第11世代CPU搭載機種が増えてきましたが、Evoプラットフォーム認証を受けた機種はまだまだ数が少ないですよね。本機種はEvo認証を受けた機種で「一段上の性能」を持った機種になり、Thunderbolt 4が2つも搭載し、WiFi6にLTEモデルもあり、無線環境も抜群です。
14型で1.13㎏と軽いので、外出先でも凝った仕事をする人におすすめです。
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EliteBook 840 Aero G8のスペックレビュー
CPU | Intel core i5-1135G7 Intel core i7-1165G7 |
---|---|
メモリ | 最大64GB(販売は16GBまで) |
ストレージ | SSD 最大512GB |
グラフィックス | Iris Xe |
ディスプレイ | 14型 FHD UWVA液晶 400nit、Sure Viewモデルあり |
OS | Wndows 10 Pro |
無線 | WiFi6、Bluetooth 5、4G LTE |
オーディオ | Bang &Olufsen、デュアルマイク、デュアルスピーカー |
生体認証 | IRカメラ、指紋センサー |
Microsoft Office | 搭載可能 |
セキュリティ | HP Sure sense、Sure Click、BIOSphere Gen 6、TPMなど |
寸法 | 322.5x215x17.9㎜ |
重さ | 1.13㎏~ |
バッテリー | 20.7時間 |
保証 | 1年間 |
価格 | 18.7万円~ |
CPUは最新のインテル第11世代CPU搭載で、Evoプラットフォーム認証を受けた機種になります。Evoの詳細は後述していますが、とにかく快適に使える機種に与えられる認証です。また、CPUはCore i5からで、内蔵グラフィックス最高性能のIris Xeが搭載です。Officeワークや複数画面を使ったり、または画像・動画編集もやりやすくなっています。
販売されている搭載メモリは最大16GBですが、メモリスロットが2つあるので最大64GBまで増設できます。大きなメモリが必要と言う人にも対応できますね。
ストレージはもちろん、M.2 PCIe NVMeで、データ転送速度が速くパソコンの起動も爆速です。
ディスプレイは高解像度のFHDで、視野角が広いUWVA、輝度も高めの400nit 、もしくはSure Viewモデルは1000nitとなっています。日中の明るい場所でも問題なく作業ができますね。
他にも指紋センサーに顔認証もあるので、指でも顔でも一瞬でサインインができます。外出先ではマスクをすることが多いこの時期、顔認証が使えないことが多いので、指紋センサーも搭載しているのは助かります。
また、14型でたったの1.13㎏と激軽で持ち運びも楽にでき、バッテリー駆動時間が最大20.7時間と長いので、丸一日使えると思います。
前モデルと比較
旧モデルのEliteBook 840 G6との比較です。ちなみに840 G6は海外で主に販売されていたみたいで、日本ではほとんど見かけないです。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | 840 G6 | |
CPU | 第11世代インテル | 第7世代インテル |
メモリ | 64GB | 32GB |
ストレージ | SSD 512GB | SSD 512GB |
ディスプレイ | FHD | FHD、UHD |
無線 | WiFi6、4G LTE | WiFi5、4G LTE |
バッテリー | 20.7時間 | – |
重量 | 1.13㎏ | 1.48㎏ |
価格 | 18.7万円~ | 販売終了 |
旧モデルは2019年販売ですが第7世代CPU搭載で、1.48㎏と重ためですね。本機種は最新の11世代CPU搭載でWiFi6にも対応、そして1.13㎏とかなり軽くなっています。
また、ベゼル(画面の黒い枠)がかなり細くなり、画面占有率は85%です!ベゼル上部は34%、左右のベゼルは19%、下部のベゼルは29%それぞれ削減されています。
見た目もおしゃれになりましたね。
ライバル機種
本機種と似たような最新ビジネスモデルとの比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの方は表を右にスクロールできます)
本機種 | ThinkPad X1 Carbon Gen 9 | HP DragonFly G2 | |
CPU | Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
Core i5-1135G7/1145G7 Core i7-1165G7/1185G7 |
Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
メモリ | 64GB | 32GB | 16GB |
ストレージ | SSD 512GB | SSD 2TB | SSD 512GB SSD 2TB(WiFiモデル) |
