ミドルハイスペックのワークステーションで、持ち運び用の機種になります。
そこそこの性能があるので用途によってはメイン機種としても使用できますが、メモリが若干小さく、ストレージも1つなので、メイン機種として使用できる人は限られるかなと思います。
また、有線LANポートと、モデルによってはHDMIがないので、Thunderboltドッキングステーションがあった方がより快適に使えると思います。
Contents
ZBook Studio 15 G8のスペックレビュー
CPU | Core i7-11800H Core i7-11850H Core i9-11950H |
---|---|
メモリ | 最大32GB |
ストレージ | SSD 最大2TB |
グラフィックス | NVIDIA GeForce RTX 3060/3070/3080 NVIDIA T1200 NVIDIA RTX A2000/A3000/A4000/A5000 |
ディスプレイ(15.6型) | FHD IPS UHD OLED |
無線 | WiFi6、Bluetooth 5 |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証 |
セキュリティ | TPM、HP Endpoint security Controller、HP Sure sense、HP BIOSphere、HP Sure Clickなど |
寸法(幅x奥行きx高さ) | 354 x 234.6 x 17.9㎜ |
重さ | 1.9㎏ |
バッテリー | 最大9.5時間 |
電源 | 150W/200W |
保証 | 3年間 |
価格 | 24.8万円~ |
総合的なスペックはかなり高く、ミドルハイエンド・ワークステーションです。CPUやGPU、ディスプレイにインターフェースなどは文句なしのスペックです。
パソコンの頭脳であるCPUは最新のインテル11世代Hシリーズで、最大でCore i9-11950Hが搭載できます。トップオブトップのCPUです。
同じく重要なパーツであるグラフィックボードもエントリークラスからハイエンドモデルまであり、DirectXに最適化されたGeForceか、OpenGLに最適化されたAシリーズ(旧名Quadro)が選べます。
ワークステーションと言えば業務用GPUを搭載したNVIDIA Aシリーズですが、ここ最近GeForceを使う人も多いので、より多くの人に合う機種になっていますね。
ディスプレイはほとんどのモデルがFHD IPS液晶で、GeForce RTX 3070搭載のアドバンスド・クリエイターモデルのみ4K UHDディスプレイで、色域はデジタルシネマ規格のDCI-P3 100%となっています。
通信環境は次世代通信規格のWiFi6にBluetooth 5.0、電源は最大200Wとそこそこの大きさで、バッテリー駆動時間は最大9.5時間になります。また、ワークステーションとしては比較的軽い1.9㎏なので、持ち運びがしやすいです。
これだけ最高クラスのスペックを詰め込んでいるので「ハイエンド・ワークステーション」と呼びたいのですが、個人的に以下の点が気になります。
- メモリがオンボードで最大32GB(ワークステーションにしては小さい)
- ECCメモリがない
- ストレージが1つ(RAIDが設定できない)
- RJ45がない(有線接続はドッキングステーション経由になる)
- LTEなし
- Bluetoothの規格が5.0(最新規格はBluetooth 5.2)
- 電源がもう少し大きくても良かった(電源が大きい方がより高いパフォーマンスを発揮)
- 4K UHDディスプレイが1モデルのみ
上記した点を見ると本機種はあくまで「持ち運び用」で、室内ではメインのデスクトップ・ワークステーションを使ってください、と言うことだと思います。外出用でがっつりした作業をしないのであれば、メモリ容量もストレージの少なさも、そして有線LANポートがない点も納得がいきますね(Thunderboltドッキングステーションを使えば、有線接続は可能です)。
ただし持ち運び用であれば、LTE対応モデルがあったら助かりましたが・・・
また、HPにはハイエンドワークステーションのFuryがあるので、違いを出すためにこのスペックになったと思います(Furyとの違いは後述)。
旧モデルとの比較
<左/本機種・右/ZBook Studio G7>
旧モデルのZBook Studio G7との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | G7 | |
CPU | Core i7-11800H Core i7-11850H Core i9-11950H |
Core i7-10750H Core i7-10850H Core i9-10885H |
メモリ | 32GB | 32GB |
ストレージ | SSD 2TB | SSD 2TB |
GPU | GeForce RTX 3060/3070/3080 T1200 RTX A2000/A3000/A4000/A5000 |
Quadro T1000/2000 Quadro RTX 3000~5000 |
ディスプレイ | FHD、UHD | FHD IPS |
無線 | WiFi6 | WiFi6 |
バッテリー | 9.5時間 | 18時間 |
重量 | 1.9㎏ | 1.9㎏ |
価格 | 24.8万円~ | 35.2万円~ |
