Copilot+PCのHP OmniBook X 14-feのレビューです。
AIコアを搭載した機種で今までできなかったこともできるようになり、よりAIを活用して作業ができます。コクリエイターとか使ってて、すごく楽しいですしね。
全体的にハイスペックですが、プロセッサーにはSnapdragonを採用しており、OSは通常のWindowsじゃなくWindowsのArm版になります。
いろんなアプリとかドライバってIntelとかAMDに合わせて作られているので、タブレットやスマホに搭載されるSnapdragon(Qualcomm社)じゃ使えないものがあります。もしくは、使えてもエミュレーションされてて本来の性能が発揮できないものが多くあります。
ただし、Officeなど一般的に使われるようなものは普通に使えるので、ディープなことをしない場合は使えないアプリも少ないと思います。
メーカーからレビュー機をお借りしており、スペックはSnapdragon X Elite X1E-78-100、メモリLPDDR5X-8448 32GB、SSD 1TBとなっています。
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Contents
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OmniBook X 14-feのスペック
SoC | Snapdragon X Plus X1P-42-100 Snapdragon X Elite X1E-78-100 |
---|---|
メモリ | LPDDR5X-8448 16/32GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14型) | 2.2K IPS タッチ 光沢あり |
OS | Windows 11 Home |
無線 | Wi-Fi 7 |
生体認証 | 顔認証 |
WEBカメラ | 5MP+IRカメラ |
オーディオ | Poly Studioスピーカー×2 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 312 × 223 × 14.3mm |
重さ | 1.34㎏ |
バッテリー(JEITA 3.0) | 最大約26時間 |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 17.4万円~ |
<性能評価>
本機はIntelやAMDといういつものCPUじゃなく、タブレットなどに搭載されることが多いSoCが搭載で、超高性能Snapdragon X Elite X1E-78-100か、下位モデルのSnapdragon X Plus X1P-42-100になります。
どちらのSoCも最大45TOPSのNPU性能を持ち、ハイパフォーマンスと長時間のバッテリーを両立させたPCです。高性能NPU搭載なので、ローカルでAIの推論などを行うことができます。
メモリはLPDDR5X-8448MHzのオンボード16GB(X Plus)か32GB(X Elite)で、ストレージはSSDで最大1TBと大容量です。増設はできませんが、十分な容量です。
また、14インチで画面アスペクト比が16:10と縦に長く、15インチ並みの情報を表示できるので、より作業がしやすいです。
その他のスペックはWindows 11 Home Arm版が搭載し、最新のWi-Fi 7に対応、Webカメラは超高画質の500万画素に顔認証のIRカメラ付き、そしてPoly Studioのスピーカーが2つあります。
14インチで1.34㎏と若干軽く、バッテリー駆動時間は驚異の約26時間と長めで、外出先でもがっつり作業をする人に合います。
インターフェースはUSB Type-C (USB 4が1つ、USB Type-C 3.2 Gen 2が1つ) が2つ、USB-Aが1つ、そしてマイクヘッドフォンジャックのみなので、ドックがないと使いにくいかもしれません。
兄弟モデルとの比較
本機には兄弟モデルで、同じくCopilot+PCのOmniBook Ultra Flip 14-fh(Intel)とUltra 14-fd(AMD)があります。
OmniBook Ultra Flip 14-fh
今話題のAI PCで、コンパクトボディでちょっと軽めの14インチになります。最高でCore Ultra 9も搭載でき、メモリは最大32GB、2.8K OLED、そしてWi-Fi 7に900万画素と言う外付けカメラでもあまり見ない高解像度カメラが搭載です。
CPU | Core Ultra 5 226V Core Ultra 7 258V Core Ultra 9 288V |
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メモリ | LPDDR5x 16/32GB |
ストレージ | SSD 1TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14型) | 2.8K OLED |
無線 | Wi-Fi 7 |
カメラ | 900万画素+IRカメラ |
生体認証 | 顔認証、指紋センサー |
寸法(幅×奥行×高さ) | 313 × 216 × 14.9㎜ |
重さ | 1.34㎏ |
バッテリー | 20時間 |
価格 | 19.9万円~ |
OmniBook Ultra 14-fd
