ASUS TUF Gaming A14 FA401WVのレビューです。末尾がUWと言うRyzen 7 8845HSを搭載したモデルもありますが、レビュー機は末尾がWVで、Ryzen AI 9 HX 370を搭載しています。
CPU以外は同じ仕様なので、Ryzen 7モデルをお考えの人にも参考になると思います。
レビュー機はメーカーからお借りしており、スペックはRyzen AI 9 HX 370、LPDDR5X-7500MHz 32GB、SSD PCIe 4.0 1TBになります。
動画も作成したので、あわせてどうぞ。
Contents
ASUS TUF Gaming A14 FA401のスペック
CPU | Ryzen 7 8845HS Ryzen AI 9 HX 370 |
---|---|
メモリ | LPDDR5X-7500MHz 32GB |
ストレージ | SSD 1TB |
グラフィックス | RTX 4060 |
ディスプレイ(14型) | 2.5K(2560×1600ドット)165Hz sRGB 100% |
OS | Windows 11 Home |
無線 | Wi-Fi 6E |
生体認証 | 顔認証 |
WEBカメラ | FHD・IRカメラ |
オーディオ | Dolby Atmos、2W×2 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 311 × 227 × 16.9~19.9mm |
重さ | 約1.46㎏ |
バッテリー(JEITA 3.0) | 最大約9.9時間 |
消費電力 | 200W |
標準保証 | 1年間 |
価格 | R7)24.9万円~ R9)33.9万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUは、最大50 TOPSのNPU性能を持つRyzen AI 9 HX 370を搭載です。Zen 5とZen 5cのアーキテクチャで4nmプロセス、最大TDPは54Wと高く、高い性能でした。
内蔵グラフィックスのRadeon M890が搭載で、GTX 1650並みの性能で、動画作成もできるし4K動画の書き出しも速かったです。
メモリはLPDDR5X-7500MHzのオンボード32GB、ストレージはSSD PCIe 4.0で1TBになります。
ディスプレイは高品質で、14インチ2.5K(2560×1600ドット)で、sRGB 100%の色域を持ちます。高精細で広色域なので、ゲームをしているときの没入感も高いし、画像編集やYoutube用の動画編集にも合います。
リフレッシュレートは165Hzとぬるぬるで、NVIDIA G-SyncによりディスプレイのリフレッシュレートをGPUと同期させることでティアリングやスタッタリングを減少します。
また、画面アスペクト比が16:10と縦に長いので、14インチでも15インチ並みの情報が表示されます。
OSはWindows Home 11でFHD Webカメラに顔認証対応、ドルビーアトモスのオーディオに2Wスピーカーが2基搭載、無線はWi-Fi 6Eになります。
インターフェイスは品質も良く数も十分にあり、USB4にUSB Type-C Gen 2が1つ、USB 3.2 Gen 2も2つあり、マイクヘッドフォンジャックにHDMI、そしてなぜだか(スマホのデータ移動用でしょう)microSDカードリーダーもあります。
200Wと大きな電源で、バッテリー駆動時間は約9.9時間となっています。ゲーミングPCなのに約1.46㎏と軽く、持ち運びも楽にできます。ゲーム兼クリエイティブワーク用途だと持ち運ぶこともあると思うので、そういった人にも合いますね。
上のリンクから移動できない場合は、こちらをクリック。
兄弟モデル
<兄弟モデルの一例>
本機にはいくつかのインチ違い、CPU違いのモデルがあります。紹介しているのはすべて2024年モデルです。興味がある方は、公式サイト、もしくはamazonのASUSサイトで確認してみてください。
・TUF Gaming A16(Ryzen AI 9 HX 370/RTX 4070、Ryzen 9 7940HX/RTX 4070)
・TUF Gaming A16 Advantage Edition(Ryzen 9 7940HS/RX 7700S)
・TUF Gaming F16(Core i7-13650H/RTX 4060)
・TUF Gaming A15(Ryzen 9 8945HS/RTX 4070)
これって、Copilot+PCじゃ・・・?
