NiPoGi E2のレビューです。NiPoGiはAceMagicのセカンドブランドで、ミニPCになります。
先日レビューをしたノートPCのACEMAGIC AX15はコスパが高い機種でしたが、本機も2万円台で買える低価格PCですが、普段使い用PCとして十分な性能でした。
意外にもしっかりしたつくりで、見た目もそんなに安っぽくないので人に見られるような場所に置いても全然大丈夫です。
ローエンドのCPUを搭載しているので、テキストワークやWebブラウジングなど軽めの用途に合います。
レビュー機はメーカーからいただいたもので、スペックはIntel N150、メモリ8GB、SSD SATA 256GBになります。
まずは本機の良い点と残念なです
良い点 | 残念な点 |
安っぽくない | USB Type-Cがない |
メモリとストレージの換装が可能 | ストレージの換装には知識が必要 |
インターフェイスが豊富 | – |
筐体内部にアクセスしやすい | – |
HDMIケーブルやVESAマウントなど同梱物が多く親切 | – |
保証が18か月と長い | – |
技適あり | – |
Contents
NiPoGi E2のスペック
CPU | Intel N150 |
---|---|
メモリ | DDR4-3200 8/16GB |
ストレージ | SSD SATA 256GB(最大2TB) |
グラフィックス | CPU内蔵 |
OS | Windows 11 Pro |
LAN | 1Gbe Wi-Fi 6 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 100 × 100 × 36mm |
重さ | 270g |
ACアダプタ | 36W |
その他 | 技適あり |
標準保証 | 18か月 |
価格 | 2.3万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUはIntel N150が搭載で、ミニPCや低価格中華PC、Chromebookに搭載されることが多く、ローエンドスペックですがそこそこ使えます。
メモリはDDR4-3200MHzで8GBが搭載し、16GBまで増設できます。ストレージはSSD SATが搭載で速度は遅めですが、気になる場合はSSD PCIe 3.0 最大2TBに換装できます。
OSはWindows 11 Proでボリュームライセンスを使用していますが、Amazonレビューのコメントを見る限り多くの人がOEMライセンスに変更してもらっているようです。
LANは1ギガビットイーサネットを搭載し、無線はWi-Fi 6になります。この価格でこのLANは良いですね。
インターフェイスはUSB 3,2 Gen 2が2つあり、USB 2.0も2つ、HDMIにDisplayPort、そして3.5ミリイヤフォンジャックもあります。USB Type-Cがないのでアダプタが必要になると思いますが、なかなか高品質なインターフェイスです。
縦横10×10センチの手のひら以下のサイズなのでどこにでも設置できるし、たったの270gで持ち運びも余裕でできます。
現在、amazonと楽天で購入できますが、楽天の方が割引もあって安いです。
ちっちゃな筐体
小さいですね~。余裕で手のひらに載るサイズで、幅奥行きは100ミリ、高さ36ミリです。
重さはたったの270gで、スマホ1個半くらいの軽さです。
<モバイルモニターとキーボードと撮影>
小さいですね~。モニターの横においても、全然邪魔になりません。どこにでも置けますね。
小さいっ!一応デスクトップなのにiPhone 14よりも短いです。
意外にしっかりとした造りで、他社のミニPCのような「あからさまな安っぽさ」はありません。しかもかっこいいですね。
インターフェイスは豊富で、USB Type-Cがないという以外は困ることはないと思います。
インターフェイスはUSB 3,2 Gen 2が2つあり、USB 2.0も2つ、HDMIにDisplayPort、そして3.5ミリイヤフォンジャックもあります。USB Type-Cがないのでアダプタが必要になると思いますが、なかなか良いインターフェイスですね。
ミニPCのレビューをしていると一番問い合わせが多いことは、技適があるか無いかです。本機にはしっかりと技適マークがあるので安心して日本国内で使えます。
同梱物は30WのACアダプタ、HDMIケーブル、VESAマウントと説明書になります。同梱物多くていいですね。
消費電力がたったの6WのCPU搭載
Intel N150 | |
コア/スレッド | 4/4 |
キャッシュ | 6MB |
iGPU演算ユニット | 24 |
TDP | 6W |
消費電力がたったの6Wと小さく、本機のようなミニPCにぴったりのCPUです。小さな筐体は熱がこもりやすいので、こういった発熱が少ないCPUを搭載すると熱くなりにくいので快適に使えます。また、発熱が低いと寿命も延びやすいですね。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアで、計測結果は5839と第10世代Core i3並みの性能でした。テキストワークなどの軽い作業に向いてます。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ハイエンドPCに搭載される
- 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 5 135U | |
---|---|
Core Ultra 5 125U | |
Core 5 120U | |
Core 7 150U | |
Core Ultra 7 165U | |
Core Ultra 7 155U | |
Core i5-1035G1 | |
Intel N150 | |
Pentium Gold 7505 | |
Core i3-1005G1 |
Geekbench AIのONNXでCPUのAI性能を測りました。ONNXはOpen Neural Network eXchangeで、ディープラーニングや機械学習モデルのようなAIモデルの性能を計測します。
Single Precision(単精度)は777とHalf Precision(半精度)も433、Quantized(量子化スコア)も1392と低いスコアでしたが、思ったほど悪くないと思います
Single Precision Score/単精度スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 155H | |
---|---|
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 258V | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U | |
Intel N150 |
Half Precision Score/半精度スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 155H | |
---|---|
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U | |
Intel N150 |
Quantized Score/量子化スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 155H | |
---|---|
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U | |
Intel N150 |
こちらはPCMark10の計測結果で、Essentialは「通常用途(Web検索やビデオ会議、アプリの起動など)の性能」、Productivityは「Microsoft Office(事務系のアプリ)使用時の性能」、Digital Content Creationは「コンテンツ作成(画像・動画編集など)のしやすさ」を表しています。
総合性能の目安は以下になります。
・9000以上・・・超ハイスペック
