旧モデルよりも小さくなり、指紋センサーが搭載されたりとスペックも上がっていますが、低価格モデルなので全体的なスペックは低めです。ローエンドAPUを選ぶ場合はテキスト中心の用途が合い、超高性能Ryzen 5000シリーズ搭載モデルはサクサク高負荷な作業も可能です。
企業が低負荷な作業をする用途で、大量購入する場合に合う機種と思います。
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HP 255 G8のスペックレビュー
APU | AMD 3020e AMD Athlon Silver 3050U AMD Ryzen 5 5500U |
---|---|
メモリ | 最大 8GB |
ストレージ | SSD 最大256GB |
グラフィックス | Radeon |
ディスプレイ(15.6型) | FHD UWVA |
有線 | 10/100/1000 Gigabit |
無線 | WiFi5、Bluetooth 5.0 |
生体認証 | 指紋センサー |
セキュリティ | TPM 2.0 |
寸法(幅x奥行きx高さ) | 358 x 242 x 19.9㎜ |
重さ | 1.74㎏ |
バッテリー | 最大約10時間15分 |
保証 | 1年間 |
価格 | 4.4万円~ |
パソコンの頭脳であるAPU(プロセッサー)は、ちょっと古いものと、最新のRyzen 5000シリーズがあり、性能が全然違うので購入時には注意が必要ですね。おそらく個人で購入する場合はほとんどの人がRyzen 5 5500Uを選ぶと思いますが、かなり性能も高く使い勝手が高い機種です。
メモリはAMD 3020eを選んだ場合は4GB、その他のAPUを選ぶと8GBになります。Ryzen 5を選んだ場合は16GBがあっても良かったですが、とりあえず8GBなので困ることはないですね。
また、AMD 3020eを選んだ場合はストレージはSSD SATAになり、その他のモデルに搭載されるM.2 SSDよりもかなり性能が劣るのでご注意を。M.2 PCIe NVMeは最高峰のSSDなので、パソコンの起動もデータ移動もさくさくです!!
ディスプレイは標準的なFHDで、UWVA(ウルトラ・ワイド・ビューイング・アングル)という視野角が広い液晶になっています。UWVAはあまり聞かない名前ですが、高品質なIPS液晶の様です。また、ディスプレイの輝度は250nitなので、室内で使うには十分な明るさがあります。
全体的に見て、低価格モデルと言ったスペックであまり特徴はありませんが、サポートと保証が手厚いので、企業が購入する機種としては検討の価値があると思います。
旧モデルとの比較
<左/本機種・右/HP 255 G7>
旧モデルのHP 255 G7との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | HP 255 G7 | |
CPU | AMD 3020e AMD Athlon Silver 3050U AMD Ryzen 5 5500U |
AMD 3020e AMD Athlon Silver 3050U AMD Ryzen 5 3500U |
メモリ | 8GB | |
ストレージ | SSD / SSD SATA | SSD SATA / HDD |
ディスプレイ | FHD | HD、FHD |
無線 | WiFi | |
バッテリー | 10.25時間 | 10.5時間 |
重量 | 1.74㎏ | 1.78㎏~1.9㎏ |
価格 | 4.4万円~ | 3.9万円~ |
新しい筐体になり全体的にコンパクトになり、幅が1.8㎝も小さくなっています。また、重量も最大1.9㎏あったのが、1.74㎏と軽くなっていますね。
プロセッサーの性能を表すPassmarkスコアです。
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 5 5500U | |
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Ryzen 5 3500U | |
Athlon Silver 3050U | |
AMD 3020e |
ライバル機種
<左から本機種・HP 470 G8・Lenovo ThinkPad E15 Gen 3>
本機種と似たような機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)
本機種 | 470 G8 | ThinkPad E15 Gen 3 | |
CPU | AMD 3020e AMD Athlon Silver 3050U AMD Ryzen 5 5500U |
Core i3-1125G4 Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
Ryzen 3 5300U Ryzen 5 5500U Ryzen 7 5700U |
メモリ | 8GB | 16GB | 24GB |
ストレージ | SSD / SSD SATA | SSD+HDD | SSD x2 |
ディスプレイ | FHD | 17型)FHD | FHD |
