HPの上位モデルで、HPビジネスで一番軽いんじゃないかな?990グラムのEliteBook 635 Aero G11のレビューです。
とにかく軽い機種で、持ち運びに便利です。
また、画面アスペクト比が16:10と縦に長く、13.3インチでも14インチ以上の情報が表示されるので、今まで13.3インチは見にくいと敬遠していた人にも合うと思います。
レビュー機はメーカーからお借りしており、スペックはRyzen 5 8640U、16GB LPDDR5、SSD PCIe 4.0 1TBになります。
Contents
パソコンガイド専用割引クーポン
・個人向けモデル13.2万円(税込)以上の機種を購入で7%OFF
・法人向けモデル7.7万円(税込)以上の機種を購入で4%OFF
[広告]【提供:株式会社日本HP】
HP EliteBook 635 Aero G11のスペック
CPU | Ryzen 5 8640U Ryzen 7 8840U |
---|---|
メモリ | LPDDR5 16GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(13.3型) | WUXGA 400ニト |
OS | Windows 11 Home/Pro |
無線 | Wi-Fi 6/6E |
生体認証 | 顔認証 |
WEBカメラ | 5MP、IRカメラ |
オーディオ | Poly Studio |
寸法(幅×奥行×高さ) | 297.3 x 211.2 x 15.1mm |
重さ | 990g~ |
バッテリー(JEITA 3.0) | 最大約8.2時間 |
標準保証 | HP Elite Premium1年間 |
価格 | 14.1万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUはRyzen 8000Uシリーズで、NPUを搭載しているのでAIの処理能力は高く、全体的なパフォーマンスが高くなっています。
メモリの周波数は不明ですがLPDDR5のオンボードで16GB、ストレージは速度を見る限りPCIe 3.0で、最大1TBになります。どちらも増設できませんが、容量は大きいので安心です。
ディスプレイは画面アスペクト比が16:10の13.3インチで、14インチ並みの情報が表示されます。より多くの情報を見て取れるので、作業効率も上がります。輝度は400ニトと高いので、屋外でも使いやすいです。
その他のスペックは、OSはWindows 11 HomeかProでLANはWi-Fi 6か6Eに対応、イーサネットはありません。Wi-Fiはデフォルトで6ですが、購入時にカスタマイズからWi-Fi 6Eにアップグレードできます。
Webカメラは500万画素と高解像度で、顔認証もあるのでサインインは一瞬です。
コンパクトなボディで厚さはたったの15.1ミリと薄く、最軽量モデルは990グラムとめちゃくちゃ軽いです。1㎏を切ると羽のように軽いです。
インターフェイスは13.3インチの軽量PCにしては多く、USB Type-C 3.2 Gen 2が2つあり、USB-Aも2つ、そしてHDMIに3.5ミリジャックと、インターフェイスは必要十分あります。据え置き兼外出用として使いやすい機種です。
また。1年間のPremiumサポート付きなので、万が一の時も安心です。
ただし、HPのビジネスPCと言えばHP Wolf Securityが有名ですが、本機には一切の記載がありません。ElitebookでWolf Securityがないのは珍しいですね。
プレミアムサポート
HP ElitebookのElite Premiumサポートは、電話・チャット、メール・LINEなどでやっており、対応時間は月-金8:00-21:00、土8:00-17:30になります。一番うれしいのは、電話した時に「その件でしたらこちらの部署におかけ直しください」と言う定番の文句が出てこないことですね。たらいまわしを回避し、1つの窓口で対応してくれます。また、サポートは国内になります。
保証は1年間引き取り修理が付いており、最長4年に延長ができます。また、オンサイト修理という保証にもアップグレードできます。
- 引き取り修理・・・指定業者がパソコンを引き取りに来て修理工場に配送、修理後配達される(期間内はパーツ代や配送代など無料)
- 出張修理/オンサイト修理・・・家や事務所に来てその場で修理。期間内は交換パーツ代など無料
- アクシデントサポート・・・標準保証ではカバーされない水濡れや落下破損、盗難などに対応
保守拠点は国内に420か所以上あるので、修理も速いです。
また、他にも有料サポートが多くあるので、公式サイトを確認してみてください。
MILスペックに準拠
本機はHP独自のテストに加え、米軍の物資調達企画であるMIL-STD 810Hの19項目に適合と堅牢性の高い機種です。
また、最大荷重は350kgfと高く、満員電車での圧迫などでも安心して持ち運べます。
めちゃくちゃ軽い
これ、本当に軽いんです。軽さは正義ってくらい使いやすいです。
数日くらいは、持ち上げるたびに「軽っ」って驚くかもしれません。
公称値は990グラムでしたが、実際に測ると970グラムでした。いや~、軽いですよこれ。
フリスビーみたいに投げたくなるくらい軽いし薄いです(笑)。
昔使ってたiPhone 7(厚さ7.1ミリ)と並べて撮影しました。iPhone2個分って感じです。
本機の幅は297,3ミリ、奥行き211.2ミリ、厚さ15.1ミリとコンパクトで、A4サイズ(210×297ミリ)とほぼ同じですね。
左右のベゼルは4.8ミリと今まで計測したPCの中でTOP 3に入る細さ、上は11.5ミリと普通でした。下ベゼルは細すぎて測りにくいので計測してないですが、めちゃくちゃ細いです。
そういえば、Made in TOKYOのステッカーがありました。実を言うと、2024年後半くらいから公式サイトでMade in Tokyoを宣伝しなくなってきた感じだったので「コストがかかるからやめたのかな?」と思ってましたが、まだまだ東京生産モデルがあるようです。うれしいですね。