今話題のAI PCで、Arm版のSnapdragonじゃなくAMD Ryzenが搭載になります。これ、待ってる人多かったんじゃないでしょうか?仕事で使うのにOSがArm版だと使いにくいですしね。メモリは最大32GBと大容量で、なんと900万画素のWebカメラです!!4K解像度が約829万画素なので、900万画素って4K以上ですね。また、最新のWi-Fi 7にも対応しています
CPU | Ryzen AI 9 365 Ryzen AI 9 HX 375 |
---|---|
メモリ | LPDDR5x 32GB |
ストレージ | SSD 1TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14型) | 2.2K IPS タッチ |
無線 | Wi-Fi 7 |
カメラ | 900万画素+IRカメラ |
生体認証 | 顔認証 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 315 × 227 × 16.4㎜ |
重さ | 1.57㎏ |
バッテリー | 21時間 |
価格 | 18.9万円~ |
Copilot +PC
Copilot+PC(コパイロットプラスピーシー)と言うのは、Microsoftが「Microsoft Build 2024」で発表した新しいカテゴリのPCで、AI技術を活用するための機種と位置付けられています。
主な特徴です。
・NPU搭載
・16GB以上のDDR5/LPDDR5メモリ
・256GB以上のストレージ
・40+TOPS(1秒当たり40兆回の演算)
・終日のバッテリー寿命
・最先端のAIモデルへのアクセス
・RecallでPCで見たものを簡単に検索
・CocreatorでほぼリアルタイムにAI画像の生成及び調整
・Live Captionで40以上の言語の音声を英語に翻訳
・薄型軽量、美しいデバイス
現時点ではNPUを使い以下のアプリが使えます。
・コクリエイター
・イメージクリエイター
・Windows Studio Effect
・ライブキャプション
・リコール(近日利用可能)
まだまだ機能は少ないですが、今後どんどん増えていきます。
Arm版Windows 11でできること、できないこと
Arm版のOSって、通常のWindowsと違いできないこともあります。
以前ARM版Windows 10で使えないものとして、Google日本語入力やプリンター用ドライバーが有名でしたが、Windows 11では対応ソフトが増えました。
今回はいくつか一般的なソフトやデバイスと筆者が頻繁に使うソフトを検証しました。
Microsoft Office | 〇 |
---|---|
Google日本語入力 | 〇 |
Canon製プリンターのドライバー | × |
Bambu Studio (3Dプリンタソフト) | 〇 |
Bluetoothアクセサリ (キーボード、マウス、イヤホン) |
〇 |
Xbox | △ 一部対応 |
Photoshop | 〇 |
Lightroom | 〇 |
VirtualBox | × |
Blender | 動作が重たい |
Parsec | 動作が重たい |
2024年12月6日・BlenderとParsecの使用感を追加しました
依然としてプリンターなどのドライバーには非対応なようで、Canonのプリンターは使えませんでしたが、メーカーがARM版ドライバーを出していれば使うことができます。
ソフト全般についてはARM版Windows 11からx64エミュレーションをサポートしているため、ARMにネイティブで対応しているソフトよりは効率が落ちますが動作可能です。
Xboxについては、クラウドゲーミングのみ表示され、他のデバイスで購入済みのゲームなどは表示されませんでした。ただし、MinecraftなどMicrosoft Storeからダウンロードできる一部のゲームはARM上でもプレイ可能です。
高級感のある筐体
さすがOmniBookと言った感じで、高級感のある筐体です。高強度のアルミニウムボディで、見た目も手触りもハイエンドです。
上ベゼルは約10ミリ、左右ベゼルは約4.5ミリと細く、全体的に引き締まった見た目です。
筐体はユニボディ (継ぎはぎなしで1つのパーツから作られた筐体)でボディラインが美しく、たわみにも強いです。
ラウンドエッジの筐体で、かわいらしいですね。陶器のような手触りがするセラミックホワイトには、指紋汚れや引っ掻き傷に強い、アニオン電着塗装(AED)が施されています。
白だからと言って、汚したくないから持ち運べないということもありません。
寸法は横312mm、縦223mm、厚さ14.3mmとコンパクトで、14インチで1.34㎏と軽量です。Copilot+PCの要件に「薄型で軽量、そして美しい」というものがあるのですが、本機はその通りだと思います。
上位モデルならではで、目立たないヒンジ部分にもロゴがあります。
反対側には何かのマークがあります。(調べてみたら、HPの「AI PC」のロゴでした。)
ディスプレイは135度くらいでしょうか、ここまで開きます。指一本で開くかなと思ったのですが、無理でした。
天板の中央にはシンプルなロゴがあります。
んん?右上の電源ボタンの色が違う・・・。Fキー列も。。。
押し間違えないようにしているのだと思いますが、これは美しくないです・・・。好みが分かれると思います。
また、個人的には大歓迎ですが、キーボードは日本語キーじゃなく英語キーです。いつもの日本語キーの配置と違うので、慣れが必要です。
ただし、一番下の列のキーは主要キーと同じ大きさで、左右のカーソルキーはすごく大きいので押し間違えしないと思います。個人的に大好きなキーボードです。