グラフィックス | Iris Xe | Iris Xe | Iris Xe |
ディスプレイ | FHD 画面比16:9 |
FHD、UHD相当 画面比16:10 |
FHD 画面比16:9 |
無線 | WiFi6、4G LTE | WiFi6、4G/5G LTE | WiFi6、4G/5G LTE |
バッテリー | 20.7時間 | 26時間 | 16.45時間 |
重量 | 1.13㎏~ | 1.13㎏~ | 989g~ |
価格 | 18.7万円~ | 17.2万円~ | 23.6万円~(LTEモデル) |
Evo認証 | 〇 | 〇 | 〇 |
本機種はHPのビジネスモデルではDragonFlyに次ぐ2番目に軽い機種で、メモリの最大容量が大きいので、大きなデータを扱う人には使いやすいです。
ThinkPadは最大メモリ容量が32GBですが、ストレージは大きく、5G LTEも搭載可能です。筐体が黒なので、シルバーじゃなくても良いという人は、検討に値します。
DragonFlyはかなり軽いです。1㎏切る機種でバッテリー駆動時間が16時間以上とすごいですね。ただし、その分価格も若干高めに設定されています。
メリット・デメリット
メリット
・マグネシウム素材で軽い(アルミニウムより30%ほど軽くて丈夫)
・ディスプレイが明るい
・Evoプラットフォームで性能が高い
・LTEもあり
・顔認証と指紋センサーでサインインが簡単
・Thunderbolt 4が2つも搭載!
・探し物トラッカーの「Tile」内蔵
・セキュリティが半端ない!
デメリット・ストレージが最大512GB
・販売機種のメモリは最大16GBで、大きくするには自分で増設しなくちゃいけない
EliteBook 840 G8の特徴
本機種はベゼル(画面の黒い枠)も細く、見た目もおしゃれですね。以前はずんぐりむっくりした筐体が多かったのですが、2021年より「見た目も洗練されたビジネスモデル」を販売するようになりました。
寸法は幅322.5㎜、奥行き215㎜、高さ17.9㎜で、大学ノートA4サイズ(297㎜x210㎜)と比べると、幅+2.55㎝、奥行き0.5㎝とほぼ同じサイズなので、カバンにもすっぽり入りやすいです。
高さは17.9㎜と、一円玉(直径20㎜)より若干小さいくらいで、重さが1.13㎏と軽量です!今までのビジネスモデルと比べても最軽量の部類で、先述したようにDragonflyに次ぐ軽さです。
HPの14型ビジネスモデルの重量の比較です。
・Dragonfly G2・・・989g~
・本機種・・・1.13㎏~
・Elite x2 G4・・・1.198㎏(キーボード装着時)
・EliteBook x360 1040 G7・・・1.34㎏
・EliteBok 850 G7・・・1.7㎏~
最近の上位モデルにはマグネシウム素材が使用されることが多くなっており、本機種もオールメタル筐体のマグネシウムボディです。軽くて丈夫、そしてリサイクルもしやすいという特徴があり、HPのモットーである「サステナブルな企業を目指して」にも沿った素材ですね。
角が付いた特徴的なエッジで、ここ最近の丸みを帯びたエッジとは違った印象になりますね。
Evoプラットフォーム認証
EVOプラットフォームとは第11世代のCPUを搭載しているからと言って、全ての機種がEVO認証を得ているわけではありません。下記に当てはまる「より快適に使える機種」にのみ、Evo認証が与えられています。
- Iris Xeグラフィックス搭載の第11世代CPU搭載機種
- アプリケーションを高速かつ高レスポンスで使える
- AI推論も高速で使える
- 電源を問わずにレスポンスが良い事
- 9時間以上のバッテリー駆動時間
- フルHD以上
- 1秒以内でスリープから復帰
- 30分の充電で4時間駆動
- WiFi6対応
- Thunderbolt 4搭載
- ノートパソコンであること
Evo認証の機種は「特別な機種」で、数も多くありません。
耐久性
HPのビジネスモデルは12万時間を超える耐久性テストを行っており、これに加えて米軍の物資調達規格であるMILスペックに準拠したテスト(落下・衝撃、振動、粉塵、温度湿度変化などのテスト)も行っています。
安心して使える機種です。
オーディオ・マイク
オーディオにはデンマークの老舗高級オーディオメーカーのBang & Olufsenが採用され、スピーカーが2つ、そしてマイクも2つ内蔵されています。360度全方位マイクを搭載しているので、ビデオ会議などでノートパソコンを囲むように座っても、全員の声がクリアに相手に伝わりやすいです。
キーボード
本機種にはクリックホール(ポイントスティック)というカーソルを動かしたり、ページをスクロールできます。慣れが必要ですが、使いやすいですね。
また、物理ボタンもあるので、マウスを使っているときと同じように操作できます。
キーボードは防滴機能付きで、バックライト、指紋センサーもあります。
CPU
Core i7-1165G7 | Core i5-1135G7 | |