ちなみに同じ機種でも海外生産と東京生産モデルがあり、「Made in Tokyo」や「東京生産モデル」と書かれたもの以外は海外生産になります。
ベゼルが細いとすっきりして引き締まった外観になります。メタル素材を採用し、質感も高くしっかりと作られている持ち心地です。
シンプルな天板で、HPのロゴがかっこいいですね。
ラウンドエッジの筐体で、これ、ユニボディじゃないでしょうか?レビューをしているときは気づきませんでしたが、恐らくそうです。
ユニボディは継ぎ接ぎのない1つのパーツから作られた筐体で、たわみに強く耐久性も高いです。
危うく見逃すところでしたが、背面のヒンジ部分に「ELITEBOOK」のロゴがあります。上位モデルにのみ見られる仕様です。
ディスプレイは180度開かずに、上の写真くらい開きます。135度くらいですね。床や階段などデスク以外のところに座って使うことがある人は、使いにくい場面も出てくるかもしれません。
充電ポートは右側面真ん中寄りにあるので、右利きでマウスを使う人は手に当たって邪魔になるときがあります。
リフトアップヒンジでちょっとだけタイピングがしやすい
リフトアップヒンジはディスプレイ下部が下に当たりキーボードを持ち上げるので、キーボードに傾斜が付き少しタイピングがしやすくなります。
ディスプレイ/天板と机の接地部分に小さなゴム足が2つついているので、机やPCを傷つけることはありません。
キーボードは防滴機能とバックライト付きで、主要キーは大きく均一な大きさなのでタイピングがしやすいです。ただし一番下のキーは細長くなっており、カーソルキーが小さい、そして「PG UP/DN」キーがあります。
これはですね、触るとページがジャンプしまくるんですよ。
例えば、レビュー記事を書いているときにカーソル押したと思ったらPG UPに指が当たり、「えっ?これどこに移動した?」なんてことがあります。
で、これレジストリで無効化できるんですが、基本的にレジストリって触んない方がいいので、PCに詳しい人以外は他の方法を探した方がいいと思います。
ちなみにあんまり見せたくないですが、私のメインPCにもこれがついててどうやっても無効化できなかったんですよ。
それで、こうしました↓。力技です(笑)キーを外したんです。
ただし、ミスタイプしない人には関係ありません。
話がそれたので戻ります。
キーピッチ(キーの中心から次のキーの中心までの距離)は実測18.8×18.7㎜で、ほぼフルサイズ。また、キーストローク(キーを押し込む距離)は1.1㎜と浅いので軽いタイピングだと合います。
打鍵感はそんなにないですが、普通のキーボードです。
Ryzen AI搭載のRyzen 8000シリーズ
Ryzen 5 8640U | Ryzen 7 8840U | |
製造プロセス | 4nm | |
アーキテクチャ | Zen4 | Zen 4 |
コア | 6 | 8 |
スレッド | 12 | 16 |
L3キャッシュ | 16MB | 16MB |
ベースクロック | 3.5GHz | 3.3GHz |
ブーストクロック | 4.9GHz | 5.1GHz |
GPUコア | 8 | 12 |
Ryzen AI | 16 TOPS | 16 TOPS |
TDP | 28W | 28W |
アーキテクチャはZen 4になり、主な特徴はこちらです。
・Zen 3の改良版
・L2キャッシュ増量
・ディープラーニング性能の向上
・Zen 3に比べIPCが約14%アップ
また、AI専用のプロセッサーであるNPUを搭載し、最大16 TOPS(1秒間に16兆回の演算処理が可能)の性能があります。
Windows Studioエフェクト使えたり、対応アプリがあれば作業がちょっと楽になります。
以下にてベンチマークをご紹介しますが、スコアはすべてRyzen 5 8640Uになります。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアで、計測スコアは21279でした。Core Ultra 5 125Hよりちょっと良いスコアで、省電力のUシリーズなのに良い性能ですね。
他のCPUとの比較です。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ビジネス用途でもがっつり使える
- 18000~・ゲーミングPCなどのハイスペックPCに搭載される
- 20000~・専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Core Ultra 9 185H | |
Ryzen AI 9 365 | |
Ryzen 7 8845H | |
Core Ultra 7 165H | |
Ryzen 7 8840HS | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 7 155H | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 5 8640U | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 258V | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core i5-1335U | |
Core Ultra 5 135U | |
Core 5 120U | |
Core 7 150U | |
Core Ultra 7 165U | |
Core Ultra 7 155U |
Cinebench 2024のスコアで、Cinema 4DのデフォルトレンダリングエンジンであるRedshiftのパワーを利用して、CPUとGPUの能力を計測します。計測結果はマルチコア548、シングルコア96と、マルチコア性能は上位モデルのCore Ultra 7 258VやRyzen 5 8640HSとほぼ同じスコアでした。