キーボードはバックライト付きで、キーピッチ(キーの中心から次のキーの中心までの距離)は19.0×18.4mmで、フルサイズ並みです。また、キーストローク(キーを押し込む距離)は1mmと浅く、打鍵感はあまりないですがタイピングしやすいキーボードでした。
タッチパッドは約116×66mmと小さいですが、操作も普通にでき、良くも悪くもないといった感じです。
もちろんCopilotキーもあり、私は主にメールの返信やCSS、HTMLを使うときに作ってもらったりしていますが、ファイル内容の要約などいろいろな場面で役に立ちます。
超高性能Snapdragon X Elite搭載
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
コア | 12コア |
トータルキャッシュ | 42MB |
TFLOPS(GPU) | 最大4.6 TFLOPS |
TOPS(NPU) | 最大45 TOPS |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
コア | 8 |
トータルキャッシュ | 30MB |
TFLOPS(GPU) | 最大1.7 TFLOPS |
TOPS(NPU) | 最大45 TOPS |
このSoCの最大の特徴は、AI専用のNPUコアですね。最大45TOPS(1秒間に45兆回の演算を実行可能)と高いNPU性能です。
また、多くのアプリからArm版Windows向けネイティブアプリケーションが提供されており、今まで以上に使えるアプリが多くなっています。
今回ベンチマークをとったのはCPU MarkとCinebench 2024、そしてGeekbench AIのみです。というのも、ほとんどのベンチマークがエミュレーターで動くので、本来の性能を測れないためです。
Snapdragon X Elite X1E-78-100のCPU Markの計測結果は28668と、別機種で計測したスコアよりもかなり高かったです。
その他のCPUとの比較です。Snapdragon X Plus X1P-42-100のスコアは別機種で計測したものになります。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ハイエンドPCに搭載される
- 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ/本機 青/その他 赤/同じCPU別機種
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 9 185H | |
Ryzen AI 9 365 | |
Ryzen 7 8845H | |
Core Ultra 7 165H | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/本機 | |
Ryzen 7 8840HS | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 7 155H | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/別機種 | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core i5-1335U | |
Core Ultra 5 135U | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 165U | |
Core Ultra 7 155U |
Cinebench 2024のスコアで、Cinema 4DのデフォルトレンダリングエンジンであるRedshiftのパワーを利用して、CPUとGPUの能力を計測します。計測結果はマルチコア883、シングルコア106と、良いスコアでした。
他のCPUとの比較です。
マルチコア性能
オレンジ/本機 青/その他 赤/同じCPU別機種
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Snapdragon X Elite X1E-78-100/別機種 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/本機 | |
Ryzen 7 8845HS | |
Apple M1 Max | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 7 258V | |
Apple M1 | |
Core i7-1280P |
シングルコア性能
オレンジ/本機 青/その他 赤/同じCPU別機種
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Apple M1 Max | |
Apple M1 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/別機種 | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/本機 | |
Ryzen 3 8300GE | |
Ryzen 7 8845HS | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core i7-1280P |
Geekbench AIのONNXでCPUのAI性能を測りました。ONNXはOpen Neural Network eXchangeで、ディープラーニングや機械学習モデルのようなAIモデルの性能を計測します。
