低価格ビジネスモデルのHPシリーズで、標準的なスペックのモデルです。
大きな欠点もなく「普通」のノートパソコンですが、価格が6.5万円からとかなり安いです。
当サイトの評価は、こうなりました。
スペック | [usr 3.9] |
---|---|
コスパ | [usr 4.4] |
総合評価 | [usr 4.2] |
Contents
HP 245 G9(AMD)のスペック
CPU | Ryzen 3 5425U Ryzen 5 5625U |
---|---|
メモリ | 最大16GB |
ストレージ | SSD 256GB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14型) | FHD UWVA |
OS | Windows 11 Pro |
LAN | Wi-Fi 6、ギガビットイーサネット |
生体認証 | 指紋センサー |
WEBカメラ | 720p |
寸法(幅×奥行×高さ) | 324 × 225.9 × 19.9㎜ |
重さ | 1.47㎏ |
バッテリー | 最大約11.1時間 |
保証 | 1年間 |
価格 | 6.5万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUは、旧モデルに比べ最大発熱が10度も下がったRyzen 5000シリーズが搭載です。クロック数が落ちにくく、高負荷な作業が長時間しやすくなっています。
メモリは最大で8GB×2枚の16GBで、メモリスロットが2つありますが、増設などには対応していません。SSDは256GBと小さめなので、クラウドストレージなどを併用した方がよさそうです。
ディスプレイは標準的なFHDで、液晶はIPSと似たUWVA(Ultra Wide Viewing Angle)です。ただし、輝度は250ニトと低めで、オフィスで使う分には問題ないと思いますが、屋外や太陽光が当たる明るい屋内では、若干暗く感じます。
無線はWi-Fi 6に対応し、有線LANポートもあるので、通信環境は良いです。
14インチにしてはほんの少し大きめの筐体で、重さは1.47㎏と、こちらも若干重たいです。
バッテリー駆動時間が約11.1時間あるので、ちょっとした外出や社内移動でも使いやすいと思います。
2022年のトレンドと比較
2022年のノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。(〇/標準搭載、△/モデルによってはあり、×/なし)
Ryzen 6000 | DDR5 | PCIe 4.0 | アスペクト比16:10 |
× | × | × | × |
Wi-Fi 6 | sRGB 100%以上 | 輝度300nit以上 | 1080P Webカメラ |
〇 | × | × | × |
USB4 | 生体認証 | 重量1.2㎏前後 | バッテリー14時間以上 |
× | 〇 | × | × |
ビジネスモデルHPシリーズは、低価格で販売されて、企業が大量購入しやすい安価な製品なので、特にトレンドは追いかけていないことが多いです。
旧モデルとの比較
<左/本機種・右/HP 255 G8>
ちょっと、旧モデルが見つからなかったのですが、HP 255という15.6インチの兄弟モデルとして、新たに発売されたようです。一応、HP 255 G8との比較です。(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | HP 255 G8 | |
CPU | Ryzen 3 5425U Ryzen 5 5625U |
AMD 3020e AMD Athlon Silver 3050U AMD Ryzen 5 5500U |
メモリ | 16GB | 8GB(3200MHz) |
ストレージ | SSD 256GB | SSD 256GB |
ディスプレイ | 14型 FHD UWVA | 15.6型 FHD UWVA |
無線 | Wi-Fi 6 | Wi-Fi 5 |
バッテリー | 11.1時間 | 約10時間 |
価格 | 6.5万円~ | 4.4万円~ |
変更点です。
・CPUが発熱が低いモデルに
・メモリ容量が倍増
・Wi-Fi 6に対応
プロセッサーの性能を表すCPU markスコアです。
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・旧モデル
Ryzen 5 5625U | |
---|---|
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 3 5425U | |
Athlon Silver 3050U | |
AMD 3020e |
HP 245 G9(AMD)の特徴
画面占有率は78.8%で、低価格モデルなのでベゼル(画面の黒い枠)も太めですね。徹底的にコストカットを意識した外観です(スペックもですが)。
寸法は
・幅 324㎜
・奥行 225.9㎜
・高さ 19.9㎜
で、ベゼルが太めな分、ちょっと大きな筐体です。
厚さは19.9㎜と厚めで、重量は1.47㎏と、少し重たいかなというくらいです。とは言っても、14インチなので持ち運びはしやすいと思います。
インターフェイスは右側は豊富にあり、問題ない程度にあります。
MILスペック
本機はMIL規格と言う13項目の米軍の物資調達規格に準拠しており、落下テストや気温・気圧の変化テスト、粉塵など様々なテストもクリアしています。他にも、HP独自の50000ものテストをしており、計12万時間を超えるテストになっています。
安心して使えますね。
Webカメラ周り
Webカメラは一般的なHD 720pで、デュアルアレイマイク、ステレオスピーカーが搭載です。
