インテル第14世代CPU搭載のデスクトップ・OMEN 40Lは、最大でRTX 3080を搭載でき、筐体も大きく拡張性も高い機種です。
ガチにゲームをやっている人や、映像編集・CADなどを仕事で使う人にもおすすめしたいほどのハイスペック機種です。
2023年3月18日追記)Core i7-13700K+RTX 4070 Tiモデルが追加されたので、情報をアップデートしています。
2023年12月追記)Core i7-14700K、DDR5-5200MHzが追加されたので、情報をアップデートしています
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Contents
OMEN 40Lのスペックレビュー
CPU | Core i7-13700K Core i7-14700K |
---|---|
メモリ | 16GB/32GB(最大64GB) |
ストレージ | SSD 1TB(PCIe Gen 4×4) |
グラフィックス | NVIDIA GeForce RTX 4070 Ti |
OS | Windows 11 Pro |
無線 | Wi-Fi 6/6E、Bluetooth 5.0 |
有線 | 10/100/1000 Mbps |
オーディオ | Realtek ALC3866-CG |
寸法(幅×奥行×高さ) | 204×470×467㎜ |
重さ | 約18.7㎏ |
電源 | 800W ATX電源 80PLUS Gold |
冷却機構 | 水冷 |
保証・サポート | 1年間・Cafe de OMEN |
価格 | 25.4万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるプロセッサーはインテル第14世代Core i7-14700Kが搭載で、抜群の性能があります。前世代のCore i7-13700Kよりも約20%弱高い性能で、CPU Markスコアは驚異の53396です!
メモリはDDR5-5200MHzでスロットが4つあり、最大128GBまで増設できます。
ストレージはWestern Digital WD BlackのSSD PCI Express 4.0が搭載で、2TBが搭載です。M.2スロットが3つ、3.5インチが2つ(うち1つ空き)空いているので、ストレージの増設も可能です
グラフィックスは以前はRTX 30シリーズもありましたが、執筆時現在はRTX 4070 Tiのみ搭載しているようです。
電源ユニットはATX 電源の800W 80PLUS GOLDになり、Cooler Masterの120㎜液冷クーラーが搭載です。RTX 4070 Tiの推奨電源は700Wなので、十分ですね。
総合的に見て、性能や排熱効率などが高いゲーミングPCです。
旧モデルとの比較
2022年以前はOMEN 25Lと30Lが販売されていましたが、2022年2月にOMEN 40Lが発売され、以前は12世代CPU、2023年春ごろに13世代CPUが追加され、2023年11月ごろに14世代が追加されました。
OMEN 40L(2023年春発売モデル) | 14世代モデル | |
CPU | Core i7-13700K | Core i7-14700K |
メモリ | DDR5-5200 最大128GB | |
ストレージ | SSD PCIe 4.0 2TB | |
GPU | RTX 3070、3070Ti RTX 3080 RTX 4070 Ti |
RTX 4070 Ti |
通信 | Wi-Fi 6E、ギガビットイーサネット | |
電源 | 800W GOLD | |
重量 | 18.7㎏ |
基本的にCPUが変わっただけで、他は特に変化がありません。あえて言えば、以前は2.5/3.5インチ兼用ベイがあったのですが、これが3.5インチベイになっています。
OMEN 40Lの特徴
OMENはいつ見てもかっこいいですね。すごく特徴的な外観です。
寸法は
幅 204㎜(≒500mlペットボトル/205㎜)
奥行き 470㎜(≒一万円札3枚分/480㎜)
高さ 467㎜(≒一万円札3枚分/480㎜)
で、重量は18.7㎏とフルタワークラスになっています。
やはり、筐体が大きいと拡張性も高くエアフローも良くなるので、より高いパフォーマンスを発揮しやすくなります。ただし筐体が大きいので、購入前にPCを置く場所にフィットするかどうか確認していた方が良いと思います。
前面にファンが2つあり、白いライティングになっている部分は色を変えることもできます。最大4つのRGBと3つのARGBライティングがあり(メモリ4枚搭載時)、最大で7つのライティングゾーンの色を変えることができます。
左右側面のパネルは筐体上部のボタンを押すと開き、ツールレスで着脱できるので、カスタマイズやクリーニングがしやすい仕様です。
ケース内部はCPUとGPU、電源とストレージの2つの空間に分けたデュアルコンパートメントシャーシになっており、電源ユニットからの排熱が直接マザーボードに当たらないようになっています。電源とCPU/GPUが仕切りで分けられているので、筐体内部が今までより熱くなりにくいですね。
また、液冷ラジエーターは背面に配置されています。
大きな筐体なので拡張性も高く、PCI Express Gen 3×4が1つ、M.2が3つ、3.5インチベイが1つ空いています。
OMEN Gaming Hub
OMEN Gaming Hubよりファンのスピードを調整したり、ネットワークブースターで必要なアプリにより重点を置いて通信したり、電圧やライティングを設定したりできます。
ゲーム使用時だけでなく、ゲームを使っていないときは性能を下げて静かに使ったりできるので、パソコンにも環境にも優しいです。
CPU