本機のスペックを見て疑問が出たので調べてみると、これCopilot+PCと呼んでよい機種ですね。
Copilot+PCは40 TOPS以上のNPU性能があるCPUに、DDR5/LPDDR5 16GB以上、そしてSSD 256GB以上が最低要件ですが、本機はもちろんクリアしています。
執筆時現在(2024年12月8日)IntelとAMD搭載機種はWindowsの準備ができていないので使えませんが、予定では2024年11月下旬(もう過ぎてますけど)から地域ごとに順次対応していくとのことなので、本機ももう少ししたら使えるようになると思います。
使える機能は主にこちらです。
- コクリエイター
- イメージクリエイター
- ライブキャプション
- リコール
- Windowsスタジオエフェクト(現在利用可能。Copilot+じゃなくてもNPUがあれば利用可能)
予習がてらこちらもどうぞ。
ゲーミングPCなのに激軽!
本機の最大の特徴と言っていいんじゃないでしょうか?14インチのゲーミングPCで、重さが公称値1460g、実測1450gと(ゲーミングPCにしては)めちゃくちゃ軽いんです。
しかも本機はデュアルファンでヒートパイプも大きいものが3本もあり、4セル73Whrの大きなバッテリーを搭載しているのにこの軽さですよ。一般的な14インチの重さは1.4㎏なので、それとほとんど変わりません。余裕で持ち運べちゃいますね。
寸法は幅311ミリ、奥行き227ミリ、高さは最薄部が16.9ミリとゲーミングPCらしからぬコンパクトさです。機動性はかなり高いですが、コンパクトな分排熱性能が下がるので性能も若干下がります。
後述していますが、CPU性能は特に小型化の影響を受けずに高いパフォーマンスでしたが、グラボの性能は平均よりも5~10%ほど低い性能でした。
最大50 TOPSのNPU性能を持つRyzen AI 300シリーズ搭載
AMD Ryzen AI 9 HX 370 | |
製造プロセス | 4nm |
アーキテクチャ | 4x Zen 5 , 8x Zen 5c |
コア | 12コア |
スレッド | 24スレッド |
L3キャッシュ | 24MB |
最大ブーストクロック | 5.1GHz |
Zen 5ベースクロック | 2GHz |
Zen 5cベースクロック | 2GHz |
グラフィックス | AMD Radeon 890M 16コア |
NPU | 50 TOPS |
TDP | 28W |
マックスパワー | 54W |
SoCは4nmで、Intelっぽく言えばZen 5(Pコア)とZen 5c(Eコア)になり、最大50 TOPS(1秒間に50兆回の演算処理)性能を持ちます。Stable DiffusionなどNPUを使って作業ができます。また、RTX 4060もあるので、AI関連の処理性能は高いです。
先述しましたが、AMDではCopilot+の機能がまだ使えませんが、NPU対応のアプリ(筆者の用途で言えばPhotoshopやDavinci Resolveなどのクリエイターアプリ)で作業が少ししやすくなります。
グラフィックスはRadeon 890Mで、内蔵グラフィックスとはいえかなり高い性能でした。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアで、38025とかなり高いスコアでした。以前別機種で計測したものよりも、5~8%ほど高い性能です。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ハイエンドPCに搭載される
- 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ/本機 青/その他 赤/同じCPU別機種
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370/別機種 | |
Ryzen AI 9 HX 370/別機種 | |
Core Ultra 9 185H | |
Ryzen AI 9 365 | |
Ryzen 7 8845H | |
Core Ultra 7 165H | |
Ryzen 7 8840HS | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 7 155H | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core i5-1335U | |
Core Ultra 5 135U | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 165U | |
Core Ultra 7 155U |
Cinebench 2024のスコアで、Cinema 4DのデフォルトレンダリングエンジンであるRedshiftのパワーを利用して、CPUとGPUの能力を計測します。計測結果はマルチコア1237、シングルコア117と、どちらもめちゃくちゃ良いスコアでした。
他のCPUとの比較です。
マルチコア性能
オレンジ/本機 青/その他 赤/同じCPU別機種
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370/別機種 | |
Ryzen AI 9 HX 370/別機種 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 7 8845HS | |
Apple M1 Max | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 7 258V | |
Apple M1 | |
Core i7-1280P |
シングルコア性能
オレンジ/本機 青/その他 赤/同じCPU別機種
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Ryzen AI 9 HX 370/別機種 | |
Ryzen AI 9 HX 370/別機種 | |
