ここ最近話題で人気のミニPC・GMKtec NucBox G3 Plusのレビューです。
すっごく小さいのにメモリとストレージの増設/換装も可能で、メモリを大きくすれば性能もデフォルトより上がり使いやすくなります。
ローエンドのCPUを搭載しているので、テキストワークやWebブラウジングなど軽めの用途に合います。
レビュー機はメーカーからいただいたもので、スペックはIntel N150、メモリ8GB、SSD 256GBになります。
動画も制作したのでどうぞ。
詳しくはGMKtecセール情報をどうぞ。
Contents
GMKtec NucBox G3 Plusのスペック
CPU | Intel N150 |
---|---|
メモリ | DDR4-3200 8GB(最大32GB) |
ストレージ | SSD SATA 256・/512GB(増設可能) |
グラフィックス | CPU内蔵 |
OS | Windows 11 Pro |
LAN | 2.5Gbe Wi-Fi 6 |
オーディオ | あり |
寸法(幅×奥行×高さ) | 114 × 106 × 42.5mm |
重さ | 360g(実測260g) |
ACアダプタ | 36W |
その他 | 技適あり |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 2.3万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUはIntel N150が搭載で、ミニPCや低価格中華PC、Chromebookに搭載されることが多く、ローエンドスペックですがそこそこ使えます。
メモリはDDR4-3200MHzで8GBが搭載し、16GBか32GBまで増設できます。ストレージはSSDが搭載で速度は遅めですが、普段使い用途であれば気にならないと思います。
また、最大2TBまで拡張できます。
OSはWindows 11 Proで、ワークステーションに採用される2.5ギガビットイーサネットを搭載し、無線はWi-Fi 6になります。通信規格はスペックに見合わないほど良いですね。
インターフェイスはUSB 3,2 Gen 2が4つもあり、HDMIが2つ、3.5ミリイヤフォンジャックとセキュリティロックもあります。USB Type-Cがないのでアダプタが必要になると思いますが、USB-Aはデータ転送速度が速いので便利です。
縦横10×11センチの手のひら以下のサイズなのでどこにでも設置できるし、持ち運びもできます。(販売サイトには360gと書いていましたが、実測260gでした。)
現在、amazonと楽天で購入できますが、楽天の方が割引もあって安いです。
ちっちゃな筐体
小さいですね~。
公式サイトには360gと記載されていましたがおそらくミスで、実測260gでした。スマホ1個半くらいの軽さです。
幅114ミリ、奥行き106ミリ、高さ42.5ミリです。手のひらサイズですね。
<21.5インチモニターと撮影>
小さいですね~。モニターの横においても、全然邪魔になりません。どこにでも置けますね。
短いっ!一応デスクトップなのにiPhone 14よりも短いです。
左右側面には通気口もあります。
消費電力がたったの6WのCPU搭載
Intel N150 | |
コア/スレッド | 4/4 |
キャッシュ | 6MB |
iGPU演算ユニット | 24 |
TDP | 6W |
消費電力がたったの6Wと小さく、本機のようなミニPCにぴったりのCPUです。小さな筐体は熱がこもりやすいので、こういった発熱が少ないCPUを搭載すると熱くなりにくいので快適に使えます。また、発熱が低いと寿命も延びやすいですね。
ちなみにACアダプタは36Wでした。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアで、計測結果は5778と第10世代Core i3並みの性能でした。テキストワークなどの軽い作業に向いてます。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ハイエンドPCに搭載される
- 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 5 135U | |
---|---|
Core Ultra 5 125U | |
Core 5 120U | |
Core 7 150U | |
Core Ultra 7 165U | |
Core Ultra 7 155U | |
Core i5-1035G1 | |
Intel N150 | |
Pentium Gold 7505 | |
Core i3-1005G1 |
Geekbench AIのONNXでCPUのAI性能を測りました。ONNXはOpen Neural Network eXchangeで、ディープラーニングや機械学習モデルのようなAIモデルの性能を計測します。
Single Precision(単精度)は885とHalf Precision(半精度)も464、Quantized(量子化スコア)も1245と低いスコアでしたが、思ったほど悪くないと思います。Ryzen 3 7335Uより2~30%ほど低いだけです。
Single Precision Score/単精度スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 155H | |
---|---|
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 258V | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U | |
Intel N150 |
Half Precision Score/半精度スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 155H | |
---|---|
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U | |
Intel N150 |
Quantized Score/量子化スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 155H | |
---|---|
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U | |
Intel N150 |
こちらはPCMark10の計測結果で、Essentialは「通常用途(Web検索やビデオ会議、アプリの起動など)の性能」、Productivityは「Microsoft Office(事務系のアプリ)使用時の性能」、Digital Content Creationは「コンテンツ作成(画像・動画編集など)のしやすさ」を表しています。
総合性能の目安は以下になります。
・9000以上・・・超ハイスペック
・7500以上・・・ハイスペック
・5000以上・・・ミドルクラス
・2500以下・・・エントリークラス
本機種のスコアです。
- 総合性能は3173→エントリークラス
- Essentialは7034→通常用途やビデオ会議などは普通にでできる
- Productivityは4485→そこそこ使える
- Digital content creationは2749→不向き
性能は低いですが、普通に使える程度のスコアでした。グラフィック性能が低いのでそういったことには向きませんが、テキストワークなどの軽いビジネス用途なら使っても問題なさそうです。
Essential
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 7 PRO 6850H | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 3 7335U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5500U | |
Intel N150 |