Core i7-14700K | |
製造プロセス | Intel 7 |
コア/スレッド | Pコア8+Eコア12 / 28スレッド |
キャッシュ | 33MB |
Pコア ベース/最大クロック数 |
3.4/5.5GHz |
Eコアクロック ベース/最大クロック数 |
2.5/4.3GHz |
ターボブーストクロック | 5.6GHz |
Base Power Max Power |
125W 253W |
インテル第14世代CPUは高性能のPコアと省電力のEコアを搭載しており、ハイパフォーマンスと省電力性を兼ね揃えたプロセッサーです。
例えば、高負荷な事をしているときは主にPコアで動作し、Web閲覧やメールなど低負荷な事をしているときはEコアで動作するので、無駄に電力を消費することもないし、パソコンにも環境にも優しい仕様です。
こちらはCPUの性能を表すPassmarkスコアです。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-14700K | |
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Core i7-13700K | |
Core i9-12900K | |
Core i7-12700K | |
Core i9-11900K | |
Core i7-11700K | |
Core i5-12600K | |
Core i9-11900 | |
Core i7-11700 | |
Core i5-11600K |
Passmarkスコアは約5万とかなり高く、前世代のCore i7-13700Kよりも20%ほど高性能になっています。消費電力が高いので当然と言えば当然の結果ですが、ここまでくると快適にできないことの方が少ないでしょうね。
こちらはCinebench R23のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。マルチコア性能は総合性能ですが、シングルコア性能が高いとゲームやクリエイティブワークもしやすくなります。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-14700K | |
---|---|
Core i7-13700K | |
Core i9-12900K | |
Core i7-12700K | |
Core i5-12600K | |
Core i9-11900K | |
Core i7-11700K | |
Core i5-11600K |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-14700K | |
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Core i7-13700K | |
Core i9-12900K | |
Core i7-12700K | |
Core i5-12600K | |
Core i9-11900K | |
Ryzen 9 5950X | |
Core i7-11700K | |
Core i5-11600K |
Cinebench R23でも、大差をつけて前世代のCore i9に勝っていますね。
グラフィックス
RTX 3080 | RTX 3070 Ti | RTX 3070 | |
GPUアーキテクチャ | Ampere | ||
プロセス | 8nm | ||
CUDAコア | 8704 | 6144 | 5888 |
レイトレーシングコア | 68 | 48 | 46 |
Tensorコア | 272 | 193 | 184 |
ベースクロック | 1440MHz | 1580MHz | 1500MHz |
ブーストクロック | 1710MHz | 1770MHz | 1730MHz |
メモリタイプ | GDDR6X | GDDR6X | GDDR6 |
メモリ容量 | 10GB | 8GB | 8GB |
TDP | 320W | 290W | 220W |
グラフィック性能は、3D MarkのFire StrikeとTime Spyの平均スコアを紹介します。RTX 3080はハイエンド、RTX 3070と3070 Tiはミドルハイスペックのスコアでした。
Fire Strikeのスコアです。
Fire Strike
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 4070 Ti | |
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Radeon RX 6800 XT | |
RTX 3090 | |
RTX 3080 | |
RTX 3070 Ti | |
RTX 3070 | |
RTX 3060 Ti | |
RTX 2080S | |
RTX 2070S | |
RTX 3060 | |
RTX 2060 | |
RTX 3050 | |
GTX 1650S | |
GTX 1650 |
Time Spyのスコアです。
Time Spy
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 4070 Ti | |
---|---|
RTX 3090 | |
Radeon RX 6800 XT | |
RTX 3080 | |
RTX 3070 Ti | |
RTX 3070 | |
RTX 2080S | |
RTX 3060 Ti | |
RTX 2070S | |
RTX 3060 | |
RTX 2060 | |
RTX 3050 | |
GTX 1650S | |
GTX 1650 |