他のCPUとの比較です。
マルチコア性能
オレンジ/本機 青/その他 赤/別機種
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 375 | |
Ryzen AI 9 365 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 7 8845HS | |
Apple M1 Max | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 8640U | |
Apple M1 | |
Core i7-1280P |
シングルコア性能
オレンジ/本機 青/その他 赤/別機種
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Ryzen AI 9 HX 375 | |
Ryzen AI 9 365 | |
Apple M1 Max | |
Apple M1 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Ryzen 3 8300GE | |
Ryzen 7 8845HS | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core i7-1280P |
Geekbench AIのONNXでCPUのAI性能を測りました。ONNXはOpen Neural Network eXchangeで、ディープラーニングや機械学習モデルのようなAIモデルの性能を計測します。
Single Precision(単精度)は2900とかなり高く、Half Precision(半精度)も1425と良いスコア、Quantized(量子化スコア)は4579と良いスコアでした。
Single Precision Score/単精度スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 375 | |
Ryzen 5 8640U | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 125U | |
Core i7-1260P | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 8640HS | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
Half Precision Score/半精度スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Ryzen AI 9 HX 375 | |
Ryzen 5 8640U | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
Quantized Score/量子化スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Ryzen AI 9 HX 375 | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 8640U | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
こちらはPCMark10の計測結果で、Essentialは「通常用途(Web検索やビデオ会議、アプリの起動など)の性能」、Productivityは「Microsoft Office(事務系のアプリ)使用時の性能」、Digital Content Creationは「コンテンツ作成(画像・動画編集など)のしやすさ」を表しています。
総合性能の目安は以下になります。
・9000以上・・・超ハイスペック(主にグラボ搭載機種)
・7500以上・・・ハイスペック
・5000以上・・・ミドルクラス
・2500以下・・・エントリ―クラス
本機種のスコアです。
- 総合性能は6422→ミドルクラス
- Essentialは10175→通常用途やビデオ会議などはかなり快適にでできる
- Productivityは9574→かなり快適に使える
- Digital content creationは7380→高い性能
Essential
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 375 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 7 7735HS | |
Ryzen 5 8640U | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core Ultra 7 155U | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 3 7335U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5500U |
Productivity
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 375 | |
Ryzen 5 8640U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 7 155U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 7735HS | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1235U |
Digital Content Creation