Apple M1 Max | |
Apple M1 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Ryzen 3 8300GE | |
Ryzen 7 8845HS | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core i7-1280P |
こちらはPCMark10の計測結果で、Essentialは「通常用途(Web検索やビデオ会議、アプリの起動など)の性能」、Productivityは「Microsoft Office(事務系のアプリ)使用時の性能」、Digital Content Creationは「コンテンツ作成(画像・動画編集など)のしやすさ」を表しています。
総合性能の目安は以下になります。
・7500以上・・・ハイエンド
・5000以上・・・ミドルクラス
・2500以下・・・エントリークラス
本機種のスコアです。
- 総合性能は7862→ハイエンド
- Essentialは9898→通常用途やビデオ会議などは余裕でできる
- Productivityは10421→超高速に使える
- Digital content creationは12786→かなり高い性能で動画編集などにも向いている
Essential
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370/別機種 | |
---|---|
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen AI 9 HX 370/別機種 | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 7335U | |
Ryzen 5 PRO 6650U |
Productivity
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370/別機種 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Ryzen AI 9 HX 370/別機種 | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i7-1260P |
Digital Content Creation
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370/別機種 | |
Ryzen AI 9 HX 370/別機種 | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 7 7735U | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 7335U |
5分の4K動画を撮影し、Davinci Resolveでレンダリングにかかった時間です。当然ですが、時間が短いほうが高性能です。3回計測し、平均は1分38秒でした。速いですね。
4K動画レンダリング速度
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
---|---|
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen AI 9 HX 370/別機種 | |
Ryzen AI 9 HX 370/別機種 | |
Core i7-14700+RTX 4060 | |
Ryzen AI 9 HX 370+RTX 4060 |
Geekbench AIのONNXでCPUのAI性能を測りました。ONNXはOpen Neural Network eXchangeで、ディープラーニングや機械学習モデルのようなAIモデルの性能を計測します。
Single Precision(単精度)は3624、Half Precision(半精度)は1537、Quantized(量子化スコア)は6827とぶっちぎりで良いスコアでした。
Single Precision Score/単精度スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Core Uitra 5 125H | |
Core Uitra 5 125U | |
Core i7-1260P | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
Half Precision Score/半精度スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Core Ultra 7 258V | |
Core Uitra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Uitra 5 125U | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
Quantized Score/量子化スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Core Ultra 7 258V | |
Core Uitra 5 125H | |
Core Uitra 5 125U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
グラフィック性能・RTX 4060搭載
RTX 4070 Laptop | RTX 4060 Laptop | RTX 4050 Laptop | |
コードネーム | Ada Lovelace | ||
CUDAコア | 4608基 | 3072基 | 2560基 |
RTコア | 36基 | 24基 | 20基 |
Tensorコア | 144基 | 96基 | 80基 |
ブーストクロック | 2175MHz | 2370MHz | 2370MHz |
