HP ProBook 650 G8のレビュー

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インテル11世代CPU搭載の本機種は、指紋センサーに顔認証、そしてThunderbolt 4も搭載と使い勝手が高く、メモリは最大64GBまで搭載、ストレージはSSD 最大1TBと大容量です。

大きなデータを扱うことが多い人に向いている機種で、作業効率がアップすると思います。

15.6型と大画面なので、据え置き用として使うことがメインだと思いますが、WiFi6にも対応しているので、外出先でも高速回線で作業ができます。

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ProBook 650 G8のスペックレビュー

HP ProBook 650 G8 正面

CPU Intel core i3-1115G4
Intel core i5-1135G7
Intel core i7-1165G7
メモリ 最大64GB
ストレージ SSD 最大1TB
ディスプレイ(15.6型) FHD IPS液晶 光沢なし 250nit
OS Windows 10 Home、Pro
グラフィックス インテルUHDグラフィックス
Iris Xe
無線 WiFi5/WiFi6、Bluetooth 5
セキュリティ HP Sure sense、Sure Click、BIOSphere Gen 5、TPMなど
重さ 1.74㎏
寸法 359.4×233.9×19.9㎜
バッテリー 最大12.5時間
保証 1年間引き取り修理
その他 指紋センサー、顔認証、Thunderbolt 4、Office Home &Business 2019搭載可能
価格 8.5万円~

パソコンの頭脳であるCPUは、最新のインテル第11世代CPU搭載で、性能がかなり上がっています。また、他の11世代CPU搭載のProBookは、Core i3を選ぶとHDディスプレイのみだったのですが、本機種はCore i3でもフルHDなので、そこまでスペックが必要ない人なら本機種が一番良いと思います。

Core i5かi7を選んだ場合で、メモリをデュアルチャンネルメモリー(メモリ2枚搭載)にしたら、超高性能内蔵グラフィックスのIris Xeになります。

他のProBookでは、デュアルチャンネルメモリーは32GB(16GBx2)のみで+7万円と高額だったのですが、本機種は16GB(8GBx2)からできるので、購入しやすいと思います。

メモリはスロット2つで、最大64GBまで搭載できるので、メモリの増設も可能です。

ストレージはSSD・128GB~1TBまで選べ、OptaneメモリーやSED 自己暗号化ドライブ機能搭載もあります。データ保護は必須なので、SED付きのストレージを選ぶ人も多いかもしれません。

無線はWiFi5かWiFi6が選べ、Bluetooth 5が搭載です。次世代通信規格のWiFi6も選べるので、無線接続がメインの人はWiFi6を選んだ方が使い勝手が高いです。

HPのビジネスモデルはセキュリティがかなり豊富で、HP独自のセキュリティなので堅牢性が高く、安心して使うことができます。

仕様書にはThunderbolt 4と記載されているので、大きなデータ移動もサクサク使えますね。

他のProBookに比べ全体的なスペックが「まとも」で、どのCPUを選んでも標準以上の性能にできるで、魅力的ですね。

公式サイト

旧モデルとの比較

HP Probook 650 G8とG5の筐体比較<左/本機種・右/Probook 650 G5>

Probook 650 G7は海外でのみ販売されたので、日本で発売された旧モデルはProBook 650 G5になります。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値)

本機種 ProBook 650 G5
CPU Core i3-1115G4
Core i5-1135G7
Core i7-1165G7
Core i3-8145U
Core i5-8265U
Core i7-8565U
メモリ 64GB(3200MHz) 32GB(2400MHz)
ストレージ SSD 1TB SSD 1TB+HDD 1TB
ディスプレイ FHD FHD
無線 WiFi5/6 WiFi5/6
バッテリー 12.5時間 11時間
重量 1.74㎏ 2.18㎏
その他 Thunderbolt 4あり 光学ドライブ搭載可能
価格 8.5万円~ 7.5万円~

CPUが第8世代から11世代に変わり、性能がかなり上がっています。日本ではProbook 650 G7が販売されなかったので、実質2モデル分のアップデートです。

光学ドライブも無くなり筐体もかなり小さく、ベゼル(画面の黒い枠)も同様に細く、Thunderbolt 4もありと、比べることができないくらい性能が上がっています。

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Core i3は2倍近く、その他は50%ほど性能が上がっていますね。