製造プロセス | 10nm SuperFin |
10nm SuperFin |
---|---|---|
コア/スレッド | 4/8 | 4/8 |
キャッシュ | 12MB | 8MB |
グラフィックス | Iris Xe | Iris Xe |
基本クロック | 2.8GHz | 2.4GHz |
ブーストクロック | 4.7GHz | 4.2GHz |
TDP | ~28W | ~28W |
こちらはCPUの性能を測るPassmarkスコアです。数値は目安としてご覧ください。
Passmarkスコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
↓グラフをタップすると数値が表示されます↓
[visualizer id=”17405″ lazy=”no” class=””]さすがに第11世代CPUなので、かなり高い性能ですね。Core i5でも1万オーバーで、ゲーミングPCやワークステーションに搭載されるCore i7-10750Hに迫る性能です。
こちらはCinebench R20のスコアで、シングルコア性能とマルチコア性能を数値化したものです。
[visualizer id=”17407″ lazy=”no” class=””]マルチコアは、さすがに6コア12スレッドのCore i7-10750Hに負けますが、シングルコア性能がかなり高くなっています。マルチコア性能も10世代に比べると最大で50%ほど上がっていますね。
グラフィックス
グラフィックスには内蔵グラフィックス最高峰の性能がある、Iris Xeが搭載です。グラフはVideomark Benchmarksのスコアで、NVIDIA GeForce GTX 660並みの性能になっています。
[visualizer id=”17213″ lazy=”no” class=””]グラフィック性能が高いとOfficeも使いやすいし、複数画面などにしても動きが軽快ですね。
ディスプレイ
右にスライドできます↓
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 |
FHD 1920×1080 |
なし | UWVA | 400nit |
FHD/HP Sure View 1920×1080 |
なし | UWVA | 1000nit |
HD | ハイディフィニション、低解像度で安い機種に使用される |
---|---|
FHD | フル・ハイディフィニション、一般的な画質 |
光沢 | 光沢ありは発色が良い反面、自分や背景が映り込みしやすい。光沢無しは映り込みがしにくい |
UWVA | ウルトラ・ワイド・ビュー・アングル(Ultra Wide View Angle)で、視野角が広く上下左右どこから見ても色の変化が少ない |
nit | 明るさを表す単位。通常250nitが標準 |
Sure View | 覗き込みを防止できる機能 |
ディスプレイが高画質のフルHDディスプレイで、輝度も高く視野角も広い液晶が搭載です。ディスプレイの一つは輝度が400nitと高く、日中の日が当たる場所でも見やすいほど明るいです。
Sure View搭載のディスプレイは1000nitとかなり高いですが、Sure View搭載なので1000nitと思うほど明るい感じはしません。ただし、明るいことには間違いないです。
HP Sure Viewとは覗き込みを防止する機能で、輝度と視野角を低くして横から見えないようにできます。カフェなどの多くの人がいる場所で使用すると、情報漏洩のリスクも減ります。
Webカメラに顔認証用のIRカメラも搭載、物理シャッターも搭載しているので、Web会議の離席中やカメラを使用していないときにシャッターを閉じておくと、プライバシーも守られます。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリはDDR4-3200MHzで、動作周波数(MHz)は最速モデルです。動作周波数が高いとデータ処理速度が上がるので、よりサクサク快適に使えます。
販売されているモデルは最大メモリ16GBですが、メモリスロットが2つあり、最大64GBまで増設可能です。
ストレージ
SSD(PCIe) | SSD(SATA) | HDD(本機種非搭載) | |
最大データ転送速度 | 最大16Gbps~32Gbps | 最大6Gbps | 最大6Gbps(SATAの場合) |
平均起動時間 | 10秒~15秒 | 15秒前後 | 30秒~2分(新品の場合) |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい |
価格 | 高い | 中価格 | 安い |
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
本機種搭載のストレージはM.2 PCIe NVMeで、データ移動もパソコンの起動も速いタイプが搭載しています。快適に使えますね。
セキュリティ
