予想通り、本機は販売が一瞬で終わり、後継機種のOMEN 16 Intelが発売されました!
満を持して登場した2021年のOMEN 15インチですが、発表された瞬間「ガクッ」としたのは筆者だけじゃないはず・・・
筐体は新しくなりましたが、スペックにインターフェースは変わらず、旧モデルから目新しさがありません。おそらく追加モデル(ek1000やRyzen搭載モデル)が出てくるのですが、現状で見ると「寂しい」機種です。
海外では先行してRTX 3070搭載モデル(でもCPUは10世代)やRyzen 7 5800H搭載モデルも販売されているので、現状「待ち」かなと思います。
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Contents
OMEN 15-ek0000のスペックレビュー
CPU | Intel core i7-10750H |
---|---|
メモリ | 16GB(最大32GB) |
ストレージ | SSD 512GB+SSD 512GB |
グラフィックス | NVIDIA GeForce RTX 2060 |
ディスプレイ(15.6型) | FHD IPS 300Hz sRGB 100% |
有線 | 内蔵ギガビット |
無線 | WiFi6、Bluetooth 5.0 |
電源 | 200W |
セキュリティ | TPM |
寸法(幅x奥行きx高さ) | 357.9 x 239.7 x 22.9㎜ |
重さ | 2.45㎏ |
バッテリー | 最大5.5時間 |
保証 | 1年間 |
価格 | 23.1万円~ |
第10世代のHシリーズ(ハイパフォーマンスモデル)が搭載で、そこそこ高い性能になっています。正直言うと、第11世代CPUが2020年秋から出ており、「なぜ今更?」感がありますが、悪い性能ではありません。
CPUが最新のDDR4-3200MHzに対応していないので、メモリはDDR4-2933MHzになります。ただし、メモリスロットが2つあるので、最大32GBと大きな容量にできます。ストレージはSSDが2基搭載で、合計1TB(512GB+512GB)と大きいですね。また、RAID 0の設定が可能なので、書き込み速度が速くなります。
ディスプレイは若干スペックが上がっており、色域の高いsRGB 100%なのでより深みのある色が描写され、没頭感も上がります。リフレッシュレートは300Hzとかなり高く、ゲームによっては「かなりぬるぬる」プレイできます。
グラフィックボードはミドルクラスのRTX 2060が搭載で、予想ですが、今後はRTX 30シリーズが搭載したモデルが出ると思います。
全体的にハイスペックですが、やはり昨年と同じスペックなので目新しさがないし、同業他社はインテル11世代やRyzen 5000Hシリーズが搭載したモデルが出ているので、ちょっと残念ですね。
旧モデルとの比較
<左/本機種・右/OMEN 15 2020年モデル>
旧モデルのOMEN 15-dh1000との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | OMEN 15-dh | |
CPU | Core i7-10750H | Core i5-10300H Core i7-10750H Core i9-10885H |
メモリ | 32GB | |
ストレージ | SSD +SSD | SSD +HDD |
GPU | RTX 2060 | RTX 2060 RTX 2070S Max-Q RTX 2080S Max-Q |
ディスプレイ | FHD 300Hz | |
無線 | WiFi6 | |
電源 | 200W | |
重量 | 2.45㎏ | 2.48㎏ |
価格 | 23.1万円~ | 13.6万円~ |
*本機は販売前なので、Web割引前の価格を記載しています
現在発表されているスペックを見ると、旧モデルの方が高いですね。しかも価格は安い。ただし本機種は筐体が新しくなりコンパクトになっていて、奥行きが23.3㎜も小さくなっています。
ライバル機種
<左から本機種・Pavilion Gaming 15・Lenovo Legion 560>
本機種と似たような最新機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)
本機種 | Pavilion Gaming 15 | Legion 560 | |
CPU | Core i7-10750H | Ryzen 5 5600H Ryzen 7 5800H |
Ryzen 5 5600H Ryzen 7 5800H |
メモリ | 32GB | 16GB | 32GB |
