HPの上位モデルEnvy x360 15-fhのレビューです。
x360は2 in 1 PCのことで、ディスプレイを360度回転させ、タブレットの様にも使うことができます。
本機はEnvyにしては若干低価格なので、下位モデルのRyzen 5モデルはちょっと残念なスペックになっていますが、Ryzen 7モデルはOLED液晶を採用しており、ディスプレイも高品質です。
当サイトの評価は、このようになりました。
スペック | [usr 4.2] |
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コスパ | [usr 3.8] |
総合評価 | [usr 4.0] |
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Contents
ENVY x360 15-fh(AMD)のスペック
CPU | Ryzen 5 7530U Ryzen 7 7730U |
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メモリ | 16GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(15.6型) | FHD IPS 250nit 光沢あり FHD OLED 400nit 光沢あり |
OS | Windows 11 Home |
無線 | Wi-Fi 6E |
生体認証 | 顔認証 |
WEBカメラ | 500万画素WEBカメラ |
オーディオ | Bang & Olfsen |
寸法(幅×奥行×高さ) | 356 × 229 × 17.9㎜ |
重さ | 1.75㎏ |
バッテリー | 最大約13.5時間 |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 11.4万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUは最新のRyzen 7000シリーズで、上位モデルのRyen 5かRyzen 7になります。旧モデル搭載のCPUからそこまで性能は上がっておらず、アーキテクチャも同じZen 3ですが、ビジネス用途にも使えるほどの十分な性能はあります。
メモリはLPDDR4X-4266MHzで、オンボード16GBになります。デュアルチャンネルメモリなので、グラフィック性能もシングルチャンネルより高く、より多くのデータを扱えます。
ストレージはSSD M.2 PCIeで、最大1TBと大容量です。データ転送速度も速く、パソコンの起動は10秒ほどです。
ディスプレイは意外に低品質なものがあり、FHD IPS液晶モデルは輝度が250ニトと暗く、明るいオフィスや屋外では見にくいです。
もう一つはFHD OLED液晶で、こちらは400ニトと明るく、広色域のsRGB 100%です。こちらはIMAX Enhanced対応で、世界初の認定PCになっています。IMAX Enhancedは、より明るくより鮮明な映像が描写でき、映画などの動画視聴に向いています。
その他のスペックは、OSはWindows 11 Homeに、最新のWi-Fi 6Eに対応、500万画素の高解像度Webカメラが搭載し、顔認証も標準搭載です。
15.6インチで1.75㎏と標準的な重量で、バッテリー駆動時間は、これまた普通な最大13.5時間になります。
2 in 1 PCなので使い勝手が高く、あまり持ち運びはせずに屋内で使うPCとして使いやすいと思います。
2023年のトレンドと比較
2023年のハイエンドノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。(〇/標準搭載、△/モデルによってはあり、×/なし)
Ryzen 7000シリーズ | DDR5 | PCIe 4.0 | アスペクト比16:10 |
〇 | × | × | × |
Wi-Fi 6E | sRGB 100%以上 | 輝度300nit以上 | 1080P Webカメラ以上 |
〇 | △ | △ | 〇 |
USB4 | 生体認証 | バッテリー14時間以上 | |
〇 | 〇 | × |
EnvyはHPの普段使いPCで上位シリーズになりますが、本機は11万円台からと価格が低いこともあり、△が2つ、×が4つあります。これはCPUが対応していないので、しょうがないですね。
旧モデルとの比較
<左/本機種・右/旧モデル>
旧モデルのEnvy X360 15-eyとの比較です。(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | 旧モデル | |
CPU | Ryzen 5 7530U Ryzen 7 7730U |
Ryzen 5 5625U Ryzen 7 5825U |
メモリ | LPDDR4X-4266 16GB | DDR4-3200 16GB |
ストレージ | SSD 2TB | SSD 1TB |
ディスプレイ | FHD IPS FHD OLED IMAX Enhanced |
FHD IPS/OLED |
無線 | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 6 |
バッテリー | 13.5時間 | 12時間 |
重量 | 1.75㎏ | 1.72㎏ |
寸法 | 356 × 229 × 17.9㎜ | 358 × 229 × 18.9㎜ |
変更点です。
・最新のRyzen 7000シリーズに
・メモリがLPDDR4Xに
・OLED液晶モデルがIMAX Enhancedに
・Wi-Fi 6Eに対応
・30g重くなった
・幅が2㎜小さく、厚さが1㎜小さくなった
・5GbpsのUSBが10Gbpsに速度アップ
筐体の外観は見たところ全く同じですが、一応小さくなっているようです。
こちらは、プロセッサーの性能を表すCPU Markスコアです。旧モデルはRyzen 5000シリーズでも新しいものを搭載していたので、高い性能でしたね。本機とそこまで変わりません。
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 7730U | |
---|---|
Ryzen 7 5825U | |
Ryzen 5 7530U | |
Ryzen 5 5625U |
ENVY x360 15-fh(AMD)の特徴
左右と下のベゼル(画面の黒い枠)がすごく細く、16:9の画面とは思えないサイズ感です。おしゃれですね。
寸法は比較的コンパクトで、
・幅 356㎜
・奥行 229㎜
・高さ 17.9㎜
となっています。奥行きが特に小さいですね。15.6インチなら、奥行きは230㎜~240㎜くらいが多いですが、本機は229㎜ですね。
重量は普通と言えば普通の1.75㎏ですが、2 in 1 PCとして使うには重たいです。
2 in 1 PCはヒンジが360度回転するので、テントモードやタブレットモードで使えるのですが、タブレットモードで片手持ちしてメモを取ったりはできないですね。重たいです。