ライバル機種

HP Probook 650 G8とLenovo ThinkPad E15 Gen 2、ThinkPad T15 Gen 2の筐体比較<左から本機種・E15 Gen 2・T15 Gen 2>

本機種と似たような最新機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)

本機種 ThinkPad E15 Gen 2 ThinkPad T15 Gen 2
CPU Core i3-1115G4
Core i5-1135G7
Core i7-1165G7
Core i3-1115G4
Core i5-1135G7
Core i7-1165G7
Core i5-1135G7/1145G7
Core i7-1165G7/1185G7
メモリ 64GB 32GB 48GB
ストレージ SSD 1TB SSD 1.5TB SSD 2TB
グラフィックス Iris Xe Iris Xe Iris Xe
GeForce MX450
ディスプレイ FHD 250nit FHD 250/300nit FHD、UHD
300~600nit
無線 WiFi5/6 WiFi6 WiFi6、4G LTE
バッテリー 12.5時間 12.1時間 16.8時間
重量 1.74㎏ 1.7㎏ 1.75㎏
その他 Thunderbolt 4あり
価格 8.5万円~ 6.2万円~ 12万円~

HPのビジネスモデルは「HP独自のセキュリティ」が豊富に搭載しており、その分、他社よりも若干高い価格設定になっています。

本機種はHPビジネスノートにしては価格も安く、スペックも高い、WiFi6にも対応しているスタンダードビジネスノートです。企業が購入する機種としては良いと思います。

ThinkPad E15 Gen 2はLenovoのビジネスノートで、本機種と同等クラスのスペックです。ただし、ディスプレイに300nitのものがあるので、より明るく見やすいです。個人で購入する場合は、コスパも高く良いと思います。

T15 Gen 2も同じくLenovoのビジネスノートで、LTEもあったり、バッテリー駆動時間も長く、そして基本スペックも高い上位モデルです。より快適に使いたい場合は、T15 Gen 2も視野に入ると思います。

メリット・デメリット

良い点

・堅牢なセキュリティ
・おしゃれな外観
・メモリ・SSDに大容量搭載可能
・Thunderbolt 4あり

悪い点

・ディスプレイが250nitと若干暗さを感じる時もある
・WiFi6が標準でなくオプション

ProBook 650 G8の特徴

HP ProBook 650 G8 左斜め前から

ベゼル(画面の黒い枠)が細いですね。今までのビジネスノートはベゼルが太く筐体も大きかったのですが、結構小さくなっているのでスリムになっていますね。

HP ProBook 650 G8と旧モデルの大きさ比較

前モデルのG5との大きさの比較ですが、奥行きが2.31㎝小さくなり、13.2%小さく、20%軽くなっています。

幅は359.4㎜、奥行き233.9㎜、厚さ19.9㎜で、大学ノートA4サイズ(297㎜x210㎜)と比べると、幅+約6㎝、奥行きは+約2.4㎝となっています。

HP ProBook 650 G8の左側面 閉じた状態

厚さは19.9㎜と1円玉(直径20㎜)と同じサイズで、標準的な15型と比べると厚いですが、その分エアフローも良いと思います。重さは1.74㎏と標準的です。

HP ProBook 650 G8 背面

背面です。

HP ProBook 650 G8 筐体の角

角ついた感じの筐体ですが、天板を見ると丸まったデザインでもあるので、おしゃれですね。

HP ProBook 650 G8 天板

また、ディスプレイが開けやすいように、開閉部分がくの字になっています。

HP ProBook 650 G8のディスプレイ開閉部分

サステナビリティ

HP ProBook 650 G8の素材

本機種はリサイクル素材をスピーカーやキートップの50%に使用しており、環境にも配慮した作りになっています。ここ最近は「良い商品を作る」だけでなく、環境にも配慮しないといけないので企業は大変でしょうね。

キーボード

HP ProBook 650 G8のキーボード

キーピッチ(キーの中心から次のキーの中心までの距離)は18㎜と、手が大きい人は若干小さいと感じるかもしれませんが、標準並みの距離があります。

キーストローク(キーを押したときに押し込める距離)は1.5㎜と若干標準よりも深く、テンキーも付いているので、全体的なスペックは悪くないです。

また、キーボードは防滴機能付きなので、ちょっとした水滴なら落ちても大丈夫なようです。(が、水濡れは標準保証対象外)