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 375 | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 7 7735HS | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 8640U | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 7 7735U | |
Core Ultra 7 155U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i5-1235U | |
Ryzen 3 5425U |
5分の4K動画を撮影し、Davinci Resolveでレンダリングにかかった時間です。当然ですが、時間が短いほうが高性能です。3回計測し平均は4分41秒と悪くないですが、速くもないです。
4K動画レンダリング速度
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
---|---|
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 5 8640U | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Ryzen AI 9 HX 375 | |
Core i7-14700+RTX 4060 | |
Ryzen AI 9 HX 370+RTX 4060 |
結果を見ると、高いCPU性能でマルチコア性能は上位モデルのRyzen 5 8640HS並みで、CPUのAI性能は結構高いです。
ビジネス用途でもサクサク使える性能があり、グラフィック性能も内蔵グラフィックスとしてはすごく良いのでSNS用の画像編集やショートムービー作成に向いています。
500万画素WEBカメラ
<画像左はプライバシーシャッターを閉じた状態>
Webカメラは超高画質の500万画素で、内蔵Webカメラとしては最高峰の品質です。一般的なPCにはHD解像度(約92万画素)、ビジネスPCにはFHD解像度(約200万画素)が搭載していますが、本機は倍以上の500万画素です。
Web会議やビデオ通話はもちろん、オンラインレッスンの講師など仕事で使う人にも使えます。
ズームするとよりわかりやすいですが、FHDよりもが高画質できれいな映りです。
音響関係はデュアルマイクに、デンマークの高級老舗オーディオメーカーのバング&オルフセンのスピーカーを2基搭載しています。
スピーカーが2つの割に音質も音量もそこそこ良いですが、ほんの少し音がこもった感じもします。Web会議や音楽鑑賞には全然問題なく使えます。
顔認証に対応しておりサインインは一瞬、そしてカメラシャッターもあるので、カメラを使わないときは閉じておくと安心です。
その他の特徴
ディスプレイ
ディスプレイは13.3インチのWUXGA(1920×1200ドット)と通常の画面アスペクト比の16:9よりも縦に長い16:10で、13.3インチでも14インチ並みの情報が表示されます。
ほぼ同じくらいの表示量がありますね。13.3インチとコンパクトですが今までの14インチ(16:9)と同じくらいの表示量があるので、14インチから乗り換える人も生産性は落ちません。
上の大きな写真が本機で、下の3つは左からNTSC 45%(低価格PCに採用)、sRGB 100%(画像・動画編集向き)、DCI-P3 100%(プロ向け映像編集向き)です。
本機の色域はかなり広く、DCI-P3 100%に近いです。企業でSNS広報を担当している人なんかにすごく合うディスプレイです。
こちらは黒をどれだけ描写できるかのテストで、有機ELディスプレイ並とは言いませんが、しっかりと黒を描写できています。メリハリのある描写が可能です。
最後は視野角のチェックです。液晶はUWVA(ウルトラ・ワイド・ビューイング・アングル)で名前の通り視野角が広く、どこから見ても四隅が暗くなったりせずにしっかりと見えます。
輝度は400ニトで、こちらは輝度の目安です。
220ニト | 室内ならなんとか使える。明るい室内では暗く見える |
---|---|
250ニト | 室内向け。 |
300ニト | 屋外の日陰でも見える(見やすいわけじゃない) |
400ニト | 屋外でも使いやすいが、直射日光が当たるとちょっと暗い |
500ニト | 屋外向け |
600ニト | 画面に直射日光が当たっても比較的見える |
そこそこ高めのグラフィックス性能
グラフィック性能が高いとOfficeを使った作業や複数画面での作業、そして画像・動画編集などがしやすくなります。3D Graphics Markのスコアは5727と、高い性能です。
3D Graphics Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen 7 8845HS | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 8640U | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 7 7735U | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core i7-1260P | |
Core i7-1355U | |
Core i5-1335U | |
Core i5-1340P | |
Ryzen 3 7335U |
次はゲームの3DMarkを使い、グラフィック性能を測ります。
Steel Nomad Lightは1845、Wild Lifeは11743、Fire Stikeは5663、そしてNight Raidは21418と全体的に高いスコアではないですが、そこそこのグラフィック性能です。
Steel Nomad Liteは、DirectX 12 Ultimateの性能をテストし、レイトレーシングを使用しない中量級ゲームを想定したベンチマークです。スマホなどの他のデバイスとスコアを比較できる、クロスプラットフォームです