・7500以上・・・ハイスペック
・5000以上・・・ミドルクラス
・2500以下・・・エントリークラス
本機種のスコアです。
- 総合性能は3176→エントリークラス
- Essentialは6495→通常用途やビデオ会議などは普通にでできる
- Productivityは4912→そこそこ使える
- Digital content creationは2726→不向き
性能は低いですが、普通に使える程度のスコアでした。グラフィック性能が低いのでそういったことには向きませんが、テキストワークなどの軽いビジネス用途なら使っても問題なさそうです。
Essential
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 7 PRO 6850H | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 3 7335U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5500U | |
Intel N150 |
Productivity
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 7 PRO 6850H | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1235U | |
Intel N150 |
Digital Content Creation
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 7 PRO 6850H | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 7 7735U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Intel N150 |
増設できる
背面中央にロックとアンロックマークがあり、スイッチを右にすると天板が外れます。
中にはメモリ1枚、SSD SATA1枚入っており、メモリは最大16GBまで換装できます。が、間違って32GB入れたんですが、32GBも大丈夫でした。
ストレージはSSD SATAが入っており、シーケンシャル速度が遅いので、気になる人はSSD PCIe 3.0に換装できます。が、OSを入れ替えたりと面倒くさいので、自信がある人のみやってみてください。
その他の特徴
グラフィックス性能
グラフィック性能が高いとOfficeを使った作業や複数画面での作業、そして画像・動画編集などがしやすくなります。
3D Graphics Markのスコアは1059とかなり低い性能でした。メモリが1枚のシングルチャンネルだし、CPUの性能も低いのでこのくらいですね。
3D Graphics Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen 7 8845HS | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 7 PRO 6850H | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 7 7735U | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core i7-1260P | |
Core i7-1355U | |
Core i5-1335U | |
Core i5-1340P | |
Ryzen 7 PRO 5850U | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1235U | |
Ryzen 3 7335U | |
Intel N150 |
念のため3DMarkでFire Strikeの性能を測ってみました。
Fire Strikeの計測結果は1287と、分かりきっていたことですがかなり低い性能でした。
ドラゴンクエスト10のベンチマークは3006で「普通」でした。2Dゲームはギリギリできるくらいの性能ですね。
騒音値・発熱
CPUの性能をフルで使うCinebench 2024をしているときに、発熱を測りました。いつもは騒音値も測るのですが、静か(ほぼ無音)なので測る意味がありませんでした。
PC表面温度は39.3度と意外と高くなりましたが、このPCでCinebenchほどの高負荷なことをすることはまずないと思うので、心配ないと思います。
最大16GB搭載できるメモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリはDDR4-3200MHzで、メモリの性能を測るMemory Markの計測結果は1418となりました。メモリ8GBなのでこんなもんだと思います。
その他のメモリとの比較です。
Memory Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
DDR5平均 | |
---|---|
LPDDR5平均 | |
LPDDR4X平均 | |
DDR4-3200MHz平均 | |
DDR4/本機 |
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
搭載ストレージはSSD SATAで、シーケンシャル速度を計測したら、リード(読み込み速度)は538MB/秒、ライト(書き込み速度)は484MB/秒とSSD SATAの平均的な速度でした。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 4.0×4 | |
---|---|
PCIe 3.0×4 | |
HDD SATA |
起動時間を5回計測した平均は13秒でした。速いです。
1回目 | 13秒 |
---|---|
2回目 | 13秒 |
3回目 | 13秒 |
4回目 | 13秒 |
5回目 | 13秒 |
平均 | 13秒 |
モニター
モニターの購入や買い替えを検討の方は、筆者が使っているLenovoモニターもおすすめなので、こちらも併せてどうぞ。
サポート・保証
NiPoGiは購入日から18か月の保証があり、「万一製品に欠陥があった場合や不具合が発生した場合などは、良品との交換や返品など無償対応させていただきます。「アカウントサービス」→「注文履歴」→「販売元」→「質問する」でお気軽にお問合せください。24時間以内に問題に対処致します。」とのことです。
amazonのレビューを読んでいると、サポートはすごく良いようです。私も何度もこの会社の方とやり取りしていますが、いつも親切丁寧だなと言う印象を受けました。
まとめ
良い点
・ち~さな筐体なので、どこにでも設置しやすい
・他の低価格ミニPCと比べるとつくりがしっかりしている
・ほぼ無音
・USB 3.2 Gen 2が2つも搭載
・RJ45が搭載
・筐体内部にアクセスしやすい
・HDMIケーブルやVESAマウントなど同梱物が多く親切
・Windows 11 Pro
・保証が18か月と長い
残念な点
・SSDの換装ができるが知識が必要
・USB Type-Cがない
総合評価
約2万円のPCにしては良いPCですね。
CPU性能は価格なりですが、ブラウジングやテキストワークならスペックの低さもそんなに気にならないし、これだけ小さいのでどこに置いても場所とらずで使いやすいと思います。
しかも、そこまで安っぽいわけじゃないので、リビングなど人から見られるような場所でも全然おいて大丈夫だと思います。
現在、amazonと楽天で購入できますが、楽天の方が割引もあって安いです。
Author
・パソコンガイドメインライターの本田。PCやタブレット、その他ガジェットが好きで、年間2~30台ほどのPCとモニターや周辺機器を購入するマニア
・元ミュージシャン
・暖かいところが好きで、よくタイに旅行に行く
・既婚(妻と子供2人)
・最近の趣味はオーディブルを聞きながらぼけ~っとすること
・はまってることは、裸足で1日10分歩く健康法
・若く見られがちだが40代