ただし、映画を見たり、イラストを描いたりするには向いています。画面が大きいので、見やすいですしね。
<2 in 1 PCの例・左からスタンドモード、テントモード、タブレットモード>
今の状況に合わせて好きなスタイルに変形できるので、便利ですね。
キーボードが邪魔な時や、画面をもっと近づけたいとき、ペンを使う時はスタンドモードにすると使いやすいです。
テントモードはソファやベッドの上に寝転がって使うとき、底面の吸気口をふさがないので、筐体が熱くなりにくいです。
ペンは付属じゃなく、別売りのものを購入になりますが、公式サイトでどのペンかは紹介されていません。
ナイトフォールブラックと言う色で、高級感がある見た目です。再生プラスチックや再生アルミニウムを随所に使用した、環境負荷の少ないサステナブルデザインでもあります。
WEBカメラ周り
WebカメラはHP True Vision 5MPが搭載で、500万画素と高画質です。
一般的なPCに搭載されるWebカメラはHD画質で92万画素、ここ最近増えてきたFHD画質は207万画素、そして本機の500万画素は2.8K相当とかなり高画質です。
Web会議が多い人や、ビデオ通話をよく使う人など、相手に高画質の自分が映し出されるので、印象もアップしますね。
カメラシャッターもあるので、離席中や見られたくないときは、物理シャッターを閉じてプライバシーを守ることができます。
オーディオはデンマークの老舗高級オーディオブランドのバング&オルフセンで、デュアルマイク/デュアルスピーカーとなっています。
キーボード
キーボードは日本語配列で、バックライト付きになります。テンキーはありません。
キーピッチ(キーの中心から次のキーの中心までの距離)は19.0×18.7㎜で、十分な幅があります。また、キーストローク(キーを押し込む距離)は1.3㎜と浅いので、流れるような浅いタイピングをする人に合います。
CPU
Ryzen 7 7730U | Ryzen 5 7530U | ||
製造プロセス | 7nm | ||
アーキテクチャ | Zen 3 | ||
コア/スレッド | 8/16 | 6/12 | |
L3キャッシュ | 16MB | ||
ベースクロック | 2.0Hz | ||
ブーストクロック | 4.5GHz | ||
GPUコア | 8 | 7 | |
TDP | 15W |
アーキテクチャはRyzen 5000シリーズと同じZen 3になり、TDPは省電力の15Wです。最大温度が95°と低いので、長時間高負荷な作業がしやすくなっています。
性能は高いのですが、先述したように、最新規格のメモリやストレージ、そしてUSB4にも対応していません。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアです。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 14000~・ハイエンドPCに搭載される
- 15000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i5-1340P | |
---|---|
Ryzen 7 7730U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 7530U | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i7-1255U | |
Ryzen 3 7330U | |
Core i7-1165G7 |
CPU性能はすっごく高く、このPCでやることには十分な性能です。
こちらはGeekbench 6のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
CPU Markスコアに比べ、伸び悩んだ結果です。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i5-1350P | |
---|---|
Core i5-1340P | |
Core i7-1370P | |
Core i7-1360P | |
Core i5-1335U | |
Core i5-1345U | |
Core i7-1365U | |
Core i3-1315U | |
Ryzen 7 7730U | |
Ryzen 5 7530U |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1370P | |
---|---|
Core i7-1360P | |
Core i5-1345U | |
Core i5-1340P | |
Core i5-1335U | |
Core i3-1315U | |
Ryzen 5 7530U | |
Ryzen 7 7730U | |
Core i5-1350P | |
Core i7-1365U |
ディスプレイ
解像度 | 光沢/液晶 | 色域 | 輝度 |
15.6型 FHD | あり/IPS あり/OLED |
― sRGB 100% |
250nit 400nit |
コントラスト比 | 色域 | 視野角 | その他 |
1000:1 | sRGB 100% | 178° | Dolby Vision |
ディスプレイは2種類あり、はっきり言ってIPS液晶モデルは低価格PCに搭載される様なスペックです。なぜEnvyにこんなものを採用したか分かりませんが、私だったら絶対に選びません。
250ニトって、暗いですよ~。夜しか使わない人ならいいですが、明るい昼間だったら暗くて見にくいと思うときがあります。
もう一つのOLED液晶モデルは「まとも」なスペックで、屋内でも屋外でも使いやすいです。輝度が400ニトもあるので、明るいカフェや、直射日光が当たるオフィスでも見やすいです。
広色域のsRGB 100%なので、標準的なディスプレイ(NTSC 45%)よりも鮮やかで見やすいです。また、OLEDなので真っ黒な「黒」を表現でき、コントラスト比も高く、全然きれいな描写になります。
また、IMAX Enhancedに対応しており、「圧倒的な映像美とダイナミックなサウンド、そしてIMAX特有の壮大なスケール。まるで劇場にいるかのような、没入型エンターテインメント体験を提供します」とのことです。
IMAXを有効化するには、設定→システム→ディスプレイ→「明るさを100%に」、「夜間ランプをOFF」、「HDR 使用をオン」にすると完了です。
こちらにオーディオの設定なども載っているので、読んでみてください。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリはLPDDR4X-4266MHzで、オンボード16GBになります。大容量なので、特に困ることはないと思います。
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
ストレージは高速データ転送速度があるM.2 SSDで、最大1TBになります。パソコンの起動は10秒ほどと、高速です!