Steel Nomad
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3050 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 Max-Q | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640U | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 7 7735U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Wild Life
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3050 Ti | |
---|---|
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 Ti | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
GTX 1650 Max-Q | |
Ryzen 7 8845HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 8640U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Fire Strike
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3050 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 | |
Core Ultra 5 125H | |
GTX 1650 Max-Q | |
Arc A350M | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 8640U | |
Ryzen 7 7735U | |
Core Ultra 5 125U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Night Raid
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 4050 | |
---|---|
RTX 3050 | |
RTX 3050 Ti | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 Ti | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640U | |
GTX 1650 Max-Q | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 7 7735U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
次はゲームのベンチマークで、ドラゴンクエスト10は7458で「とても快適」、FFXIV黄金のレガシーは4573で「普通」でした。2Dゲーム性能はそこそこ高いです。
排熱性能はあまり高くないがコンパクトな13.3インチなのでしょうがない
底面の通気口は大きく、メッシュ状なのでゴミやほこりが入りにくいようになっています。
筐体内部にはファンが一つと、ヒートパイプが一つ、そしてSSDにはメタルのヒートシンクがあります。最低限の排熱機構ですが、CPUが省電力モデルなのと、軽量化のためにこうなったと思います。
CPUの性能をフルで使うCinebench 2024と言うベンチマークを実行時の、CPUの温度推移図です。ベンチマークを回した瞬間に363度(摂氏90度)まで上がり、その後333度(60度)ほどまで落ちてまっすぐ移動しています。
また、先ほど紹介した4K動画のレンダリングを3回連続でした時に、2回目と3回目が1回目に比べ30秒以上遅れているので、熱を抑えるために性能が落ちていると思います(レンダリングは高負荷な作業なのでしょうがない)。
この時のPC表面温度は31.4度でした。問題ない温度です。
同じく、この時の騒音値は平均34dBと静かな方です。オフィスで高負荷な作業をしても、周りの人は気にならないと思います。
結果として、高負荷な作業を長時間すると性能が下がるが、中程度だと問題ない。ただし、高負荷時でもファンはうるさく無いです。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリは最新のLPDDR5で、オンボードメモリ16GBになります。メモリ性能を測るMemory Markの結果は2643と、LPDDR5にしては遅かったです。
その他のメモリとの比較です。
Memory Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
LPDDR5X平均 | |
---|---|
DDR5平均 | |
LPDDR5平均 | |
本機種LPDDR5 | |
LPDDR4X-4266MHz平均 | |
DDR4-3200MHz平均 |
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
搭載ストレージはSSD 1TBで、シーケンシャル速度を計測したら、リード(読み込み速度)は3673MB/秒、ライト(書き込み速度)は3052MB/秒とライトは速いですが、リードは普通でした。
起動時間を計測しました。普通に速いです。
1回目 | 17秒 |
---|---|
2回目 | 14秒 |
3回目 | 14秒 |
4回目 | 15秒 |
5回目 | 14秒 |
平均 | 14.8秒 |
Wi-Fi 6/6Eに対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