ストレージ | SSD +SSD | SSD | SSD |
グラフィックス | RTX 2060 | GTX 1650 RTX 3050 RTX 3050 Ti |
GTX 1650 RTX 3060 |
ディスプレイ | FHD 300Hz | FHD 144Hz | FHD 120Hz/165Hz |
電源 | 200W | 150W/200W | 230W/300W |
重量 | 2.45㎏ | 2.08㎏ | 2.4㎏ |
価格 | 23.1万円~ | 9.4万円~ | 10万円~ |
各機種の特徴です。
- 本機種・・・ミドルクラスのGPU性能でリフレッシュレートが300Hzと高め
- Pavilion Gaming・・・同じくミドルクラスのGPU性能だが、最新のRTX 30シリーズ。プロセッサーには最新のRyzen 5000Hシリーズ搭載
- Legion 560・・・最新のプロセッサーに最新のRTX 30シリーズ搭載で、ミドルハイクラス。電源も大きいため、他機種よりも高パフォーマンスが出る
プロセッサーの性能比較です。
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 5800H | |
---|---|
Ryzen 5 5600H | |
Core i7-10750H |
グラフィック性能です。
Fire Strike Graphics
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3060 Laptop | |
---|---|
RTX 2060 Mobile | |
RTX 3050 Ti Laptop | |
RTX 3050 Laptop | |
GTX 1650 Mobile |
Windows 11
Microsoftが2021年6月にWindows 11を発表しました。今までのWindowsのアップデートと違い、全機種アップデートできるわけじゃなく、以下の要件を満たした機種のみになります。
- 1GHz以上で動作する複数コアを搭載した64bitCPU
- メモリ4GB以上
- ストレージ64GB以上
- DirectX 12サポート
- 9インチ以上720p以上の解像度
- Microsoftアカウント
- ネット接続
- UEFIによるセキュアブートをサポート
- TPM 2.0
本機種では心配ないですね。余裕で全項目クリアしています。ただし8月にプレビュー版のシステム要件が以下のように緩和されました。
- 第7世代以降のCore プロセッサ/Zen アーキテクチャのRyzen プロセッサ
- TPM 2.0が不要に
どちらにしても、本機は要件をクリアしています。
メリット・デメリット
良い点
・筐体がかなり小さくなった
・リフレッシュレートが高い!
残念な点
・執筆時点では旧モデルの方が高性能
・筐体以外目新しいところがない
・電源が若干小さい(足りないわけじゃない)
OMEN 15-ek0000の特徴
筐体が通常のノートパソコン型になり、ベゼル(画面の黒い枠)がかなり細くなりましたね。以前はデザイン重視で独特な形状でしたもんね。
寸法は
- 幅357.9㎜(一万円札2枚分/320㎜
- 奥行239.7㎜(一万円札1.5枚分/240㎜
- 高さ22.9㎜(10円玉/23.5㎜
と、ほぼ同じになります。
旧モデルは奥行きが262㎜もあったのですが、本機は22.3㎜も小さくなったのでカバンに入れやすくなったと思います。重さは2.45㎏と重たいですね。
天板のロゴもシンプルでかっこいいですね。
底面には大きな排気口があり、2つのファンが3つの排気口から熱を吐き出します。また、熱を拡散し放熱しやすくなるチャンバーもあるので、CPUやGPUが熱くなるのを抑えることができます。
背面の排気口も大きいですね。
OMEN Gaming Hub
OMEN GAMING HUBよりキーボードのライティングを設定したり、オーバークロックをしたりできます。ネットワークブースターは、例えばゲームは有線LAN通信で、攻略法のサイトやSNSは無線でなどと設定も出来ます。
よりゲームがしやすくなりますね。
キーボード
キーピッチ(キーの中心から次のキーの中心までの距離)は19×18.7㎜で、窮屈じゃないですね。また、キーストローク(キーを押し込む距離)は1.5㎜と浅すぎず深すぎずなので、結構軽めのタイプで入力しやすいです。
CPU
Core i7-10750H | |
製造プロセス | 14nm |
コア/スレッド | 6/12 |
キャッシュ | 12MB |
べースクロック | 2.6GHz |
ブーストクロック | 5.0GHz |
