HP Z8 G4 Workstationのレビュー・ウルトラハイエンド ワークステーション

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HPワークステーション最高峰の本機種は、用途の制限がないくらい幅広いことに使用できます。また、自分でカスタマイズできる人は、かなり安く本機種が購入できるのもポイントですね。

本機種はプロとして活動する個人や、研究者、企業向けの機種です。

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Z8 G4 Workstationのスペックレビュー

HP Z8 G4 正面

CPU Intel Xeon Bronze、Silver、Gold
チップセット インテルC622
メモリ ECCメモリ 最大1.5TB
ストレージ 最大 SSD M.2 2枚+SATA SSD/HDD 最大5基
RAID RAID 0、RAID 1、RAID 10
グラフィックス NVIDIA Quadro P400/P620/P1000/P2200
NVIDIA Quadro RTX 4000/5000/6000/8000
NVIDIA Quadro GV100
OS Windows 10 Pro For Workstation
Windows 10 Pro For Workstation Plus
OSなし
有線 ギガビットイーサネット
10ギガビットイーサネット
光学ドライブ 無し/DVD-ROM/DVDライター/ブルーレイドライブ
セキュリティ Kensington Cable Lock用スロット、パワーオンパスワード、セットアップパスワード、サイドパネル開閉センサーなど
寸法 216 x 556 x 445㎜
重さ 23.7㎏
電源 1125W(80PLUS 90%)
保証 3年間
同梱 マウス・キーボード(無しにすること可能)
価格 36万140円~

パソコンの頭脳であるCPUにはインテルXeonが搭載で、最大24コア48スレッドのインテルXeon Gold 6240Rか20コア40スレッドのGold 6242Rが搭載できます。しかも、CPUは最大で2枚搭載できるので、モンスターPCですね。

メモリは「その場でメモリシステムエラーを検出して訂正できる」ECCメモリが搭載で、シングルプロセッサー(CPUが1枚)時には12スロット・最大768GB、デュアルプロセッサー時には倍の24スロット・最大1.5TBになります。一般的なパソコンのストレージより大きなメモリです(笑)。

公式ページのカスタマイズから、ストレージにはHP Z Turboの内蔵M.2 SSDが2枚と、SATA接続のSSD/HDDが最大5基搭載可能です。内蔵M.2スロットは2つですが、1モジュール当たり2つのスロットがあるので計4枚搭載可能、そしてディスクインターフェ―スには10のSATA接続が可能なので、かなり大容量になりますね。

グラフィックボードにはCADなどの専門的な高度な技術計算(OpenGL)に最適化されたQuadroが搭載で、エントリークラスでVRAM 2GBのP400から、ハイエンドモデルでVRAM 48GBのRTX 8000やVRAM 32GBのGV100も搭載可能です。

グラボも同じく2枚搭載できます。

有線接続は1Gbase-Tと10Gbase-Tの2種類があり、10Gbpsは今までデータセンターなどの大規模業務用に使用されることが多かったので高価でしたが、10GBase-Tが出てからはかなり安くなりましたね。

電源は1125W 80PLUS 90%と大きく、パワフルなパフォーマンスを発揮できますね。。

8Kビデオのリアルタイム編集や高解像度3Dシミュレーション、大規模な3DCADやCAE、VRに解析などにも使えるウルトラハイエンドモデルです。

公式サイト

旧モデルと比較

HP Z8 G4と旧モデルのZ840の筐体比較

<左・本機種/右・Z840>

旧モデルのHP Z840との比較です。(メモリ・SSD・グラボ・電源は最大値)

本機種 Z640
CPU Xeon Bronze,Silver,Gold Xeon E5シリーズ
メモリ 1.5TB(2933MHz) 1TB(2400MHz)
ストレージ SSD2枚+HDD5基 SSD+HDD
グラフィックス Quadro RTX8000、GV100 Quadro P6000
イーサネット 10ギガビットイーサネット ギガビットイーサネット
電源 1125W 1125W
重量 23.7㎏ 22.8㎏
価格 約36万円~ 販売終了

本機種は筐体も新しくなり、3辺すべてが大きくなっているので、エアフローも良くなっていますね。それでいて、標準構成時の重量が1㎏ほど軽くなっています。

性能はかなり上がっており、

  • CPU・・・Xeon E5-2600番台→Xeon Gold
  • メモリ・・・2400MHz→2999MHz、最大メモリ1TB→1.5TB
  • グラボ・・・P5000→RTX 8000
  • 有線速度・・・1Gbps→10Gbps