メモリタイプ | GDDR6 | ||
メモリ容量 | 8GB | 8GB | 6GB |
メモリバス幅 | 128ビット | 128ビット | 96ビット |
メモリ帯域幅 | 256GB/s | 256GB/s | 192GB/s |
TGP | 140W | 100W | 105W |
※RTX 4070と4050は比較です
ミドルハイクラスのRTX 4060搭載で、レイトレに対応しておりより美しい描写が可能です。DLSS 3にも対応しているので、ゲームによってはfpsを落とさずに画質をアップできます。また、TGPは最大100Wと大きめです。
AIに特化したTensorコアが96基搭載しており、クリエイティブワークにもゲームにも性能を発揮できます。
<レイトレーシングOFF> | <レイトレーシングON> |
<DLSS ONとOFFの比較・NVIDIA公式より>
3DMarkのベンチマークで、性能を測ります。
Fire Strikeは21627、Steel Nomad DX12は2029、そしてTime Spyは9052でした。すべての項目で公開されている平均値を5~10%下回りました。小型筐体なので、メリットデメリットがありますね。
DirectX 11で動作するFire Strikeのスコアです。
Fire Strike
オレンジ/本機 青/比較 赤/平均
RTX 4090 | |
---|---|
RTX 4080 | |
RTX 3080 Ti | |
RTX 4070 | |
RTX 3070 Ti | |
RTX 4060/平均 | |
RTX 4060/本機 | |
RTX 4050 | |
RTX 3060 |
Steel Nomadは、DirectX 12 Ultimateの性能をテストするベンチマークです。レイトレーシングを使用しない比較的重めのゲームを想定したベンチマークです。
Steel Nomad
オレンジ/本機 青/比較 赤/平均
RTX 4080 | |
---|---|
RTX 4070 | |
RTX 4060/平均 | |
RTX 4060/本機 | |
RTX 4050 | |
RTX 3050 |
Time SpyはゲーミングPC向けDirectX 12のベンチマークです
Time Spy
オレンジ/本機 青/比較 赤/平均
RTX 4080 | |
---|---|
RTX 4070 | |
RTX 4060/平均 | |
RTX 4060/本機 | |
RTX 4050 |
次はゲームのベンチマークで、軽めのベンチマークであるドラゴンクエスト10は23202で「すごく快適」、ちょっと重ためのFFXIV黄金のレガシーは18638で「非常に快適」でした。
2.5K・sRGB 100%のディスプレイ
本機は2.5K(2560×1600ドット)と高精細で、クリエイターにもうれしいsRGB 100%の色域、そして165Hzとぬるぬるのリフレッシュレートに応答速度は3msとなっています。NVIDIA G-SyncによりディスプレイのリフレッシュレートをGPUと同期させることでティアリングやスタッタリングを減少します。
解像度が高いので今までぼやけて見えていたものもしっかりと認識できるし、しかも画面アスペクト比が16:10と縦に長いので、一般的な16:9の14インチよりも多くの情報を表示できます。
左は本機で、右は一般的なノートパソコンに採用されるNTSC 45%の色域です。全然色が違いますよね。没入感も高まります。
この画像は黒をどれだけ描写できるかのテストに使っているのですが、若干黒の描写は不十分で真っ黒まで描写できていません。ただし、コントラストもしっかり出ており悪くないと思います。
最後に視野角のチェックです。どこから見ても薄暗くなる部分もなく見やすいです。
高い静音性と排熱性能
底面カバーの通気口は、めちゃくちゃ大きいですね。14インチのコンパクトPCをここまでハイスペックにしているので、排熱性能向上に力を入れていますね。
ターボモードで最大110Wと高いパワーですが、超薄型ヒートシンクに89枚の0.1ミリ極薄ブレードがあるファンが2基、そしてヒートパイプは小さいものを合わせて5つもあり、排熱性能を高めています。
背面にある排気口はかなり大きいです。
キーボード面からもフレッシュエアーを取り込めます。
サイレントモードではすべてのファンをオフにして、ファンレスPCのように静かに放熱できます。ただし、CPUやGPU温度が上昇したら自動でファンが再稼働するので、故障の心配もありません。
CPUの性能をフルで使うCinebench 2024と言うベンチマークを実行時の、CPUの温度推移図です。最大でも343°(摂氏70°)ほどで安定して推移しており、安定してCPUが動作している証拠ですね。
この時のPCの表面温度は35.2度と低いです。高負荷なことをしていても、キーボード面が熱くならないのは良いですね。
騒音値は平均で39dBでした。うるさくないけど、もちろんファンの音はしっかりと聞こえます。
その他の特徴
外観
上下左右のベゼル(画面の黒い枠)が細く、横4ミリ上約8ミリとかなり小さく、ゲーミングPCに見えないですね。
TUFと言えばごついイメージがありますが、F15と比べると本機はごつさがなくクリエイターPCっぽさが強いです。アルミニウム製の天板を採用し、ミリタリーグレードのMIL-STD 810Hの基準をクリアした堅牢性も兼ねそろえています。
天板のロゴです。
先述しましたが、最薄部は16.9ミリと薄いです。
背面にあるランプもおしゃれですよね。
ディスプレイは片手で開くことができ、180°まで開くことができます。画面共有や床に置いて作業をすることがある人にも使いやすいです。
キーボード
ゲーミングに最適化されたデスクトップスタイルのキーボードで、キーピッチ(キーの中心部から隣のキーの中心までの距離)は19×18ミリとフルサイズに近いサイズで、手が大きな人にも使いやすいです。