HPのビジネスノートは「世界で最も安全なビジネスPC」と言っており、HP独自のセキュリティが豊富に搭載しています。以下、一部ですが主なものをご紹介します。
- HP Sure Sense・・・ディープラーニングを活用したリアルタイム検知機能があり、悪意のあるファイルを検出し、マルウェア、ゼロディ攻撃、ランサムウェアなどからPCを守るセキュリティ機能
- HP BIOSphere Gen6・・・ウイルスやマルウェアによる不正なBIOSの書き換えや、破損からシステムを保護
- HP Sure Click・・・Web閲覧のセキュリティ強化で、タブを閉じるだけでマルウェアが消滅する
- HP Sure Start Gen6・・・自動復旧機能で攻撃を受けても自動でリカバリ
- HP Sure Run Gen 4・・・ウイルス対策ソフトやOSのセキュリティ機能をOFFにさせない
- HP Sure Recover Gen4・・・OSがウイルスに感染した場合でも、正常な状態に自動リカバー
- HP Client Security Maneger Gen 7・・・パスワード関係などのセキュリティ機能
- HP Secure Erase・・・BIOSの中のSecure Eraseを使って内蔵ドライブのデータを完全に削除することが出来る
- セキュリティナノロックケーブル用スロット・・・盗難や持ち運び防止用のセキュリティワイヤーを使うスロット
- TPM・・・独立して機能するチップで、パスワードなどの重要情報を格納できる
- Windows Defender・・・Windows搭載のセキュリティ機能で、マルウェアなどのウイルスからパソコンを守ってくれる
また、本機種には「セキュリティ」ではないですが、Tile(簡単に言うと忘れ物防止タグ)を搭載しており、置きどこ忘れや紛失した場合でも、本体を探しやすくなります。
WiFi6
次世代通信規格のWiFi6に対応しており、現在主流のWiFi5より約40%最大通信速度が上がっています。今まで5GHzにしか対応していなかった周波数が、2.4GHzと5GHzと2バンドに対応しており、また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、カフェなどの混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
LTE
LTEは4GのIntel XMM 7360 LTE-Advancedが搭載で、大手3社の重要バンドすべてに対応しています。
重要バンド
- docomo・・・1,3,19,21
- au・・・1,18
- softbank・・・1,3,8
通信速度は受信(下り)最大450Mbpsで、送信(上り)50Mbpsと結構速いです。
LTE用の格安SIMなら、大手のIIJmioがおすすめですよ。
インターフェイス
右側面インターフェイスにはnano SIMトレー、Thunderbolt 4が2つ、HDMI、電源コネクタがあります。
左側面インターフェイスは、ナノセキュリティロックケーブル用スロット、USB-A 3.1 Gen 1(転送速度5Gbps)が2つ、マイク/ヘッドフォンジャックがあります。
Thunderbolt 4は新しい規格で、このような特徴があります。
- Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き(充電可能)
- 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
- PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000Mbps
- 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
- 8K出力にも対応
- USB4.0規格に準拠
サポート・保証
Eliteシリーズは「Elite Premium Support」という一つ上の手厚いサポートがあり、受付時間は平日朝8時~夜9時、土曜日は朝8時から夕方5時半までで、1つの窓口で解決してくれます。たらいまわしがないので、スピーディーだし安心です。また、サポートは日本国内で行われています。
修理保証は1年間取り修理で、HP指定業者が自宅や会社にPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれます。最長5年まで延長でき、保証期間内はパーツ代や輸送費は無料です。
オンサイト修理という「エンジニアが指定住所に来て修理」をする保証にアップグレードでき、こちらも最長5年まで延長できます。
まとめ
HPビジネスノートではDragonflyに次ぐ軽さで、マグネシウム素材を使用しており洗練された見た目になっています。
スペック的にも申し分なく、ビジネス用途でもがっつり使え、全方位マイク搭載でWeb会議が多い昨今にも安心して使えます。
HPのビジネスノートが人気なのはスペックと言うよりも、手厚いサポートに堅牢なセキュリティだと思います。これだけHP独自のセキュリティが搭載しているので、個人としても法人としても安心ですね。