE<1 |
コントラスト比 | – | 1,000,000:1 |
HDR | – | HDR True Black 600 |
色深度 | – | 10bit(10.7億色) |
解像度は1920×1200ドットと一般的なFHDよりも縦に120ドットも長く、14インチでも15インチ並みの情報量があります。
さすがに右の15.6インチには劣りますが、それに近い表示量があります。
レビュー機はASUS Lumina OLEDディスプレイを搭載し、本物の黒を描写でき、コントラスト比も高いです。右の2.8K OLEDディスプレイと比べてもそん色なく、同じくらいの色域ですね。
真っ黒を描写できるので映像/画像にもメリハリがでるし、コントラスト比は100万:1でハイダイナミックレンジのHDR True Black 600に対応しているのではっきりくっきりと描写されます。すごく高品質です。
色域は広く、右のDCI-P3 100%よりも豊かな色彩になっています。Zenbookのディスプレイは、全体的に高品質ですね。
ΔE<1(Delta E測定で1以下)なので、現実のものと色差は肉眼ではわからないくらいになり、現実にあるものと本機のディスプレイに映し出されたものは、ほぼ同じ色彩であるということです。
最後に視野角のチェックです。視野角は170°で、一番右の画像の時のみ暗くなりました。正面や斜めから見る分には問題ありません。
多機能タッチパッド付きキーボード
キーボードはバックライト付きで、Copilotキーもあります。
赤枠内の主要キーと下の列のキーは同じ大きさなので、見た目も良いしミスタイプもしにくいです。ただし、カーソルキーとFキー列は小さいので、慣れが必要かもしれません。
キーピッチ(キーの中心部から隣のキーの中心までの距離)は実測18.8×18.3ミリと十分な距離があり、手が大きな人にも使いやすいです。
キーストロークは実測1.0㎜と浅く、軽めのタイピングで流れるように動く人には合うと思います。
このタッチパッドはスワイプして、輝度の調整、音量調節、ビデオの再生巻き戻しができます。これ便利なんですね~。わざわざカーソル動かさなくてもここで調節できるので楽ですね。
また、79.5㎜×127.5㎜のと大きなタッチパッドなので、操作がしやすいです。
Wi-Fi 7対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11be (Wi-Fi 7) |
2.4/5/6GHz | 46Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 7に対応しており、現在主流のWi-Fi 6の約5倍、低価格モデルのPCに採用されるWi-Fi 5の約13倍の最大通信速度があります。また、理論上16本のストリームになり、今まで以上に多くのデバイス(理論上2倍)を接続して快適に使えます。
6GHzで最大320MHzのチャンネル幅があり、Wi-Fi 6E(最大160MHz)の2倍の帯域幅になります。
ただし、ルーターもWi-Fi 7に対応していないといけないし、契約回線も速くないとその恩恵はあまり受けられません。
また、Snapdragon X X1-26-100搭載モデルはWi-Fi 6Eになります。
バッテリー駆動時間が長い!
Snapdragon X X1-26-100 | Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
JEITA 3.0 | 約16.2時間 | 計測中 |
ASUSの測定 | 約19.75時間 | 約29時間 |
※ASUS測定はディスプレイ輝度150cd/m2、電源モードをトップクラスの電力効率でフルHD動画連続再生時間。
Snapdragon X X1-26-100搭載モデルは48Whrのバッテリーが搭載で、最大約19.75時間とかなり長いバッテリー駆動時間です。
Snapdragon X Elite X1E-78-100モデルは70Whrの大容量バッテリーを搭載し(こんな大きなバッテリー搭載して1㎏切るのはすごいですね)、最大約29時間のバッテリー駆動時間になります。
長すぎでしょ(笑)
その他の特徴
排熱性能
いつもなら筐体内部を開けてファンの数やヒートパイプを調べるのですが、本機はこれからASUS SORAの発表会見で使用するということなので、遠慮しておきました(笑)。
こちらはZenbook SORAの海外モデルでZenbook A14の画像です。ファンは2つにヒートパイプが1つあります。
スナドラ搭載なので発熱は心配していませんが、検証しました。
CPUの性能をフルで使うCinebench 2024と言うベンチマークを実行時の、CPUの温度推移図です。Cinebenchをスタートしたらすぐに350度(摂氏77度)ほどに上がり、その後は343度(70度)を上限に上下しながら推移しています。
急激に温度が上下したりすることなく、比較的安定して動いています。
Webカメラ&オーディオ/スピーカー
Webカメラは高画質のFHD解像度で顔認証に対応で、プライバシーシャッター(ON/OFFボタンはF10)もあります。
左の画像は本機で撮影、右は他のWEBカメラで撮影したFHD解像度の写真です。品質は良い方だと思います。
また、Windowsスタジオエフェクトも使え、よりWeb会議がしやすくなると思います。自動フレーミングやアイコンタクトなどすごく便利だし、背景のぼかしなどもできます。
オーディオはドルビーアトモスで1Wスピーカーが2つ搭載しており、Web会議に合う音質です。音楽を聞くにはちょっと軽い音かなと思いますが、ミドルとハイの抜けが良く。(スピーカー音は動画で紹介しています)
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリはLPDDR5X-8448MHzの32GBで、Memory Markで性能を計測したら4229とめちゃくちゃ良いスコアでした。
その他のメモリとの比較です。
Memory Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
本機種 | |
---|---|
LPDDR5X平均 | |
DDR5平均 | |
LPDDR5平均 | |
LPDDR4X-4266MHz平均 | |
DDR4-3200MHz平均 |
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