旧モデルからCPUが最新世代の11世代に、そしてGPUも最新世代に変更されており、GeForceが追加されました。GeForceはゲーミングPCに搭載されるグラフィックボードで「ゲーマー向け」なイメージもありますが、筆者の知り合いの映像クリエイターの半分くらいはGeForceを使っています。
ここは個人差があるのですが、中には業務用のAシリーズ(旧Quadro)の方が発色が良いや、色深度が深いという人もいますが、GeForceでも10 bit(10億6433万色)出力は可能なので、色深度だけをみたら違いないと思います。ただし、やはり業務用の方が本格的な作業がしやすいと思います。
こちらはCPUの性能を計るPassmarkスコアです。
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・旧モデル
Core i9-11950H | |
---|---|
Core i7-11850H | |
Core i7-11800H | |
Core i9-10855H | |
Core i7-10750H | |
Core i7-10850H |
プロセッサーの性能は、かなり高くなっていますね。
ZBook Studio 15 G8の特徴
本機種はワークステーションなのにベゼル(画面の黒い枠)が細く、コンパクトに見えるボディですね。
寸法は
幅354㎜(≒千円札2.5枚分/375㎜)
奥行234.6㎜(≒一万円札1.5枚分/240㎜)
高さ17.9㎜(≒一円玉/20㎜)
と小さめで、先述したように持ち運びがしやす仕様になっています。
厚さは1円玉の直径以下なので、カバンに入れてもかさばらないです。
重さはワークステーションにしては軽い1.9㎏なので、重量もスペックも外出先で簡単な作業をする人に向いていますね。また、モダンスタンバイ機能付きなので、スリープからの復帰は一瞬です!(正確に言うとスタンバイ状態なので、スリープしません)
筐体内部はかなりすっきりしており、多くのカバーで守られています。
CPUやGPU周辺にはべーパーチャンバーという熱を分散するヒートパイプがあり、筐体の熱を排気しやすいようになっています。また、ファンは「非常に薄い液晶ポリマー製」で、3面ベントになっているので「これまでで最高性能を発揮する冷却だ」と言うことです。
ディスプレイ開閉部分が「くの字」になっており、指が引っ掛かりやすいのでディスプレイを開けやすい仕様です。また、左側面には排気口も完備されています。
天板はシンプルで、「Z」のロゴがあるだけです。
筐体は一般的な家庭用の消毒液などを使って、クリーニングできるように設計されています。コロナの影響でパソコンを掃除することも多いと思いますが、簡単に消毒できるので助かりますね。
筐体のエッジはおしゃれな角がついたタイプです。
MILスペック
本機種はMIL-STD 810Hという米軍の物資調達規格のテストもクリアしており、高い堅牢性があります。サポートセンターも東京なので、安心感がありますね。
キーボード
<出荷されるのは日本語キーボードです>
キーピッチ(キーの中心から次のキーの中心までの距離)は18.7×18.7㎜と、余裕がある幅です。また、キーストローク(キーを押し込む距離)は1.5~1.7㎜と若干幅がありますが、そこそこ打感のある深さですね。
CPU
Core i9-11950H | Core i7-11850H | Core i7-11800H | |
製造プロセス | 10nm SuperFin | ||
---|---|---|---|
コア/スレッド | 8/16 | ||
キャッシュ | 24MB | ||
グラフィックス | UHDグラフィックス | ||
基本クロック | 2.6GHz | 2.5GHz | 2.3GHz |
ブーストクロック | 5.0GHz | 4.8GHz | 4.6GHz |
最大TDP | 45W |
CPUは最新のTiger Lake・インテル11世代モデルで、ハイパフォーマンスのHシリーズが搭載です。現行、最高峰のCPUなので、文句なしですね。
こちらはCPUの性能を表すPassmarkスコアです。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-11950H | |
---|---|
Core i9-11900H | |
Ryzen 9 5900HX | |
Ryzen 7 5800H | |
Core i7-11850H | |
Core i7-11800H | |
Ryzen 5 5600H | |
Core i5-11500H | |
Core i9-10980HK | |
Core i9-10855H | |
Core i5-11400H | |
Core i7-10750H | |
Core i7-11370H | |
Core i5-11300H |
当然の結果ですが、最新CPUなのでかなり高い性能になっていますね。一般的なビジネス用途に必要とされる目安が約7000なので、本機は3倍以上の性能があります。
こちらはCinebench R23のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。マルチコア性能は総合性能で、シングルコア性能が高いとゲームやクリエイティブワークもしやすくなります。
Cinebench R23 マルチコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 9 5900HX | |
---|---|