ゲームのベンチマークスコア
スコアの単位はfps(1秒間に更新されるコマ数)で、60以上が「快適」にプレイできる目安です。スペックや状況により数値は変動するので、参考値として見てください。また、画質は最高画質です。
RTX 4070 Ti ベンチマークスコア
オレンジ色・・・FHD 青・・・QHD 赤・・・UHD
Red Dead Redemption 2 | |
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Assassin’s Creed Odyssey | |
Cyberpunk 2077 | |
Horizon Zero Dawn | |
Borderlands 3 | |
Shadow of the Tomb Raider |
メモリ
<ライティング可能なメモリが搭載>
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
メモリはKingston FuryのDDR5-5200MHzが搭載で、ライティング可能なメモリです。メモリスロットが4つあり、最大128GBまで対応しています。
ストレージ
SSD(PCIe 4.0×4) | SSD(PCIe 3.0×4) | HDD | |
最大データ転送速度 | 最大64Gbps | 最大32Gbps | 最大6Gbps(SATAの場合) |
平均起動時間 | 10秒~15秒 | 30秒~2分(新品の場合) | |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい | |
価格 | 高い | 安い |
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
本機種には現行最高性能を誇るPCI Express 4.0×4が搭載で、旧規格の3.0×4の倍の理論値になっています。
PCIe 4.0のシーケンシャル速度はリード(読み出し)7000MB/秒前後、ライト(書き込み)5000MB/秒ほどと、かなり速いです。(PCIe 3.0はリード3000MB/秒前後、ライト2000MB/秒前後)
Wi-Fi 6Eに対応
Wi-Fi 6に対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6に対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができるのですが、執筆時現在の日本では6GHz帯はまだないので使えません。最大で5GHz帯になります。
電源
パソコンの電源には種類があり、それぞれ変換効率が異なります。変換効率が良いものは電気代も浮くし、正しいものを使っていたら負荷をかけないで十分な電力が供給できるので電源ユニットの寿命も延びます。
なぜゲーミングPCで(というかどのPCでも同じですが)電源が重要かと言うと、例えばマラソンに例えると、私たちも100%の力で走るより、50%の力で走ったほうが長く走れますよね?
パソコンも同じで、100%の力で電力を供給するより50%、60%で供給した方が長持ちするんですね。なので電源は重要なんです。
- 80PLUS BRONZE・・・82%~85%
- 80PLUS Silver・・・85~88%
- 80PLUS GOLD・・・87%~90%
- 80PLUS Platinum・・・90~92%
- 80PLUS Titanium・・・92~94%
%は電力の変換効率になり、電源はスタンダード(80%)を合わせた6種類になります。
インターフェイス
前面インターフェイスはUSB 2.0 Type-A ×2、USB Type-A 5Gbps ×2(電源オフUSBチャージ機能対応)、ヘッドフォン/マイクコンボ、マイクジャックになります。
背面インターフェイスはUSB-A 2.0×2、USB-A 5Gbps×2、USB-A 10Gbps×2、USB-C 5Gbps、USB-C 10Gbpsになり、グラボの映像出力はDisplayPortが3つ、HDMIが1つ、そしてライン出力、ライン入力、マイク入力が1つずつになります。
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・メール、LINE、ツイッターでのサポートがあり、最長3年まで延長できます。
また、OMENを購入した場合はCAFE DE OMENというゲーミングPC専門のサポートが利用可能です。
Cafe de OMENは「技術的サポートと修理受付窓口」になっており、1年間利用でき、受付時間は月~金・9時~21時、土曜日は9時~17時、日曜は休みです。LINEでの自動サポートは24時間365日です。
このサポートの特徴として「サポートスタッフ全員が熟練プレーヤー」で、みなさんマニアックらしいです。普通に「ゲーム用語」を使っても理解できる人たちなので、話が速いですね。また、自分に合ったアクセサリ、例えばディスプレイやVR用ヘッドセット、マウス・・・など、HP製品に限らずアドバイスをくれます。
期間を延長すると、出張修理保証もあります。
- 引き取り修理・・・HP指定業者が自宅にPCを引き取りに来て、リペアセンターに配送、修理後配達してくれる
- 出張修理・・・エンジニアが家に来て、現場で修理
ライバル機種
他にインテル14世代搭載モデルが販売されたら、ライバル機種を探します。
まとめ
良い点
・おしゃれでかっこいい
・デュアルコンパートメントで排熱効率UP
・筐体内部がきれいにまとまっている
・最新スペック搭載
・サポートがすごく良い
残念な点
・メモリにDDR5を搭載していたら嬉しかった
旧モデルもかなりの高性能でしたが、CPU性能が大きく上がったので、楽しみな機種ですね。