TDP | 45W |
CPUは第10世代のHシリーズで、ハイパフォーマンスです。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-11950H | |
---|---|
Core i7-11800H | |
Core i5-11500H | |
Core i7-10750H | |
Core i7-1185G7 | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Core i3-1115G4 |
こちらはCinebench R23のベンチマークで、マルチコアはパソコンの総合性能、シングルコアが高いとクリエイティブワークやゲームがしやすくなります。
Cinebench R23
オレンジ色・・・マルチコア 青・・・シングルコア
Core i7-11800H | |
---|---|
Core i5-11500H | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 5 5600H | |
Core i7-10750H | |
Core i7-11370H | |
Core i5-11300H | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 |
グラフィックス
NVIDIA GeForce RTX 2060 | |
アーキテクチャー | Turing |
CUDAコア | 1920 |
ベースクロック | 1365MHz |
ブーストクロック | 1680MHz |
RTコア | 30基 |
Tensorコア | 240基 |
メモリタイプ | GDDR6 |
メモリ帯域 | 336Gbps |
メモリ容量 | 6GB |
TDP | 160W |
グラフィックボードは前世代のRTX 20シリーズとは言え、、RTコア(レイトレーシング)とTensorコア(AI推論)もあり、ミドルクラスの性能です。
レイトレーシングやDLSS対応で、重たいゲームやVRゲームにも対応しています。
- レイトレーシングとは、光線(光)がどのように動くか追跡して表現する技術で、これを「リルタイム」でシュミレートし描写する機能
- DLSSは、fpsを落とさずに画質を上げることができる機能
Fire Strike Graphics
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3080 Laptop | |
---|---|
RTX 3070 Laptop | |
RTX 3060 Laptop | |
RTX 2060 Mobile | |
RTX 3050 Ti Laptop | |
GTX 1660 Ti Max-Q | |
GTX 1650 Mobile |
ゲームのベンチマーク
スコアの単位はfps(リフレッシュレート)で、60以上が「快適にプレイ」出来る目安です。ただし、スコアスペックにより変わるので、参考値としてどうぞ。
[visualizer id=”12579″ lazy=”no” class=””]虹6などの軽いゲームは、ディスプレイのリフレッシュレートが300Hzという恩恵を受けやすいですね。
ディスプレイ
右にスライドできます↓
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 | リフレッシュレート | 色域 |
FHD 1920×1080 |
なし | IPS | 300nit | 300Hz | sRGB 100% |
FHD | フル・ハイディフィニション、一般的な画質 |
---|---|
光沢 | 光沢ありは発色が良い反面、自分や背景が映り込みしやすい。光沢無しは映り込みがしにくい |
IPS液晶 | コントラスト比が高く、視野角も広い |
nit | 明るさを表す単位。通常250nitが標準 |
リフレッシュレート | 1秒間に更新できるコマ数 |
色域 | 色空間の規格 |
ディスプレイは高解像度のFHDに、視野角も広くコントラスト比も高いIPS液晶が搭載です。リフレッシュレートが300Hzと高いので、ゲームによってはかなり「ぬるぬる」なプレイができます。
また、リフレッシュレートが高いので、フリッカー(ちらつき)やゴースト(残像)も軽減されます。
色域はWeb用画像編集にも向いているsRGB 100%で、旧モデルはsRGB比98%ほどだったので若干とは言え、色域も広くなっています。