Ryzen 7 5800H | |
Core i9-11950H | |
Core i9-11900H | |
Core i7-11850H | |
Core i7-11800H | |
Ryzen 5 5600H | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i5-11500H | |
Core i7-10750H | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Core i7-11370H | |
Core i5-11300H |
Cinebench R23 シングルコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-11950H | |
---|---|
Core i9-11900H | |
Core i7-11850H | |
Core i7-1165G7 | |
Core i7-11800H | |
Core i5-11500H | |
Ryzen 9 5900HX | |
Ryzen 7 5800U | |
Ryzen 7 5800H | |
Core i5-11400H | |
Core i5-11300H | |
Ryzen 5 5600H | |
Ryzen 5 5700U | |
Core i7-10750H |
インテルはシングルコア性能が高いので、クリエイティブワークがしやすいですね。
グラフィックス
業務用のAシリーズは以前はQuadroと言う名称で販売されていましたが、2021年の新製品から「A」となっています。
RTX A5000 |
RTX A4000 |
RTX A3000 |
RTX A2000 |
T1200 | |
アーキテクチャ | Ampere | Turing | |||
CUDAコア | 6144 | 5120 | 4096 | 2560 | 1024 |
RTコア | 48 | 40 | 32 | 20 | – |
Tensorコア (TFLOPS) |
192 | 160 | 128 | 80 | – |
単精度性能 (TFLOPS) |
21.7 | 17.8 | 12.8 | 9.3 | 3.7 |
Tensor性能 | 174 | 142.5 | 102.2 | 74.7 | – |
メモリタイプ | GDDR6 | ||||
メモリ帯域 | 448GB/秒 | 384GB/秒 | 264GB/秒 | 192GB/秒 | 192GB/秒 |
メモリ容量 | 16GB | 8GB | 6GB | 4GB | 4GB |
TGP | 80-165W | 80-140W | 60-130W | 35-95W | 35-95W |
TFLOPS・・・単精度浮動小数点演算性能で、例えばA4000の17.8TFLOPSだと、32bit小数の乗算、または加算を1秒間に17.8兆回実行できる速度
こちらはDirectXに最適化されたGeForceです。
RTX 3080 Laptop GPU | RTX 3070 Laptop GPU | RTX 3060 Laptop GPU | |
アーキテクチャ | Ampere | ||
プロセス | 8nm | ||
CUDAコア | 6144基 | 5120基 | 3840基 |
RTコア | 48基 | 40基 | 30基 |
Tensorコア | 192基 | 160基 | 120基 |
ブースト周波数 | 1245-1720MHz | 1290-1620MHz | 1282-1485MHz |
メモリタイプ | GDDR6 | ||
メモリ帯域 | 384Gbps | 320Gbps | 336Gbps |
メモリバス幅 | 256bit | 256bit | 192bit |
メモリ容量 | 16GB | 8GB | 6GB |
TDP | 80-150+W | 80-125W | 90W |
GeForceの場合は3Dグラフィック性能を測る、Fire Srike Graphicsのベンチマークで性能が見て取れます。現行最高性能のものが搭載できます。
Fire Strike Graphics
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3080 Laptop GPU | |
---|---|
RTX 3070 Laptop GPU | |
RTX 2080 Mobile | |
RTX 2070 mobile | |
RTX 3060 Laptop GPU | |
RTX 2060 Mobile | |
GTX 1660 Ti Max-Q | |
GTX 1650 Mobile |
先述したようにNVIDIA AシリーズかGeForceかは個人の判断になりますが、3Dゲームをする人はGeForceがいいと思います。
ISV認証
本機はISV認証と言う「主要なソフトウェアベンダーの認証を受けた機種」になり、一部ですがソフトをご紹介します。
・クリエイティブ・・・Adobe、Autodesk Maya、Avid、Blackmagic design、Cinema 4D等
・ゲーム・VR開発・・・Unity、Unreal等
・データサイエンス・・・Keras、TensorFlow、PyTorch、RAPIDS等
ISV認証があるので、安心して使えますね。
ディスプレイ
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 |