キーストロークは1.7㎜と深く、キーストロークが高い位置で反応するので、より速いレスポンスになります。打鍵寿命は約2000万回と、一日1000回同じキーを押したとしても壊れるまで2万日(54.7年)かかります(笑)。
打鍵感はそこそこ良く、タイピングしやすかった。
Copilotキーももちろんあり(なんか大きいですが・・・)、Fキー列の上にArmoury Crateやマイク音量キーなどがあります。
主要キーと最下部のキーは幅が同じなので、タイプミスも少ないと思います。ただし、半角/全角キーや¥キーはすごく小さいですね。
バックライトももちろんあります。
タッチパッドは127×78.5ミリと大きく、レポートレートは240Hzと高いので誤クリックも起きにくいです。
Webカメラ&オーディオ/スピーカー
Webカメラは高画質のFHD解像度で、顔認証にも対応しています。
左の画像は本機で撮影、右は他のWEBカメラで撮影したFHD解像度の写真で、本機の方が若干画質が良いと思います。
また、Windowsスタジオエフェクトも使えるので、よりWeb会議がしやすくなります。AI搭載のカメラなので、自動画面調光機能だったり、離席すると画面ロックや帰ってくるとロック解除などを自動でやってくれます。
オーディオはDolby Atmosで一般的なオーディオの様な平面的じゃなく、立体的な音を体感できます。
2Wスピーカーが2つで、音はそんなに大きくないですが音質はぼちぼち良いと思います。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリはLPDDR5X-7500MHzで32GBで、Memory Markで性能を計測したら2808とそこそこ良いスコアでしたが、LPDDR5X-7500MHzとしては低いスコアでした。
その他のメモリとの比較です。
Memory Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
LPDDR5X平均 | |
---|---|
本機種 | |
DDR5平均 | |
LPDDR5平均 | |
LPDDR4X-4266MHz平均 | |
DDR4-3200MHz平均 |
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
搭載ストレージはSSD PCIe 4.0×4 1TBで、シーケンシャル速度を計測したら、リード(読み込み速度)は5018MB/秒、ライト(書き込み速度)は3432MB/秒と速いですが、もうちょっと速いかと思っていました。
ちなみにM.2スロットがもう1つあるので、SSDの増設ができます。その場合はPCIe 4×2の速度になります
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
本機種 | |
---|---|
PCIe 4.0×4 | |
PCIe 3.0×4 | |
HDD |
起動時間を計測しました。速いです。
1回目 | 15秒 |
---|---|
2回目 | 14秒 |
3回目 | 12秒 |
4回目 | 13秒 |
5回目 | 14秒 |
平均 | 13.6秒 |
バッテリー駆動時間
バッテリーは大きめの4セル73Whで、動画再生時は最大約9.9時間そんなに長いわけじゃないですが短くもない時間です。ゲーミングPCでここまで出たら、上出来だと思います。
急速充電に対応しており、30分で50%ほど充電できます。
Wi-Fi 6Eに対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
無線はWi-Fi 6Eに対応しており、Wi-Fi 5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができます。
インターフェイス
インターフェイスは十分な数があり、USB4以外もGen 2とデータ転送速度が10Gbpsと速いものが採用です。
右側面にはmicroSDカードリーダー、USB Type-C 3.2 Gen 2(データ転送速度10Gbps)、そしてUSB 3.2 Gen 2(データ転送速度10Gbps)になります。
左側面はHDMI、USB4(データ転送速度40Gbps/Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き)、USB 3.2 Gen 2(データ転送速度10Gbps)、そしてマイク/ヘッドフォンジャックになります。
まとめ
良い点
・このクラスのPCにしては軽量薄型で持ち運びがしやすい
・アルミニウムを使用した筐体でおしゃれ、そしてMILスペックの堅牢性
・NPU+GPUとAI関連の処理が速い
・画面比が16:10で、14インチでも一般的な15インチ並みの情報が表示される
・2.5Kディスプレイで高精細
・排熱性能が高い
・キーボードの打鍵感が良く、
・Webカメラの品質がちょっと良かった
・SSDの増設が可能
残念な点
・小さな筐体なのでグラフィック性能が若干下がっている
総合評価
これだけコンパクトで軽量なTUFは初めてじゃないでしょうか?14インチのゲーミングPCが、普段使いノートパソコンと同じ重さですよ?すごいですね。
Copilot+の要件も満たしているのでもうすぐしたら使えるようになるAI機能も増えるし、毎日の作業がより快適になります。
また、ディスプレイが2.5Kと高精細で広色域のsRGB 100%なので、ゲームだけじゃなくクリエイターにも向いた機種で、持ち運びも簡単にできるので、どこででもゲームに動画編集などいろいろな作業ができます。
上のリンクから移動できない場合は、こちらをクリック。
Author
・パソコンガイドメインライターの本田。PCやタブレット、その他ガジェットが好きで、年間2~30台ほどのPCとモニターや周辺機器を購入するマニア
・元ミュージシャン
・暖かいところが好きで、よくタイに旅行に行く
・既婚(妻と子供2人)
・最近の趣味はオーディブルを聞きながらぼけ~っとすること
・はまってることは、裸足で1日10分歩く健康法
・若く見られがちだが40代