搭載ストレージはSSD PCIe 4.0 1TBで、シーケンシャル速度を計測したら、リード(読み込み速度)は6690MB/秒、ライト(書き込み速度)は3632MB/秒とめちゃくちゃ速いです。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
本機種 | |
---|---|
PCIe 4.0×4 | |
PCIe 3.0×4 | |
HDD |
インターフェイス
インターフェイス少ないですがThunderbolt 4が2つもあるので、屋内で使う人はドックがあると便利です。
右側面にはUSB 3.2 Gen 2(データ転送速度10Gbps)が1つです。
左側面はHDMI、Thunderbolt 4(データ転送速度40Gbps/Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き)が2つ、そしてオーディオコンボジャックになります。
ライバル機種
同じくAI PCからいくつかライバル機種をピックアップしました。
ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition
ThinkPad初でLenovoで二機目のAura Editionです。CPUにはCore Ultraシリーズ2を採用し、グラフィック性能がかなり高くバッテリーも長持ちです。また、本機はX1 Carbon初の1㎏以下の機種で、14インチで986gと超軽量です
CPU | Intel Core Ultra 7 258V |
---|---|
メモリ | LPDDR5X-8533MHz 32GB |
ストレージ | SSD 1TB |
ディスプレイ(14型) | 2.8K OLED |
無線 | Wi-Fi 7 BE201 |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証 |
重さ | 986g |
バッテリー(JEITA 3.0) | 最大約11.6時間 |
価格 | 28.6万円~ |
FMV WU1-K1
世界最軽量のCopilo+PCで、14インチで868g!筐体も小さく、それでいてUSB4が2つにUSB-Aが1つ、RJ45もあります。総合的に見てもASUS Zenbook SORAと似たようなスペックで、大きな違いはCPUにIntel Core Ultraシリーズ2を採用している点です。
CPU | Intel Core Ultra 7 256V Intel Core Ultra 7 258V |
---|---|
メモリ | LPDDR5x 最大32GB |
ストレージ | SSD 最大2TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14型) | WUXGA |
無線 | Wi-Fi 7、イーサネット |
カメラ | FHD+IRカメラ |
生体認証 | 顔認証、指紋センサー |
寸法(幅×奥行×高さ) | 308.8 × 209 × 15.8-17.3㎜ |
重さ | 868g |
バッテリー | 15.5時間 |
価格 | 21.4万円~ |
OmniBook Ultra 14-fd
今話題のAI PCで、Arm版のSnapdragonじゃなくAMD Ryzenが搭載になります。メモリは最大32GBと大容量で、なんと900万画素のWebカメラです!!4K解像度が約829万画素なので、900万画素って4K以上ですね。また、最新のWi-Fi 7にも対応しています
CPU | Ryzen AI 9 365 Ryzen AI 9 HX 375 |
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メモリ | LPDDR5x 32GB |
ストレージ | SSD 1TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14型) | 2.2K IPS タッチ |
無線 | Wi-Fi 7 |
カメラ | 900万画素+IRカメラ |
生体認証 | 顔認証 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 315 × 227 × 16.4㎜ |
重さ | 1.57㎏ |
バッテリー | 21時間 |
価格 | 18.9万円~ |
ASUS Vivobook S 14 OLED
超高性能CPUが搭載でスペックはかなり高め、そしてZenbookよりも低価格です。Wi-Fi 6Eで重さが1.3キロ、そしてバッテリー駆動時間が若干短くなっていますが、あまり持ち運びしないという人はこちらも検討候補に入ります(とは言っても14インチで1.3キロは軽い方です)。
CPU | Ryzen AI 9 HX 370 |
---|---|
メモリ | LPDDR5X-7500MHz 32GB |
ストレージ | SSD 1TB |
ディスプレイ(14型) | 2.8K(2880×1800ドット)OLED HDR 120Hz 600ニト グレア |
無線 | Wi-Fi 6E |
重さ | 約1.3㎏ |
バッテリー(JEITA 3.0) | 最大約8.9時間 |
価格 | 20.9万円~ |
まとめ
良い点
・超軽量コンパクトで持ち運びがしやすい
・セラルミナム素材で高級感や耐久性が高い
・最大47TOPSのNPU搭載で、Geekbench AIでの性能も高かった
・画面比が16:10で、14インチでも一般的な15インチ並みの情報が表示される
・超高品質OLEDディスプレイあり
・指一本で開くことができるディスプレイ
・Wi-Fi 7対応モデルあり
・高機能タッチパッド
・メモリが超高速
・バッテリー駆動時間が長い
・Thunderbolt 4が2つ
残念な点
・残念と言うか元々わかりきっていたことですが、Arm版OSなので使えないアプリやドライバがある
総合評価
軽いと全てが良く見えますね。性能も高いので体感でわかるほどサクサク動くし。また、特殊素材のセラルミナムを使用しているので手触りも良く、他のパソコンとは全然違った感じです。
全体的にハイエンドなので性能的に気になる点はないですが、何度も言っているようにArm版Windowsなので使えないアプリなどがあるかもしれないので、特にビジネス用途で購入をお考えの人は注意が必要です。
Author
・パソコンガイドメインライターの本田。PCやタブレット、その他ガジェットが好きで、年間2~30台ほどのPCとモニターや周辺機器を購入するマニア
・元ミュージシャン
・暖かいところが好きで、よくタイに旅行に行く
・既婚(妻と子供2人)
・最近の趣味はオーディブルを聞きながらぼけ~っとすること
・はまってることは、裸足で1日10分歩く健康法
・若く見られがちだが40代