と変わっています。特に、グラボとCPU、そしてイーサネットの速度がかなり性能が上がっているので、より本格的な作業がより速くできるように進化しています。

ライバル機種

HP Z8 G4とLenovo ThinkStation P920、P720との比較

<左から本機種/P920/P720>

本機種と似たような最新機種との比較です。(CPU・メモリ・電源は最大値。ストレージは構成により変わります。また、スマホの人は表を右にスクロールできます)

本機種 ThinkStation P920 ThinkStation P720
CPU Xeon Gold 6242R
Xeon Gold 6240R
最大2枚
Xeon Gold 6230
CPU2枚構成
Xeon Silver 4214R
Xeon Gold 6230
CPU2枚構成
メモリ 1.5TB 1TB 768GB
ストレージ SSD2枚+HDD 5基 SSD 9枚+HDD 6基 SSD 10枚+HDD 10基
グラフィックス Quadro RTX8000
Quadro GV100
Quadro RTX 8000
Quadro GV100
Quadro RTX 8000
Quadro GV100
電源 1125W 1125W 1000W
重量 23.7㎏(標準構成) 31㎏(最大構成) 25.7㎏(最大構成)
有線 1G/10Gbase-T 1G/5Gbase-T 2Gbase-T
価格 36万円~ 29万円~ 26.3万円~

注)P920とP720はLenovoワークステーションです

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本機種搭載のXeon Gold 6242RはPassmarkスコアが約3.6万、Gold 6240Rは5.4万とかなり高い性能になっています。ThinkStation P720とP920は標準でCPU2枚なので、若干低い性能のものが搭載です。

メモリも本機種は一番大きく、1.5TBとなっています。ストレージは他のスペックによりストレージベイが使えるかどうか変わるのですが、ThinkStationの方が大きめの容量になると思います。

筐体のサイズはP720(約37L)<本機種(約53L)<P920(約54L)なので、もうちょっとストレージ容量があってもよかったですね。

有線接続の最大データ転送速度は本機種がダントツで速く、10Gbpsになります!

スペック重視なら本機種が一番、ストレージを重視するならP920やP720、スペックを最大にしない場合はP720が価格も抑えられるので良いと思います。

メリット・デメリット

メリット

・電源が大きいのでパフォーマンスが高い
・Quadro RTX 8000、GV100が搭載可能
・イーサネットの通信速度が速い

デメリット

・スペックを上げると価格が高い(ウン百万円!)

Z8 G4 Workstationの特徴

HP Z8 G4 右斜め前から

筐体は丸みを帯びたエッジなので、すごくかっこいいですよね。大きな筐体なのでスペックも高くできますしね。

本機種の寸法は、

  • 幅216㎜は、500mlペットボトルの高さ(215㎜)
  • 奥行き556㎜は、新聞紙の長辺(545㎜)
  • 高さ445㎜も、千円札3枚分(450㎜)

とほぼ同じサイズです。奥行きが深いですね。

HP Z8 G4 サイドパネルの取っ手

サイドパネルに取っ手があるので、開閉は簡単にできます。ただし、ロックも付いているので、安心ですね。

HP Z8 G4の筐体内部 サイドパネルを開けた状態

サイドパネルを外した状態です。

HP Z8 G4 筐体内部

筐体内部は裏配線で、すっきりしていますね。カスタマイズやメンテナンスも楽ですね。

HP Z8 G4 筐体内部 全パーツ取り外し

グラボやストレージを外すと、この様になります。

大きな筐体なので拡張スロットも豊富で、シングルプロセッサー時は以下になります。

  • PCI Express 3.0×16 2スロット
  • PCI Express 3.0×4 3スロット

デュアルプロセッサー時には以下になります。

  • PCI Express 3.0×16 4スロット
  • PCI Express 3.0×8 1スロット
  • PCI Express 3.0×4 2スロット

拡張ベイは3.5インチベイが4つと5.25インチが2つ、オプティカルベイが1つになります。

HP Z8 G4 正面の吸気口

前面の吸気口はメッシュ状なので、エアフローも良さそうです。

13年連続国内シェアNo.1

IDCと言う調査会社によると、HPのワークステーションは日本国内で13年連続でシェアNo.1を記録しており、トヨタ自動車東日本株式会社 やEIZO、医療関係の東陽テクニカなど多くの有名企業がHPのワークステーションを導入しています。もちろん、大企業だけでなく建築設計事務所や大学、イラストレーターなどもHPを使用している人が多いです。