インテルWireless-AC 9560 2×2(Wi-Fi 5) | 2.4/5GHz | 1.7Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6/6Eに対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができるのですが、執筆時現在の日本では6GHz帯はまだないので使えません。最大で5GHz帯になります。
Wi-Fiはデフォルトで6ですが、購入時にカスタマイズからWi-Fi 6Eにアップグレードできます。
バッテリー駆動時間
バッテリーは3セル・43Whrで、JEITA 3.0測定で約8.2時間の動画再生時間とあまり長くないです。
丸1日通して使う場合はどこかで充電が必要ですが、急速充電に対応しており、30分で最大50%の充電が可能です。
インターフェイス
コンパクトで軽量ですが、インターフェイスは十分にあります。ただし、充電ポートが右側面の真ん中あたりにあるので、マウスを使うと当たる可能性があります。
右側面は充電兼用のUSB Type-C 3.2 Gen 2(データ転送速度10Gbps)が2つ、HDMI、USB Type-A 10Gbpsが1つになります。
左側面はUSB Type-A 5Gbpsとマイク/ヘッドフォンジャックです。
ライバル機種
HP Pavilion Aero 13-bg
HP個人向けPCの最軽量機種です。本機Elitebook Aero 635 G11にはビジネスPCの目玉である「HP Wolf Security」がないので、個人向けでもいいかもしれません。
Ryzen AI搭載のRyzen 8000シリーズを搭載し、カメラは500万画素と超高画質です。13.3インチで画面比が16:10と縦に長く14インチ並みの情報が表示されるので、小型でも作業効率が高いです。また、990gと軽量で、毎日の持ち運びが便利になります
APU | Ryzen 5 8640U Ryzen 7 8840U |
---|---|
メモリ | LPDDR5x-6400 16GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
グラフィックス | Radeonグラフィックス |
ディスプレイ(13.3型) | WUXGA IPS 400nit sRGB 100% |
無線 | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3 |
カメラ | 500万画素+IRカメラ |
生体認証 | 顔認証 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 297 × 211 × 16.5㎜-17.4㎜ |
重さ | 990g |
バッテリー | 11.5時間 |
価格 | 12.5万円~ |
Lenovo ThinkBook 13x Gen 4
第14世代搭載のクリエイターPCで、最大でCore Ultra 9+メモリ32GBとハイスペックです。2.8K解像度にsRGB 100%の高色域、顔認証や指紋センサーと快適に使えるスペックです。エッジ トゥ エッジデザインでキーボードが筐体の端から端まで広がっているので、コンパクトな筐体ですが十分なキーピッチがありタイピングがしやすいです。1.17㎏と軽く、バッテリー駆動時間は最大約12.1時間と丸一日使えます
CPU | Core Ultra 5 125H Core Ultra 9 185H |
---|---|
メモリ | LPDDR5X 最大32GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
ディスプレイ(13.5型) | 2.8K(2880×1920) IPS液晶 タッチあり |
無線 | Wi-Fi 6E |
その他 | FHD+IRカメラ、指紋センサー、顔認証、Dolby Atmos |
寸法(幅×奥行×高さ) | 292.9 × 205 × 12.9㎜ |
重さ | 1.17㎏ |
バッテリー(JEITA 3.0) | 最大約12.1時間 |
価格 | 15.9万円~ |
まとめ
良い点
・Made in Tokyo
・めちゃくちゃ軽いので持ち運びしやすい
・メタルボディでMILスペックもパスした堅牢性あり
・NPU搭載CPUでAI処理が速くなる
・画面比が16:10で、13.3型でも14型並みの情報が表示される
・ディスプレイの色域が広かった
・メモリが最新のLPDDR5
・WEBカメラが500万画素と高性能高機能
・顔認証あり
残念な点
・HP Wolf Securityがない
・充電ポートの場所が微妙
・キーボードのPG UP/DNが必要ない人も多いと思う
・コンパクトPCなのでレンダリングなどの高負荷な作業を長時間するのには向かない
総合評価
これだけ軽いので、持ち運びがすっごく便利です。
手提げタイプのバッグにPCを入れて持ち歩く人なんかは、特に移動がしやすくなります。しかもMILスペックのテストをパスし、最大荷重は350kgfと高いので安心して持ち運びができます。
コンパクトPCなのでちょっと熱がこもりやすいかもしれませんが、本機でレンダリングなどの高負荷なことを長時間する人もあまりいないと思うので、心配無用かもしれません。
全体的な性能は高めで、ディスプレイも色鮮やかで高めのスペックなので、SNS用のMovieや画像を作るような人にも合うと思います。
Author
・パソコンガイドメインライターの本田。PCやタブレット、その他ガジェットが好きで、年間2~30台ほどのPCとモニターや周辺機器を購入するマニア
・元ミュージシャン
・暖かいところが好きで、よくタイに旅行に行く
・既婚(妻と子供2人)
・最近の趣味はオーディブルを聞きながらぼけ~っとすること
・はまってることは、裸足で1日10分歩く健康法
・若く見られがちだが40代