耐久性

HP ビジネスの品質テスト

これは本機種のみじゃなくビジネスモデルに当てはまるのですが、12万時間に及ぶ品質テストを行っており、衝撃や温度・湿度変化などの耐久性テストにもクリアした機種になります。

また、米軍の物資調達規格(MILスペック)に準拠したものなので、頑丈なんです。

CPU

Core i7-1165G7 Core i5-1135G7 Core i3-1115G4
製造プロセス 10nm
SuperFin
10nm
SuperFin
10nm
SuperFin
コア/スレッド 4/8 4/8 2/4
キャッシュ 12MB 8MB 6MB
グラフィックス Iris Xe Iris Xe UHDグラフィックス
基本クロック 2.8GHz 2.4GHz 3.0GHz
ブーストクロック 4.7GHz 4.2GHz 4.1GHz

注)グラフィックスのIris Xeはメモリ2枚使用時に使えます。詳細は後述。

スコアの目安

  • 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
  • 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
  • 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
  • 10000~・ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い

↓グラフをタップすると数値が表示されます↓

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(値は平均値なので参考値として見てください)

Core i3-1115G4でも6401と高い性能です。2コア4スレッドとは言え、快適に作業ができるスコアです。Core i5とi7はこのクラス最高峰の性能で、約1万ほどです。2年ほど前まで、スコアが7000あったらハイエンドモデルだったのですが、年々性能が上がっていますね。

こちらはマルチコア性能とシングルコア性能を数値化した、Cinebench R20です。

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マルチコアも高いですが、何といってもシングルコアの性能がすごいですね。

グラフィックス

グラフィックスはインテルUHDグラフィックスで、デュアルチャンネルメモリー使用時のCore i5とi7はIris Xeになります。(値は平均値なので参考値として見てください)

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ディスプレイ

HP ProBook 650 G8 右斜め前から

解像度 光沢 液晶 輝度
FHD
1920×1080
なし IPS 250nit
HD ハイディフィニション、低解像度で安い機種に使用される
FHD フル・ハイディフィニション、一般的な画質
光沢 光沢ありは発色が良い反面、自分や背景が映り込みしやすい。光沢無しは映り込みがしにくい
IPS液晶 コントラスト比が高く、視野角も広い
nit 明るさを表す単位。通常250~300nitが標準

ディスプレイは高解像度のフルHDで、IPS液晶になっています。コントラスト比も高く視野角も広いので、見やすい・作業がしやすいスタンダードディスプレイです。

HP ProBook 650 G8のWebカメラとIRカメラ

ディスプレイ上部には、WebカメラとIRカメラ(顔認証)、プライバシーシャッターがあります。このWebカメラは視野角が88度と比較的大きいので、2人でも映しやすいです。また、ビデオ会議中の離席時や、カメラを使わないときは物理シャッターを閉じてプライバシーを守ることができます。

公式サイト

メモリ

メモリはパソコンの作業台で、メモリが大きいとより多くのデータ・より大きなデータが扱いやすくなります。

搭載メモリはDDR4-3200MHzという現行最高の周波数のもので、処理速度が速くなっています。また、Core i5かi7を選んだ場合は、16GB以上のメモリをお勧めします。こうすることによって、内蔵グラフィックスがIris Xeとなり、簡単な画像編集や動画編集がやりやすくなります。

もしくはメモリスロットが2つあるので、8GBを選んで、自分でメモリを増設してデュアルチャンネルメモリーにもできますね。

ストレージ

ストレージはパソコンの起動や、データ移動の速度などに影響するパーツで、いくつか種類があります。

SSD SSD(SATA) HDD(本機種非搭載)
最大データ転送速度 最大16Gbps~32Gbps 最大6Gbps 最大6Gbps(SATAの場合)
平均起動時間 10秒~15秒 15秒前後 30秒~2分(新品の場合)
温度 熱くなりにくい 熱くなりにくい 熱くなりやすい
価格 高い 中価格 安い

選べるSSDは以下になります。

  • 128GB
  • 256GB
  • 256GB SED自己暗号化機能付き
  • 512GB
  • 512GB SED自己暗号化機能付き+32GB Optaneメモリー
  • 1TB

SED自己暗号化機能とは、ストレージのデータをハードウェアレベルで暗号化するもので、万が一パソコンを紛失したり盗難にあっても、暗号キーが無いとデータにアクセスできないので、データが漏洩する確率が小さくなります。