FHD | なし | IPS | 400nit/1000nit |
その他 | |||
HP Sure Viwモデルあり |
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 |
UHD | あり | OLED | 400nit |
色域 | タッチ | その他 | |
DCI-P3 100% | 〇 | HDR 500 |
UHD | ウルトラ・ハイディフィニションで解像度は3840×2160ドット |
---|---|
FHD | フル・ハイディフィニション、一般的な画質で解像度は1920×1080ドット |
光沢 | 光沢ありは発色が良い反面、自分や背景が映り込みしやすい。光沢無しは映り込みがしにくい |
HDR | ハイダイナミックレンジ |
IPS液晶 | コントラスト比が高く、視野角も広い |
nit | 明るさを表す単位。通常250nitが標準 |
各モデルによりディスプレイが異なるので、紹介します。
- スタンダードモデル・・・FHD IPS 400nit/Core i7 16GBメモリ NVIDIA T1200
- スタンダードPlusモデル・・・FHD IPS 400nit/Core i7 32GBメモリ NVIDIA T1200
- パフォーマンスモデル・・・FHD IPS 400nit/Core i7 32GBメモリ RTX A2000
- ハイパフォーマンスモデル・・・FHD IPS 1000nit Sure View/Core i7 32GBメモリ RTX A3000
- プレミアムパフォーマンスモデル・・・FHD IPS 400nit/Core i7 32GBメモリ RTX A4000
- エクスクルーシブモデル・・・FHD IPS 400nit/Core i9 32GBメモリ RTX A5000
- クリエイターモデル・・・FHD IPS 400nit/Core i7 16GBメモリ GeForce RTX 3060
- アドバンスド・クリエイターモデル・・・UHD OLED 400nit/Core i7 32GBメモリ RTX 3070
- アルティメイト・クリエイターモデル・・・FHD IPS 400nit/Core i7 32GBメモリ RTX 3080
多くの種類があってややこしいですが、RTX A3000搭載のハイパフォーマンスモデルのみにSure Viewが搭載し、RTX 3070搭載のアドバンスド・クリエイターモデルのみ4Kディスプレイになります。
先述したように外出用機種なのでディスプレイは「普通」ですが、いくつかの機能をご紹介します。
HP Sure Viewはボタン1つで視野角を狭くして「のぞき見ができないようにする」機能です。カフェなどで作業をしているときに、横や後ろからの視線を感じたら使うことが多いです。
<Sure View>
UHDディスプレイはデジタルシネマ規格のDCI-P3 100%で、かなり広い色域になります。色域が広いとより正確な色を見ながら作業ができるので、納品した後に「色が全然違う」なんてことが起こりにくいですね。
<色域図>
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリは現行最高のDDR4-3200MHzで、処理速度が速いものになります。
ただし、メモリスロットがなくオンボードになります。増設はできません。
また、用途によっては32GBじゃ足りないという人もいると思いますが、その場合は上位モデルのFury 15 G8が合うと思います。
ストレージ
SSD(PCIe NVMe) | HDD | |
最大データ転送速度 | 最大32Gbps | 最大6Gbps(SATAの場合) |
平均起動時間 | 10秒~15秒 | 30秒~2分 |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい |
価格 | 高い | 安い |
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
搭載ストレージは高速のM.2 SSDで、最大データ転送速度は32Gbpsとかなり速いです。
最大2TBあるので比較的余裕がありますが、ワークステーションとしては若干少ないですね。もっとストレージが必要な場合は、同じくFury 15 G8が大容量です。
セキュリティ
HPは世界で最も安全なワークステーションと宣伝しており、それに見合った多くのHP独自のセキュリティが搭載しています。
- HP Endpoint Security Controller・・・BIOSに改ざんがないかどうか知らべる機能
- HP Sure Sense・・・ディープラーニングを活用したリアルタイム検知機能があり、悪意のあるファイルを検出し、マルウェア、ゼロディ攻撃、ランサムウェアなどからPCを守るセキュリティ機能
- HP BIOSphere・・・ウイルスやマルウェアによる不正なBIOSの書き換えや、破損からシステムを保護
- HP Sure Click・・・Web閲覧のセキュリティ強化で、タブを閉じるだけでマルウェアが消滅する
- HP Sure Run・・・OSの重要な機能や設定を構成時の状態に維持し、万が一設定が無効になった場合は再起動し、安全な状態に戻す
- HP Sure Recover・・・OSがウイルス感染しても自動的にリカバリーする
- HP Sure Start・・・自動復旧機能で攻撃を受けても自動でリカバリーする