また、AIによるノイズ軽減フィルターがあり、より快適なリモートワークができます。
キーボード
キーピッチ(キーの中心から次のキーの中心までの距離)は縦横18.7㎜で、十分な幅があります。また、キーストローク(キーを押し込む距離)は1.5㎜~1.7㎜と比較的深く、主要キーは同じサイズなので、タイピングしやすいと思います。
ただし、HPは独特のキー配置を使用することが多く、本機はエンターキーなどが一列左に入っているので、慣れるまでミスタイプをするかもしれません。
また、キーボード下の方には指紋センサーもあるので、サインインは楽にできます。
CPU
Ryzen 3 5425U | Ryzen 5 5625U | |
製造プロセス | 7nm | |
---|---|---|
アーキテクチャ | Zen 3 | |
コア/スレッド | 4/8 | 6/12 |
L3キャッシュ | 8MB | 16MB |
GPUコア | 6 | 7 |
基本クロック | 2.7GHz | 2.3GHz |
ブーストクロック | 4.1GHz | 4.3GHz |
TDP | 15W |
アーキテクチャは最新のZen 3になっており、Zen 2に比べ以下の様な特徴があります。
- コアからアクセスできるL3キャッシュが倍増(パフォーマンス向上)
- IPCが19%向上し、電力当たりのパフォーマンスが最大24%UP
- シングルスレッドの性能が最大23%UP
- マルチスレッドの性能が最大108%UP
- バッテリー効率が上がった
一般的に、AMDプロセッサーはインテルモデルよりも発熱が少なく、バッテリー駆動時間が長いと言われており、搭載CPUは旧モデル(Ryzen 3 5400UやRyzen 5 5600Uなど)に比べ、最大温度が10度も低いので、より長く高負荷な作業がしやすくなっています。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markのスコアです。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 14000~・ハイエンドPCに搭載される
- 15000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 5800H | |
---|---|
Ryzen 7 5800U | |
Ryzen 7 Pro 5850U | |
Ryzen 7 5825U | |
Ryzen 5 Pro 5650U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 5600U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 3 5400U | |
Core i7-1165G7 | |
Ryzen 3 5425U | |
Core i5-1135G7 | |
Ryzen 3 5300U | |
Core i3-1115G4 |
旧モデルCPUよりも性能が低くなっていますが、ビジネス用途でガッツリ通のに十分な性能があると思います。
グラフィック性能
グラフィック性能が高いと、Officeを使った作業や複数画面での作業などがしやすくなります。
3D Graphics Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
---|---|
Core i5-1135G7 | |
Ryzen 7 5800U | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i3-1215U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i5-1235U | |
Ryzen 5 5600U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 3 5400U | |
Ryzen 3 5300U |
スコアはあまり高くないですが、2000前後あれば、特に困ることはないと思います。
ディスプレイ
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 |
FHD | なし | UWVA | 250nit |
輝度が若干低いですが、低価格PCに搭載しているスタンダードなディスプレイです。液晶はIPS液晶じゃなくUWVA(Ultra Wide Viewing Angle)というものが搭載しており、視野角が広いです。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
メモリはDDR4-3200MHzで、スロット2つ・最大16GBになります。8GBモデルを購入したら場合は4GB×2枚、16GBは8GB×2枚となっており、仕様書によると増設には対応していないとのことです。
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
ストレージはM.2 SSDで、256GBになります。パソコンの起動も10数秒と速く、データ移動もサクサクできます。ただし、容量が小さいので、クラウドサービスなどと併用しないと、すぐにいっぱいいっぱいになると思います。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャルリード
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 3.0×4 | |
---|---|
HDD |
セキュリティ