こちらで一部企業を紹介しているので、興味がある方はご覧ください。

インターフェ―ス

HP Z8 G4 前面インターフェース

前面にはUSB-A 3.1 Gen 1 (最大データ転送速度5Gbps) 4つとヘッドフォンジャック、光学ドライブがあり、カスタマイズから「プレミアムI/Oモジュール」を選んだ場合は、USB-Aが2つになりUSB-C 3.1 Gen 2(10Gbps)が2つ追加されます。また、SDカードリーダーもオプションで搭載可能です。

HP Z8 G4 背面インターフェース

1 電源ボタン、2 ロックケーブル用スロット、3 電源コネクタ、4 シリアルコネクタ、5 USB-Aが6つ、6と7はRJ45、8と9はPS/2コネクタ、10と11はマイク・ヘッドフォンジャック、12はRJ45ですが現在は無し、13はPCIeカードスロットです。

また、各グラフィックボードには以下のインターフェイスがあります。

インターフェイス
P400 3x mini Dispaly Port
P620 4x mini Dispaly Port
P1000 4x mini Dispaly Port
P2200 4x Dispaly Port
RTX 4000 3x Dispaly Port
RTX 5000 Display Portx4,VirtualLink
RTX 6000 Display Portx4,VirtualLink
RTX 8000 Display Portx4,VirtualLink
GV100 Display Portx4

注)VirtualLinkとは、VRに使うヘッドセットを1本のコネクタで接続できる入出力です。
注)DVI-DとはDigital Visual Interfaceで、デジタル信号を出力できる端子で、データの劣化がありません

MILスペック

MIL-STD 810G

Z2 Miniは36万時間のテストをクリア、米軍の物資調達基準(MIL-STD 810G)にも対応した機種になります。セキュリティも含め、堅牢性が高い機種ですね。

ISV認証

HP Z8 G4のISV認証

ISV認証とは、独立系ソフトウェアベンダーからソフトウェアアプリケーションの互換性や動作の認定を受けた機種になります。画像は一部のベンダーですが、ANSYSやptc(パラメトリック・テクノロジー・コーポレーション)、AUTODESKやSolidWorks、eDrawing、Adobe、Bentley、Blackmagic Designなどの主要ベンダーから認証を受けています。

ちなみにAmsys 19.1 Mechnicalのベンチマーク(HP公式より)があるので、利用している方は参考にどうぞ。

ZCentral Remote Boost

Zcentral Remote boostの仕組み

ZCentral Remote Boostとは、簡単に言うと複数のユーザーが送信元コンピューターを共有でき、リモートアクセスでも編集やビッグデータの視覚化などできます。

例えば複数の本機種をラックマウントに搭載し、リモートワークで社員が自宅や外出先から本機種に接続し、パワフルな作業ができるようになります。

しかも、社員が自宅で使っているパソコンには「データは送信されず、画面のピクセル情報のみ転送」されるので、セキュリティ面でも安心です。

詳しくは、公式サイトをどうぞ。

CPU

Bronze 3204 Silver 4108
製造プロセス 14nm 14nm
コア/スレッド 6/6 8/16
ベースクロック 1.9GHz 1.8GHz
ブーストクロック 3.0GHz
キャッシュ 8.25MB 11MB
TDP 85W 85W
GOLD 5222 GOLD 6226R GOLD 6128 GOLD 6234
製造プロセス 14nm 14nm 14nm 14nm
コア/スレッド 4/8 16/32 6/12 8/16
ベースクロック 3.8GHz 2.9GHz 3.4GHz 3.3GHz
ブーストクロック 3.9GHz 3.9GHz 3.7GHz 4.0GHz
キャッシュ 16.5MB 22MB 19.25MB 24.75MB
TDP 105W 150W 115W 130W
GOLD 6136 GOLD 6240R GOLD 6242R GOLD 6246R
製造プロセス 14nm 14nm 14nm 14nm
コア/スレッド 12/24 24/48 20/40 16/32
ベースクロック 3.0GHz 2.4GHz 3.1GHz 3.4GHz
ブーストクロック 3.7GHz 4.0GHz 4.1GHz 4.1GHz
キャッシュ 24.75MB 35.75MB 35.75MB 35.75MB
TDP 150W 165W 205W 205W

公式サイトでは28コア56スレッドのXeon Platinum 8280も搭載できるとのことですが、カスタマイズに行くとその項目が無いので上記表に記載していません。Passmarkスコアは6万4291となっています。

スコアの目安

  • 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
  • 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
  • 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
  • 10000~・ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い

↓グラフをタップすると数値が表示されます↓

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最大で2枚搭載できますが、Xeonと言っても性能がかなり低いものもあるので、購入時にはご注意を。