Productivity
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 7 PRO 6850H | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1235U | |
Intel N150 |
Digital Content Creation
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
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Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 7 PRO 6850H | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 7 7735U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Intel N150 |
インターフェイスの品質が良い(が、USB Type-Cがない)
こんなに小さなデスクトップですがUSB 3.2 Gen 2が4つもあり、データ転送速度が10Gbpsと速いです。
また、ワークステーションに採用されることが多い2.5ギガビットイーサネットも搭載しているので、性能がついていくかは別として、高速通信ができます。(Wi-Fi 6にも対応)
HDMIも2つあるので最大2画面表示が可能(付属のHDMIケーブルは1本のみ)、そして3.5ミリジャックもあります。
残念なのは、USB Type-Cポートがない点です。一般的にUSB-A to Cが多いのでそこまで困ることはないですが、USB-C to Cのケーブルも使う場合はアダプタが必要です。
簡単に増設できる
天板は爪で留まっているだけなので、動画の様に上にはがしたら大丈夫です。
筐体内部へアクセスはしやすいです。
右はSSD PCIe 3.0×4、左にメモリスロットが1つ(デフォルトでは8GBメモリ1枚)、そして真ん中にSSD Type-2242を増設するスロットがあります。
32GBメモリを持っていたので増設したら、ちゃんと読み込まれました。ストレージはSSD Type-2242のスロットがあるので、このタイプのSSDを持っていたら増設可能です。
その他の特徴
グラフィックス性能
グラフィック性能が高いとOfficeを使った作業や複数画面での作業、そして画像・動画編集などがしやすくなります。
3D Graphics Markのスコアは1102とかなり低い性能でした。メモリが1枚のシングルチャンネルだし、CPUの性能も低いのでこのくらいですね。
3D Graphics Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
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Ryzen 7 8845HS | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 7 PRO 6850H | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 7 7735U | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core i7-1260P | |
Core i7-1355U | |
Core i5-1335U | |
Core i5-1340P | |
Ryzen 7 PRO 5850U | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1235U | |
Ryzen 3 7335U | |
Intel N150 |
念のため3DMarkでFire Strikeの性能を測ってみました。
Fire Strikeの計測結果は1349と、分かりきっていたことですがかなり低い性能でした。
ドラゴンクエスト10のベンチマークは3006で「普通」でした。2Dゲームはギリギリできるくらいの性能ですね。
騒音値・発熱
CPUの性能をフルで使うCinebench 2024をしているときに、騒音値と発熱を測りました。CPU温度の推移も計測したのですが、エラーになり計測できませんでした。
騒音値は平均27.11dBとほとんど無音で、よほど注意しないと音は聞こえません。と言うか、むしろファンは回っていないんじゃないかと思いました。
PC表面温度は31.8度とすごく低かったです。
最大32GB搭載できるメモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリはDDR4-3200MHzで、メモリの性能を測るMemory Markの計測結果は1901とシングルチャンネルメモリにしてはそんなに悪くなかったです。
その他のメモリとの比較です。
Memory Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
DDR5平均 | |
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LPDDR5平均 | |
LPDDR4X平均 | |
DDR4-3200MHz平均 | |
DDR4/本機 |
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
搭載ストレージはSSD PCIe 3.0×4で、シーケンシャル速度を計測したら、リード(読み込み速度)は1776MB/秒、ライト(書き込み速度)は1544MB/秒と速くないですが、このCPU性能なので十分だと思います。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
本機種 | |
---|---|
PCIe 4.0×4 | |
PCIe 3.0×4 | |
HDD |
起動時間を5回計測した平均は25秒でした。遅いですが、HDDの機種よりは速いです。
1回目 | 25秒 |
---|---|
2回目 | 26秒 |
3回目 | 25秒 |
4回目 | 25秒 |
5回目 | 25秒 |
平均 | 25秒 |
モニター
モニターの購入や買い替えを検討の方は、筆者が使っているLenovoモニターもおすすめなので、こちらも併せてどうぞ。
サポート・保証
24時間対応のメールサポートがあり、24時間以内に対応するとのことです。また、amazonの直営店では「質問する」ボタンがあるのでこちらも使えると思います。
購入後15日以内なら理由に係わらず返品可能です。
まとめ
良い点
・ち~さな筐体なので、どこにでも設置しやすい
・ほぼ無音
・USB 3.2 Gen 2が4つも搭載
・2.5Gbeが搭載
・筐体内部にアクセスしやすい
・Windows 11 Pro
残念な点
・シングルチャンネルメモリ(メモリ1枚)なので、グラフィック性能が低い
総合評価
約2万円のPCにしてはなかなか良いPCですね。
ブラウジングやテキストワークならスペックの低さもそんなに気にならないし、これだけ小さいのでリビングに置いてもいいし、職場でも場所とらずで使いやすいと思います。
CPU性能が付いてくるかどうかといった別の問題もありますが、ワークステーションで採用されることが多い2.5ギガビットイーサネットもあるし、Windows 11 Proなので、それなりにビジネス用途でも使える場面はあると思います。
現在、amazonと楽天で購入できますが、楽天の方が割引もあって安いです。
Author
・パソコンガイドメインライターの本田。PCやタブレット、その他ガジェットが好きで、年間2~30台ほどのPCとモニターや周辺機器を購入するマニア
・元ミュージシャン
・暖かいところが好きで、よくタイに旅行に行く
・既婚(妻と子供2人)
・最近の趣味はオーディブルを聞きながらぼけ~っとすること
・はまってることは、裸足で1日10分歩く健康法
・若く見られがちだが40代