無線 | WiFi5 | WiFi5 | WiFi5/6 |
バッテリー | 10.25時間 | 8.5時間 | 12.6時間 |
重量 | 1.75㎏ | 2.08㎏ | 1.7㎏ |
価格 | 4.4万円~ | ― | 6.9万円~ |
プロセッサーの性能を表すPassmarkスコアです。
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 5700U | |
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Ryzen 5 5500U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Ryzen 3 5300U | |
Core i3-1125G4 | |
Athlon Silver 3050U | |
AMD 3020e |
各機種の特徴です。
- 本機種・・・低性能APUから高性能APUまであり、値段が値段なのでそれなりの機種
- HP 470 G8・・・17型の大画面で、パソコンの持ち運びをしない人は良いかも
- ThinkPad E15 Gen 3・・・低価格モデルだが他機種に比べると「普通の価格」で、スペックはしっかりしている。また、ベゼル(画面の黒い枠)も細い
メリット・デメリット
良い点
・最新のRyzen 5 5500Uも搭載可能
・高画質FHDディスプレイ
・バッテリー駆動時間が低価格モデルにしては長め
・指紋センサー搭載
残念な点
低価格モデルなのでWiFi6がなかったり、USB-Cに映像出力機能がなかったりしますが、低価格モデルなので普通かなと思います。標準的なビジネスノートが必要な場合は、ProBookシリーズが良いと思います。
HP 255 G8の特徴
旧モデルよりもベゼル(画面の黒い枠)が小さくなったとはいえ、画面占有率は81%と2021年販売の新機種としては高くありません。低価格モデルなので、こういったところでもコスト削減をしていますね。
寸法は
・幅358㎜(一万円札2枚分+4㎜/360㎜)
・奥行242㎜(一万円札1.5枚分/240㎜)
・高さ19.9㎜(一円玉の直系/20㎜)
とほぼ同じになります。15.6型なので大きめですが、若干「ずんぐりむっくり」した機種ですね。
厚さは19.9㎜とめちゃくちゃ分厚いわけじゃないですが、若干厚めです。ただし、筐体は若干丸みを帯びていて、おしゃれな感じもします。
旧モデルは黒の筐体でしたが、本機種はシルバーで見た目が良くなったと思います(笑)。以前のように安っぽさがあまりないですね。重量は1.74㎏と、平均的な15.6型のノートパソコンです。
旧モデルにはなかった指紋センサーも搭載されたので、サインインも一瞬でできます。毎日の使用がちょっと楽になりますね。
耐久性
HPのビジネスノートは机からの落下や満員電車内での圧力、温度の高低差やほこりの中などでの使用を想定した12万時間以上のテストをクリアしているので、安心して使えるパソコンです。
また、EPEAT Silverという認証を得ており、外箱に持続可能な資源を利用するなど地球環境に配慮しし、サステナブルに貢献しています。
キーボード
キーピッチ(キーの中心から次のキーの中心までの距離)は18.7㎜で、普通に使いやすい幅があります。また、キーストローク(キーを押し込む距離)は1.5㎜~1.7㎜と比較的押しごたえのあるキーなので、軽すぎないタッチでタイプすると使いやすいと思います。
APU
Ryzen 5 5500U | Athlon Silver 3050U | AMD 3020e | |
コア/スレッド | 6/12 | 2/2 | 2/2 |
---|---|---|---|
L3キャッシュ | 8MB | 4MB | 4MB |
GPUコア | 7 | 2 | 3 |
基本クロック | 2.1GHz | 2.3GHz | 1.2GHz |
ブーストクロック | 4.0GHz | 3.2GHz | 2.6GHz |
TDP | 15W | 15W | 6W |
プロセッサーは省電力モデルのAMD 3020eと、ローエンドモデルのAthlon Silver 3050U、そして最新のRyzen 5 5500Uが搭載可能です。はっきり言って、Ryzen 5以外は「快適さ」がかなり減ります。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 5700U | |
---|---|
Ryzen 5 5500U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Ryzen 3 5300U | |
Core i5-1035G1 | |
Core i3-1005G1 | |
Athlon Silver 3050U | |
AMD 3020e | |
Celeron N4020 |
選択するAPUにより大きく仕様スペックが変わるので、ご紹介します。(太文字が高性能)
Ryzen 5 5500U | Athlon Silver 3050U | AMD 3020e | |
メモリ | DDR4 8GB | DDR4 4GB | |
---|---|---|---|
周波数 | 3200MHz | 2400MHz | |