グラフィックス

NVIDIA Quadro

Quadro P400 P620 P1000 P2200
GPUアーキテクチャ Turing
CUDAコア 256 512 640 1280
メモリ帯域 32Gbps 80Gbps 82Gbps 200Gbps
メモリタイプ GDDR5 GDDR5 GDDR5 GDDR5X
メモリ容量 2GB 2GB 4GB 5GB
単精度性能 0.641TFLOPS 1.38TFLOPS 1.89TFLOPS 3.8TFLOPS
Tensor core性能
NVLink SLI
API Shader 5.1
OpenGL 4.5
DirectX 12
Vulkan 1.0
Shader 5.1
OpenGL 4.6
DirectX 12
Vulkan 1.1
TGP 30W 40W 47W 75W

こちらはRTXです。

Quadro RTX 4000 RTX 5000 RTX 6000 RTX 8000 GV100
GPUアーキテクチャ Turing VOLTA
CUDAコア 2304 3072 4608 4608 5120
Tensorコア 288 384 576 576 640
RTコア 36 48 72 72
メモリ帯域 416Gbps 448Gbps 672Gbps 672Gbps 870Gbps
メモリタイプ GDDR6 HBM2
メモリ容量 8GB 16GB 24GB 48GB 32GB
単精度性能(TFLOPS) 7.1 11.2 16.3 16.3 14.8
Tensor core性能(TFLOPS) 57.0 89.2 130.5 130.5 118.5
NVLink SLI NVLink NVLink NVLink NVLink
API Shader 5.1
OpenGL 4.6
DirectX 12
Vulkan 1.1
Shader 5.1
OpenGL 4.5
DirectX 12
Vulkan 1.0
TGP 160W 265W 295W 295W 250W
  • TFLOPS・・・単精度浮動小数点演算性能で、RTX 4000の7.1TFLOPSだと、32bit小数の乗算、または加算を1秒間に7.1兆回実行できる速度
  • NVLink・・・NVIDIAの2つの同じグラフィックボードを繋げて理論的に2倍の性能に引き上げることができるマルチGPU技術。接続にNVLink SLI Bridgeが必要

グラフィックスはOpenGL(高度な技術計算)に最適化されたQuadroが搭載で、業務用ワークステーションに搭載されます。よく聞くGeForceは、3Dゲーム(Direct X)に最適化されたグラボです。

P1000まではVRAM 4GB以下とエントリークラスで、RTXシリーズを選択する人が多いと思います。

RTXシリーズとGV100はVRAMも大きく、「VR Ready」なのでより本格的な作業が可能になります。VR Readyとは、VR(仮想現実)のプレイや制作などに適しているグラボにある認証です。

グラボは2枚搭載可能ですが、2枚搭載したからと言って性能が2倍になるわけじゃなく、通常、2枚搭載のグラボの性能は最大で1.8倍(性能がほぼ変わらない用途もあり)くらいになります。また、コスパも悪くなりますね。(電源の項目で実例を出しています)

GV100は最高のグラフィックボードで、メモリバス幅が870GbpsとRTX 8000の672Gbpsより30%ほど大きいので、より高速でデータ転送が可能です。

メモリ

メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。本機種搭載のメモリはECCメモリで、データ破損を検出し修正する機能を持つメモリです。

本機種はDDR4 2666MHzか2933MHzで、シングルプロセッサー時には最大64GB 12枚・768GB、デュアルプロセッサー時には最大64GB 24枚・1.5TBになります。

ちなみに、CPUのメモリ対応周波数はこの様になっているので、Xeon BronzeかSilverを選んだ場合は必ずしも搭載メモリの周波数で動作するわけじゃありません。

・Xeon Bronze・・・2133MHz
・Xeon Silver・・・2400MHz
・Xeon Gold・・・2666MHz~2933MHz

ストレージ

ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。

HPのワークステーションには普通のストレージでなく、HP Z Turbo ドライブと言う高速化されたストレージが搭載可能になっています。

SSD(PCIe NVMe) SSD(SATA) HDD
最大データ転送速度 最大16Gbps~32Gbps 最大6Gbps 最大500~600Mbps
温度 熱くなりにくい 熱くなりにくい 熱くなりやすい
価格 高い 中価格 安い

本機種はPCIe NVMe SSDが2枚と、SSD SATA 1枚+HDD 4基かHDD 5基が公式サイト上で搭載可能です。また、ディスクインターフェイスにSATA接続が10個あり、内蔵M.2スロットは1モジュール当たり2つのスロットがあるので計4枚搭載可能です。