512GBに搭載しているOptaneメモリとは、メモリにウェブサイトなどのデータをキャッシュ(記憶)できるので、高速表示が可能になります。

セキュリティ

HPビジネスモデルのセキュリティ

HPのビジネスノートは「世界で最も安全なビジネスPC」と言っているくらい、セキュリティが堅牢で、HP独自のセキュリティが多く搭載しています。

  • HP Sure Sense・・・ディープラーニングを活用したリアルタイム検知機能があり、悪意のあるファイルを検出し、マルウェア、ゼロディ攻撃、ランサムウェアなどからPCを守るセキュリティ機能
  • HP BIOSphere Gen5・・・ウイルスやマルウェアによる不正なBIOSの書き換えや、破損からシステムを保護
  • HP Sure Click・・・Web閲覧のセキュリティ強化で、タブを閉じるだけでマルウェアが消滅する
  • HP Sure Start Gen 6・・・自動復旧機能で攻撃を受けても自動でリカバリ
  • HP Client Security Software・・・パスワード関係などのセキュリティ機能
  • HP Secure Erase・・・BIOSの中のSecure Eraseを使って内蔵ドライブのデータを完全に削除することが出来る
  • セキュリティロックケーブルスロット・・・盗難や持ち運び防止用のセキュリティワイヤーを使うスロット
  • TPM・・・独立して機能するチップで、パスワードなどの重要情報を格納できる
  • Windows Defender・・・Windows搭載のセキュリティ機能で、マルウェアなどのウイルスからパソコンを守ってくれる

WiFi6

次世代通信規格のWiFi6が搭載可能で、カフェなどの混みあった回線でも安定して高速回線での通信が可能です。 購入ページのWireless-AC 9560というものがWiFi5で、WiFi6はWiFi6と記載してあります。

  • WiFi5・・・最大データ通信速度6.9Gbps
  • WiFi6・・・最大データ通信速度9.6Gbps

未だに主流であるWiFi5よりも、約40%ほど速度が速くなっており、一度に電波を飛ばせるデバイス数が多くなっているので、混みあった回線でも通信がしやすいんです。

インターフェイス

HP ProBook 650 G8の右側面 閉じた状態

右側面にはSIMカードスロット(使用不可)、ヘッドフォン/マイクジャック、HDMI、USB-A 3.1 Gen 1(最大データ転送速度5Gbps)が2つ、USB-C 3.1 Gen 2(給電・Display Port映像出力機能付き)が1つに、電源コネクタがあります。

HP ProBook 650 G8の左側面 閉じた状態

左側面には、ナノセキュリティロックケーブル用スロット、RJ45(LANケーブルポート)、USB-A 3.1 Gen 1があります。

SIMカードスロットがあるのであれば、LTEに対応してくれていたら良かったのですが、日本では非対応とのことです。

保証・サポート

HP ビジネスサポート

HPのサポートは、電話・チャット、メール・LINEなどでやっており、対応時間は月-金9:00-21:00、土9:00-17:00になります。一番うれしいのは、電話した時に「その件でしたらこちらの部署におかけ直しください」と言う定番の文句が出てこないことですね。たらいまわしを回避し、1つの窓口で対応してくれます。

保証は1年間引き取り修理が付いており、最長5年に延長ができます。また、オンサイト修理という保証にもアップグレードできます。

  • 引き取り修理・・・指定業者がパソコンを引き取りに来て修理工場に配送、修理後配達される(期間内はパーツ代や配送代など無料)
  • 出張修理/オンサイト修理・・・家や事務所に来てその場で修理。期間内は交換パーツ代など無料
  • アクシデントサポート・・・標準保証ではカバーされない水濡れや落下破損、盗難などに対応

保守拠点は国内に420か所以上あるので、修理も速いです。

まとめ

ProBookシリーズでは、ProBook 635 Aero G7を除いて本機種が一番購入しやすい構成になっていると思います。ディスプレイもフルHDのみだし、デュアルチャンネルメモリも16GBから可能なので、極力コストを抑えてスペックを高くできますね。

Core i3でも全然性能が高いので、そこまで高負荷な使い方をしないのであれば十分だし、スペックを上げるのであれば、Core i5かi7とハイエンドモデルもあるので、多くの人に合うスペックにできます。

公式サイト