SSD | PCIe NVMe | SATA |
AMD 3020eはかなり性能が低く、搭載ストレージがSATA、メモリが4GBなので、快適に使いたい人は敬遠したほうがよさそうです。
Athlon Silverを選んだ場合はストレージはM.2 SSDでメモリは8GBですが、メモリは処理速度が遅い2400MHzなので、そこまで快適ではありません。ただし、1クリック当たり時間がかかってもいいという場合であれば、検討してもいいかもしれないですね。
言い方が悪いですが、「まともなビジネスモデル」はRyzen 5モデルのみですね。ただし、その他の機種は「法人がテキスト入力用途で大量購入」するには良いかなと思います。
ディスプレイ
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 |
FHD 1920×1080 |
なし | UWVA | 250nit |
FHD | フル・ハイディフィニション、一般的な画質 |
---|---|
光沢 | 光沢ありは発色が良い反面、自分や背景が映り込みしやすい。光沢無しは映り込みがしにくい |
UWVA | ウルトラ・ワイド・ビューイング・アングルの略で、視野角が広い液晶で、IPS液晶の一種 |
nit | 明るさを表す単位。通常250nitが標準 |
ディスプレイは特筆するところはありませんが、オフィス内での使用であれば特に問題なく使える品質です。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
先述したようにAPUによってメモリが変わるのですが、Ryzen 5のみ3200MHzでほかのモデルは2400MHzになります。この周波数が高いと処理速度が速くなり、3200MHzは2400MHzよりも約40%も速くなります。
また、メモリはオンボードなので増設はできません。
ストレージ
SSD(PCIe NVMe) | HDD SATA | |
最大データ転送速度 | 最大16Gbps~32Gbps | 最大6Gbps |
平均起動時間 | 10秒~15秒 | 15秒~ |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい |
価格 | 高い | 安い |
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
本機種はAMD 3020eを選ぶとSSD SATAが、そのほかのモデルを選ぶとSSD PCIe NVMeが搭載です。PCIe NVMeは最高峰のSSDなので、データ移動も速くパソコンの起動もサクサクです。
セキュリティ
セキュリティはWindows標準搭載のWindows Defenderというマルウェアやウイルス対策があり、TPM 2.0と言うWindows 11必須のモジュールもあります。TPMはパスワードなどの重要情報を別の場所に保管するもので、セキュリティが強化されます。
バッテリー
45W ACアダプター付属で、バッテリーは3セル・41Whrになります。最大バッテリー駆動時間は10時間15分とそこそこ長いので、外出時も充電アダプターの持ち運びは必要ない人もいると思います。
インターフェイス
右側面インターフェースはSDカードリーダー、USB-A 3.2 Gen 1が2つ、電源コネクタになります。
左側面インターフェースはRJ45、HDMI 1.4b、USB-C 3.2 Gen 1、マイク・ヘッドフォンジャックになります。
USBのデータ転送速度は5Gbpsで、USB-Cに映像出力機能あありません。
サポート・保証
HPのビジネスノートは日本でのサポートを行っており、保守拠点は国内に420拠点以上あるので、修理対応もスピーディーです。
ビジネスサポートは通常のコールセンターよりもつながりやすく、何といってもたらいまわしがないというのが嬉しいです。時間は、月~金が朝9時から夜21時まで、土曜日が朝9時から夕方17時までになっています。
保証は1年間引き取り修理で、HP指定業者が自宅や会社にPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれます。最長5年まで延長でき、保証期間内はパーツ代や輸送費は無料です。
もしくは「オンサイト修理」と言う、「エンジニアが指定住所に来て修理」をする保証にアップグレードでき、こちらも最長5年まで延長できます。
アクシデントサポートと言う通常保証じゃカバーされない「水濡れ」「落下」「盗難」などをカバーする保証もあります。
ビジネスモデルなので、保証とサポートは手厚いですね。
まとめ
全体的にスペックは低めですが、APUやメモリなどの操作に関連するスペックはRyzen 5を選べば高いので、比較的快適に使えると思います。というか、特定の用途以外であれば、Ryzen 5モデル一択になるんじゃないかなと言う構成ですね。
低スペックモデルは「イントラネットに繋ぎ、テキスト中心の作業をする」用途に向いており、この場合であればストレスもなく動作も快適だと思います。また、低スペックモデルは価格も安いので、企業が大量購入しやすいですね。
個人で仕事用に購入するのであれば、Ryzen 5モデル一択です。