- HP Secure Erase・・・BIOSの中のSecure Eraseを使って内蔵ドライブのデータを完全に削除することが出来る
- ナノセキュリティロックケーブルスロット・・・盗難や持ち運び防止用のセキュリティワイヤーを使うスロット
- TPM・・・独立して機能するチップで、パスワードなどの重要情報を格納できる
- Windows Defender・・・Windows搭載のセキュリティ機能で、マルウェアなどのウイルスからパソコンを守ってくれる
WiFi6
次世代通信規格のWiFi6に対応しており、現在主流のWiFi5より約40%最大通信速度が上がっています。今まで5GHzにしか対応していなかった周波数が、2.4GHzと5GHzと2バンドに対応しており、また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、カフェなどの混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
バッテリー駆動時間
バッテリーは大容量6セル 83Whで、最大9時間30分のバッテリー駆動時間があります。消費電力が大きいので、これだけ大きなバッテリーでも10時間弱ですね。ただし、HP Fast Charge対応なので、30分で約50%まで充電できます。
インターフェイス
右側面にはSDカードリーダー、HDMIもしくはMini-Display Port(Thunderbolt)、Thunderbolt 4が2つになります。ローエンドモデルのT1200とA2000搭載モデルはHDMI搭載で、そのほかはMini-Display Portになります。
左側面にはナノセキュリティスロット、USB-A 3.1、マイクヘッドフォンジャックになります。
ローエンドモデル以外を購入する人は、お持ちのモニターにMini-display port端子があるか確認した方がよさそうですね、ない場合は、Mini-display port→HDMI変換ケーブが必要です。
有線LANポートがないので、Thunderboltドッキングステーションなど併用したほうが、屋内で使いやすくなります。
サポート・保証
標準で3年保証が付いており、翌日オンサイト修理になります。オンサイト修理とは、エンジニアが自宅や会社に訪問してその場で修理するもので、最長5年まで延長できます。
サポートはワークステーション専用テクニカルサポートが東京にあり、土日祝日を含む毎日朝8時から夜9時まで対応しています、
HPはサポートも保証も手厚いですね。
ライバル機種
<左から本機種・HP Fury 15 G8・Lenovo ThinkPad P1 Gen4>
本機種と似たような最新機種との比較で、ThinkPadのみ16インチです。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)
本機種 | Fury 15 G8 | ThinkPad P1 Gen 4 | |
CPU | Core i7-11800H Core i7-11850H Core i9-11950H |
Core i7-11800H/11850H Core i9-11950H Xeon W-11855M |
|
メモリ | 32GB | 128GB | 64GB |
ストレージ | SSD ×1 | SSD ×4 | SSD ×2 |
GPU | NVIDIA T1200 NVIDIA RTX A2000~5000 |
||
GPU 2 | GeForce RTX 3060/3070/3080 |
― | GeForce RTX 3070/3080 |
ディスプレイ | FHD、UHD 画面比16:9 |
FHD 画面比16:9 |
FHD、UHD相当 画面比16:10 |
無線 | WiFi6、4G LTE | WiFi6、4G LTE | WiFi6E、5G LTE |
バッテリー | 9.5時間 | 約10時間 | 13.7時間 |
重量 | 1.9㎏ | 2.5㎏ | 1.81㎏ |
電源 | 150W/200W | 170W/230W | |
価格 | 24.8万円~ | 35.8万円~ | 23.9万円~ |
各機種の特徴
・本機種・・・ミドルハイクラスのワークステーションで、ある程度の作業はできるが本格的な作業はメモリ容量に左右される
・Fury 15 G8・・・本機種と似た様なスペックだが、最大メモリが大きく、SSDも最大4基搭載可能。メイン機種としても使えそうなスペック。GeForceは無し
・ThinkPad P1 Gen 4・・・16インチで画面縦横比が通常の16:9じゃなく16:10なので、表示情報量は17型並み。Xeonも搭載できる本格ワークステーション。持ち運び用としても室内用メイン機種としてもがっつりした作業が可能
まとめ
良い点
・軽い
・そこそこのスペックで価格も安め
・業務用GPUとGeForceが選べる
残念な点
・LTEがない
・メモリが小さめ
・ストレージが少ない
総合評価
持ち運び向けの機種としては軽く性能も高めですが、外出先でもがっつり作業をしたい人には物足りないメモリ容量かもしれません。上位モデルのFuryと差を出すためにスペックがあまり高くできないですが、「持ち運び用」と割り切ってみると、十分じゃないかなと思います。
主に、デスクトップワークステーションを持っている人向けの外出用機種、もしくはメモリが32GBでも十分だという作業をする人向けです。