Single Precision(単精度)は2058、Half Precision(半精度)は2631、Quantized(量子化スコア)は6881とぶっちぎりで良いスコアでした。
が、これはどう考えてもおかしなスコアなので、参考程度に見てください。(通常、半精度のスコアは単精度の半分くらいになるため)
Single Precision Score/単精度スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Core Uitra 5 125H | |
Core Uitra 5 125U | |
Core i7-1260P | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 8640HS | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
Half Precision Score/半精度スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Snapdragon X Elite X1E-78-100/本機 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Uitra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Uitra 5 125U | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
Quantized Score/量子化スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Uitra 5 125H | |
Core Uitra 5 125U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
5分の4K動画を撮影し、Davinci Resolveでレンダリングにかかった時間です。当然ですが、時間が短いほうが高性能です。3回計測し、平均は3分28秒でした。
4K動画レンダリング速度
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
---|---|
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core i7-14700+RTX 4060 | |
Ryzen AI 9 HX 370+RTX 4060 |
Wi-Fi 7に対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11be (Wi-Fi 7) |
2.4/5/6GHz | 46Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 7に対応しており、現在主流のWi-Fi 6の約5倍、低価格モデルのPCに採用されるWi-Fi 5の約13倍、現在主流のWi-Fi 6/6Eの約5倍の最大通信速度があります。また、理論上16本のストリームになり、今まで以上に多くのデバイス(理論上2倍)を接続して快適に使えます。
6GHzで最大320MHzのチャンネル幅があり、Wi-Fi 6E(最大160MHz)の2倍の帯域幅になります。
500万画素のWEBカメラ搭載
<右はプライバシーシャッターを閉じた状態>
Webカメラは超高画質の500万画素でプライバシーシャッターもあり、内蔵Webカメラとしては最高峰の品質です。一般的なPCにはHD解像度(約92万画素)、ビジネスPCにはFHD解像度(約200万画素)が搭載していますが、本機は倍以上の500万画素です。
Web会議やビデオ通話はもちろん、オンラインレッスンの講師など仕事で使う人にも使えます。
本機の方がより明るく、そして高解像度なのではっきりくっきり映りますね(ズームするとわかりやすいです)。
そしてNPU搭載機種なので、自動フレーミングやポートレートライト、アイコンタクト、背景のぼかし、そしてクリエイティブフィルターなどが使え、面倒くさいWeb会議がほんの少し楽になります。
顔認証やプライバシーシャッターがあり、Walk Away Lockなど今まで離席するときはWin+Lを押していたと思いますが、自動でスリープ、そしてスリープ解除などもしてくれます。便利な世の中になりましたね~。
バッテリー駆動時間が長い!
FHDビデオを輝度200ニトで再生したときのバッテリー駆動時間は、X Eliteでは最大26時間!!X Plusでは最大24時間とめちゃくちゃ長いです。
また、30分の充電で50%回復できます。急な外出予定が入っても安心ですね。
その他の特徴
2.2K高精細ディスプレイ
ディスプレイは14インチの2.2K(2240×1400ドット)と通常の画面アスペクト比の16:9よりも縦に長い16:10で、14インチでも15インチ並みの情報が表示されます。
真ん中が本機の16:10で、左の一般的な14インチ(画面比16:9)と比べると見える量が全然違いますね。また、一番右の15.6インチほどではないですが、それに近い表示量です。
これだけの表示量があれば、持ち運び時でも生産性を落とすことなく作業ができると思います。
左が本機で右はsRGB 100%のディスプレイですが、右のものよりも若干色彩が豊かです。これだけ鮮やかで正確な色を描写できれば、動画や画像編集用にも十分使えますね。
左が本機で右は25万円するクリエイターPC(2.8K OLED DCI-P3 100%)です。本機はIPS液晶なので黒の描写がそこまでうまくないですが、白(煙)は詳細に描写できています。