Wi-Fi 6Eに対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6Eに対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができるのですが、執筆時現在の日本では6GHz帯はまだないので使えません。最大で5GHz帯になります。
バッテリー駆動時間
最大バッテリー駆動時間は、Ryzen 5モデルが12時間半、Ryzen 7モデルが13時間半になります。
Envyは上位モデルですが、そこまでバッテリー駆動時間は長くないですね。とは言え、半日くらいなら十分作業もできるので、ACアダプタを持ち運ばなくてもよい人もいると思います。
急速充電(30分で50%充電)に対応しているので、外出前や、外出の合間にサクッと充電できます。
インターフェイス
インターフェイスは普通で、価格なりのスペックとポート数です。低価格モデルはデータ転送速度が5Gbpsがほとんどですが、本機は10Gbpsなのでそれなりに使いやすいです。
右側面にはUSB Type-C(10Gbps、Power Delivery、DisPlayport 1.4対応)が2つ、HDMI 2.1、そしてUSB-A(10Gbps)になります。
左側面にはUSB-A(10Gbps)、ヘッドフォン/マイクジャック、SDカードリーダーになります。
サポート・保証
HPでは「1年間の使い方サポート」と「1年間の引き取り修理保証」が標準でついています。
パソコンに同梱される「パソコン入門書」を見ながら設定や使い方を見ることが出来、分からない場合は電話でサポートを受けることが出来るので、安心して購入できます。
保証は最長3年まで延長でき、引き取り修理じゃなく出張修理もあります。
- 引き取り修理・・・指定業者がパソコンを引き取りに来て修理工場に配送、修理後配達される(期間内はパーツ代や配送代など無料)
- 出張修理・・・家や事務所に来て現場で修理。期間内は交換パーツ代など無料
ライバル機種
ThinkPad E16 Gen 1 AMD
全体的なスペックは中の上と、この価格にしては高めで、メモリやストレージの増設もできるので、安くスペックアップができます。画面アスペクト比が16:10と縦に長いので17インチ並みの情報が表示され、より使いやすくなっています
CPU | Ryzen 3 7330U Ryzen 5 7530U Ryzen 7 7730U |
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メモリ | 最大24GB |
ストレージ | SSD×2 |
ディスプレイ(16型) | WUXGA/WQXGA IPS タッチあり |
通信 | Wi-Fi 6/6E、1ギガビットイーサネット |
生体認証 | 指紋センサー/顔認証(オプション) |
WEBカメラ | FHD、FHD+IRカメラ |
重さ | 1.77㎏~ |
バッテリー | 最大約20.7時間 |
価格 | 7.9万円~ |
Yoga 7 Gen 8 AMD
Ryzen 7000シリーズ搭載で、メモリやSSDも最新スペック、そしてディスプレイがハイスペックのクリエイターPCです。画面比16:10と縦に長く、WUXGAでも2.8KでもOLED液晶、DCI-P3 100%と業務用としても使えるほどです
CPU | Ryzen 5 7535U Ryzen 7 7735U |
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メモリ | 16GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
ディスプレイ(14型) | WUXGA/2.8K OLED |
無線 | Wi-Fi 6E |
生体認証 | 顔認証 |
WEBカメラ | IR&FHDカメラ |
重さ | 約1.49㎏ |
バッテリー | 最大約14.4時間 |
付属 | Lenovoデジタルペン |
価格 | 12.3万円~ |
まとめ
良い点
・最新のRyzen 7000シリーズが搭載
・WEBカメラが高画質
・Wi-Fi 6E対応
・コンパクトな筐体
残念な点
・IPS液晶モデル(Ryzen 5モデル)は、残念なディスプレイスペック
・この価格のPCにしてはバッテリー駆動時間が短め
総合評価
ミドルスペックのノートパソコンで、Ryzen 5モデルはディスプレイの質が高くなく、あの「Envy」にしては物足りな結果になりました。
最新スペックは満載じゃないですが、中の上のスペックになっており、今までハイエンドモデルを使ったことがない人であれば、特に不満も出ないと思います。
ただし、個人的には「PremiumモデルのEnvy」にしては、Ryzen 5モデルのディスプレイはすごく残念だなと思います。