RAID設定

本機種では、RAID 0, 1、10の設定ができます。

  • RAID 0・・・読み込み書き込みが高速で出来るし、分散してデータを保存ができる反面、1つのストレージに障害が発生すると復旧できない
  • RAID 1・・・読み書きが遅いが、複数のストレージに「同じデータを書き込む」ので、1つのストレージに障害があってももう一つの方のデータを使って作業が出来る
  • RAID 10・・・ドライブが4台以上必要で、RAID 0とRAID 1を組み合わせた構成。多くの人はこの設定を利用

セキュリティ

HPのセキュリティ

HPでは「世界で最も安全なビジネスPC」と宣伝しており、その名の通りHP独自のセキュリティが搭載されています。

こちらは一部ですが、

  • HP Sure Start・・・自動的に攻撃や破損からBIOSを回復する自己修復BIOSで、保護された状態を維持できる
  • HP Sure SENSE・・・AIを活用し、マルウェアを検知・ブロックする
  • HP Sure Admin・・・IT管理者がネットワーク経由でBIOS設定を安全に管理できるデジタル署名を作成できる
  • ケンジントンロック・・・盗難防止用のワイヤーを設置可能

などがあります。

公式サイト

電源

電源の大きさはCPUやメモリ、グラボ並みに重要で、より大きな電源はより大きなパフォーマンスを出せます。

本機種の電源は1125W・電源変換効率は90%で、80PLUS PlatinumかGold相当の変換率です。最大供給電力は約1012Wですね。

概算使用最大電力を計算してみたので、参考にどうぞ。

まずは、シングルプロセッサー時です。

  • Xeon GOLD 6242(205W)
  • Quadro RTX 8000(295W)
  • メモリ12枚(84W)
  • HDD5基(60W)
  • SSD2枚(50W)
  • ファン2つ(6W)

・計700W 電源(1125W)に対しての最大消費電力は約62%と余裕があるので、パフォーマンスを発揮しやすいです。

デュアルプロセッサー時です。

  • Xeon GOLD 6242 x 2(410W)
  • Quadro RTX 8000(295W)
  • メモリ24枚(168W)
  • HDD5基(60W)
  • SSD2枚(50W)
  • ファン2つ(6W)

・計989W 電源(1125W)に対しての最大消費電力は約88%です。

パソコンをフルパワーで長時間使い続けることはあまりないと思いますが、ちょっと最大電力が大きいですね。RTX 8000をGV100に変えたら84%になるので若干ましだと思います。

これを見てわかる通り、CPU2つは理想的ですが、グラフィックボード2枚搭載は消費電力がかなり大きくなるし、投資に対しての性能アップが微力なので、グラボは1枚が良さそうです。

例)下の表はGV1001枚と2枚時の速度向上率で、トラクターのリアアクセルの構造解析をした時になります。接点数約410万、要素数約230万、メモリ22GB、データベース1900MB、ソルバ PCGです。

Quadro CV100を1枚搭載時と2枚搭載時の作業の速度向上率のグラフ

CPUのコア数にもよりますが、最大でも10%の速度アップになっています。GV100の価格は1枚目が約163万円、2枚目が165万円の計328万円です。165万円を追加して、最大10%・最小0.5%以下の性能を上げたいと思う人は少ないと思います。

有線

RJ45は最大1Gbpsか最大10Gbpsの通信速度が選べます。1ギガビットは125MB/秒、10ギガビットは1.25GB/秒の通信速度になり、どう考えても10Gbpsのイーサネットを選んだ方が良いです。

ちなみに1つ目には10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-Tが搭載なので、最大125MB/秒になります。

サポート・保証

保証は、土日祝日を含む3年間のオンサイト修理とパーツ保証が標準保証になっています。オンサイト修理とは、エンジニアが会社や自宅に来て、その場で修理をしてくれるサービスです。また、最長5年まで延長できます。

公式サイトではサポートの事に一切言及していないのですが、HPのビジネスPCは、通常、電話・チャット・LINEやツイッターでのサポートを展開しており、「日本でのサポート」+「月~金が朝9時から夜21時まで、土曜日が朝9時から夕方17時まで」になっています。

コールセンターは日本にあるので、質も高く、話も速いですね。

まとめ

デュアルプロセッサーにした時は電源容量が若干気になりますが、それでもほとんどのケースでは最大概算消費電力を下回るはずだし、フルパワーでパソコンが動き続けることもないので、そこまで気にしないでいいかもしれません。

スペックは最高クラスで、本機種よりも高い性能を持つワークステーションはほぼ見かけないんじゃないかなと思います。

また、サポートも保証も手厚いので購入後も安心できる機種ですね。

公式サイト