HPのビジネスモデルにはHP Wolf Securityという、HP独自の堅牢なセキュリティが搭載していますが、HPシリーズのみ、これはありません。
Wi-Fi 6に対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6に対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
バッテリー駆動時間
バッテリーは3セル・41Whrで、最大バッテリー駆動時間は11.1時間となっています。この価格のノートパソコンとしては長めの時間で、バッテリーを気にせずに外出できますね。
インターフェイス
インターフェイスは多くもなく少なくもなくで、必要最低限のものが搭載しています。
右側面はミニセキュリティスロットと、USB-C 3.2 Gen 1になります。
左側面はヘッドフォン/マイクジャック、USB-A 3.2 Gen 1が2つ、HDMI、RJ45、電源ポートになります。
すべてのUSBポートのデータ転送速度は5Gbpsで、USB-Cはデータ転送のみです(Displayport機能なし)。
サポート・保証
HPのビジネスノートは日本でのサポートを行っており、保守拠点は国内に420拠点以上あるので、修理対応もスピーディーです。
ビジネスサポートは通常のコールセンターよりもつながりやすく、何といってもたらいまわしがないというのが嬉しいです。時間は月~金が朝9時から夜21時まで、土曜日が朝9時から夕方17時までになっています。
保証は1年間引き取り修理で、HP指定業者が自宅や会社にPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれます。最長5年まで延長でき、保証期間内はパーツ代や輸送費は無料です。
もしくは「オンサイト修理」と言う、「エンジニアが指定住所に来て修理」をする保証にアップグレードでき、こちらも最長5年まで延長できます。
アクシデントサポートと言う通常保証じゃカバーされない「水濡れ」「落下」「盗難」などをカバーする保証もあります。
ビジネスモデルなので、保証とサポートは手厚いですね。
ライバル機種
ThinkPad E14 Gen 4(AMD)
人気の14インチモデルでCPU最大温度が通常版より10度も低く、それでいて性能が高いCPUが搭載です。バッテリー時間も長いので持ち運びが多い人にも合い、sRGB 100%のディスプレイを選べばクリエイティブワークもしやすくなります
CPU | Ryzen 3 5425U Ryzen 5 5625U Ryzen 7 5825U |
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メモリ | 最大40GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
ディスプレイ(14型) | FHD IPS液晶 sRGB 100%あり |
通信 | 有線LAN、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2 |
その他 | FHD 1080p /720p、指紋センサー、IRカメラあり |
重さ | 1.64㎏ |
バッテリー | 最大16.7時間 |
価格 | 8.0万円~ |
ThinkBook 14 Gen 3
こちらもRyzen 5000シリーズ搭載で、上位モデルのRyzen 5 5600UとRyzrn 7 5800Uも選べる超ハイスペック機種です。14型で1.4㎏と軽いので、持ち運びが多く外出先でも快適に使いたいという人に向いています。SDカードリーダーもあるので、一眼やデジカメを使う人にも合いますね。
CPU | Ryzen 3 5300U Ryzen 5 5500U/5600U Ryzen 7 5700U/5800U |
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メモリ | 最大24GB |
ストレージ | SSD+HDD |
ディスプレイ | FHD IPS 光沢なし sRGB 100%/タッチあり |
その他 | WiFi6、イーサネット(RJ45)、指紋センサー、 |
重さ | 1.4㎏ |
バッテリー | 最大10.7時間 |
価格 | 6.7万円~ |
IdeaPad Slim 570(14型 AMD)
上位モデルのRyzen 5000シリーズが搭載でかなり性能が高く、普段使い用としては十二分の性能があります。1.39㎏と軽く、Wi-Fi 6にも対応し、バッテリー駆動時間も長めと、持ち運びがしやすい機種です
CPU | Ryzen 3 5425U Ryzen 5 5625U Ryzen 7 5825U |
---|---|
メモリ | DDR4 最大16GB |
ストレージ | SSD 最大512GB |
ディスプレイ(14型) | FHD IPS 光沢なし 300ニト |
無線 | Wi-Fi 6 |
生体認証 | 指紋センサー |
Webカメラ | HD 720p、FHD 1080p |
重さ | 1.39㎏ |
バッテリー | 最大15.1時間 |
価格 | 6.8万円~(Ryzen 5モデル) |
まとめ
良い点
・発熱が低いRyzen 5000シリーズが搭載
・Wi-Fi 6対応
・指紋センサー搭載
残念な点
・他のビジネスノートのように、HP Wolf Securityがない
総合評価
いたって「普通」のノートパソコンで、あまり特徴もありません。唯一すごいなと思うのは、この価格ですね。2022年に入りPCの価格が大きく上がっていますが、本機はほぼ据え置き価格なので、コスパが高いです。
スペック的には特に困ることはないと思いますが、サクサク快適にというわけでもないと思います。ほどほどの作業に合いますね。