こちらは左が一般的なノートパソコンの色域であるNTSC 45%、右がsRGB 100%ですが、明らかに色が違いますね。色域が広いと、より本来の色が描写できるので、迫力もあるし没頭感も増します。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
本機はDDR4-2933MHzが搭載で、メモリスロットは2つになります。販売は16GB(8GB x2)までですが、最大32GBに増設も可能です。
ストレージ
SSD(PCIe NVMe) | HDD | |
最大データ転送速度 | 最大16Gbps~32Gbps | 最大6Gbps(SATAの場合) |
平均起動時間 | 10秒~15秒 | 30秒~2分 |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい |
価格 | 高い | 安い |
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
本機はPCIe NVMe SSD 512GBが2基搭載で、RAID 0の設定も出来ます。RAID 0とは2つのストレージに分散して保存するため、読み込み書き込みが高速で出来るが、1つのストレージに障害が発生すると復旧できないという特徴があります。
セキュリティ
セキュリティには、Windows 11必須のTPMが搭載です。TPM(トラステッド・プラットフォーム・モジュール)は独立して機能するチップで、パスワードなどの重要情報を格納できます。
他にも、Windows標準搭載のWindows Defenderと言うマルウェアやフィッシングなどのウイルスセキュリティがあるので、安心して使えます。
WiFi6
次世代通信規格のWiFi6に対応しており、現在主流のWiFi5より約40%最大通信速度が上がっています。今まで5GHzにしか対応していなかった周波数が、2.4GHzと5GHzと2バンドに対応しており、また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、カフェなどの混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
バッテリー
バッテリー駆動時間は最大5時間30分と、短いです。というか、ゲーミングPCなのでこのくらいだと思います。外出時は、充電アダプターも一緒に持って行った方がよさそうですね。
電源
電源は200Wで、同業他社の電源と比べると若干小さいかなという気がします(平均で230W/300Wが主流)。まあ、足りていないわけじゃないので心配は無用ですが、電源が大きい方がより高いパフォーマンスを発揮できるので、改善してほしいですね。
インターフェイス
右側面インターフェースは左から、Thunderbolt 3、Mini-DisplayPort、USB-A(データ転送速度5Gbps)が2つです。
左側面インターフェースは左から、電源、RJ45(LANポート)、USB-A(同5Gbps)、HDMI、ヘッドフォン/マイクジャック、そしてSDカードリーダーになります。
OMEN 2020年モデルと何も変わっていません。
サポート・保証
HPでは「1年間の使い方サポート」と「1年間の引き取り修理保証」が標準でついていて、電話やLINE、ツイッターでもサポートをしています。購入時に詳しく書かれた「パソコン入門」もあるので、初めてパソコンを買う人でも設定から使い方まで、分かりやすいと思います。
また、保証は最長3年まで延長でき、引き取り修理じゃなく出張修理もあります。
- 引き取り修理・・・指定業者がパソコンを引き取りに来て修理工場に配送、修理後配達される(期間内はパーツ代や配送代など無料)
- 出張修理・・・家や事務所に来て現場で修理。期間内は交換パーツ代など無料
また、公式サイトでアナウンスされていませんが、通常OMENは「Cefe de OMEN」というOMENユーザー専用のゲーミングPCに特化したサポートセンターもあります。
まとめ
スペックはミドルクラスで、全体的に「ガチゲーマー向けというよりも、カジュアルゲーマー向け」の仕様ですね。今後、新スペックモデルが投入されたらかなり性能が上がると思いますが、現状ではOMEN 15 2020年モデルの方がハイスペックで低価格と言う謎の現象が起きています。
「旧モデルと比べる」という先入観を取り除けば、全体的に悪くない機種なので購入もアリかなと思いますが、2021年に販売されている同業他社のゲーミングPCは、「11世代CPU」もしくは「Ryzen 5000Hシリーズ」で、「RTX 30シリーズ」のグラボ搭載がほとんどなので、別の機種も検討してみていいかもしれませんね。
こちらで「BTO各社のゲーミングPCセール」を特集しているので、こちらも一緒にどうぞ。