SNS用の画像・動画編集やYoutubeを作る担当者にも合いますね。
最後は視野角のチェックです。正面、横、上から見ても四隅が暗くなったりせずにしっかりと見えます。
グラフィック性能
グラフィック性能が高いとOfficeを使った作業や複数画面での作業、そして画像編集や動画編集がしやすくなります。
色々なベンチマークがあるのですが、本機はエミュレーターで動いたので正確な性能を測れませんでした。肌感覚で言えば、結構高いグラフィック性能で、簡単な画像・動画編集くらいはできると思います。
いくつかのベンチマークのスクショを貼っておきます。
3D Graphics Markのスコアは2732。(Core i5-1335Uと同等)
Fire Strikeのスコアは6079。(Ryzen 5 8650HS並み)
FFXIV黄金のレガシーは6636でやや快適。(Ryzen AI 9 HX 370より10%弱低いスコア)
ドラゴンクエスト10ベンチマークは5548で快適。(Core i5-1335U並み)
排熱性能
底面カバーには大きな通気口があります。
筐体内部にはファンが一つとヒートパイプが二本で、なかなか良い排熱機構です。
Cinebench 2024というベンチマークソフトを実行中の様子です。スタート直後は368度(摂氏95度)ほどまで上がり、その後波を打ったように上下しながら343度(摂氏70度)ほどに下がり、ここを底値に上下に推移しています。
Snapdragon X Plus X1P-42-100搭載の別機種、そしてX Elite X1E-78-100搭載の別機種でも同様の傾向でした。
この排熱機構とスナドラの特性を考えるとこんなに上下するはずがないと思うのですが、他の2機種でも同じ動きなので、CPUの動作が安定していないのか、それとも温度計測アプリがスナドラではちゃんと動作しないのかなと思います。
この時のPC表面温度は、32.7°と低めでした。これを見ると、PCが熱すぎてクロックが落ちているわけじゃないようです。
同じくこの時の騒音値は平均32dBと、ファンの音は聞こえますがうるさいわけじゃありません。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
最新のLPDDR5X-8448MHz搭載で、オンボード32GBになります。Memory Markで計測したら、4229と過去最高のスコアでした。
ベンチマーク結果の中で上位99%という結果で、超高速メモリです。
その他のメモリとの比較です。
Memory Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
本機種 | |
---|---|
LPDDR5X平均 | |
DDR5平均 | |
LPDDR5平均 | |
LPDDR4X-4266MHz平均 | |
DDR4-3200MHz平均 |
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
搭載ストレージはSSDで、512GBか1TBになります。レビュー機は1TBで、シーケンシャル速度を計測したらリード(読み込み速度)は3391MB/秒、ライト(書き込み速度)は2941MB/秒とこのクラスのPCにしては期待外れでした。
ただし、一般的に見たら速い部類です。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 4.0×4 | |
---|---|
PCIe 3.0×4 | |
HDD |
起動時間を計測しましたが、思ったほど早くありませんでした。以前レビューをしたスナドラ搭載のCopilot+PCでもこのくらいの速度でした。インテルやAMD搭載のCopilot+PCでは10~15秒ほどなので、少しの差ですが本機は遅いですね。
1回目 | 19秒 |
---|---|
2回目 | 18秒 |
3回目 | 18秒 |
4回目 | 18秒 |
5回目 | 19秒 |
平均 | 18.4秒 |
インターフェイス
インターフェイスはミニマムで、ドックやアダプタがないと使いにくい場面が多々あるんじゃないかなと思います。
左側面にはUSB4(40Gbps 、Power Delivery、DisplayPort)とUSB Type-C(10Gbps 、Power Delivery、DisplayPort)になります。
右側面はヘッドフォン/マイクジャックと、USB A(10Gbps)になります。
もしくは、据え置き用として使うことが多い場合は、ドックがあると便利です。
サポート・保証
HPでは「1年間の使い方サポート」と「1年間の引き取り修理保証」が標準でついていて、電話やLINE、ツイッターでもサポートをしています。
購入時に詳しく書かれた「パソコン入門」もあるので、初めてパソコンを買う人でも設定から使い方まで、分かりやすいと思います。また、保証は最長3年まで延長でき、引き取り修理じゃなく出張修理もあります。
- 引き取り修理・・・指定業者がパソコンを引き取りに来て修理工場に配送、修理後配達される(期間内はパーツ代や配送代など無料)
- 出張修理・・・家や事務所に来て現場で修理。期間内は交換パーツ代など無料
ライバル機種
ライバル機種は、IntelかAMD搭載のCopilot+PCです。こちらであればOSはいつもと同じWindows 11なので、気にすることなく今まで使っていたソフトやアプリ、ドライバーが使えます。
Yoga Slim 7i Aura Edition Gen 9
最先端のAIソフトを詰め込んだ様な機種で、NPUは最大47TOPSとかなりハイスペックです。画面比が16:10の15.3インチで1.53㎏と軽く、バッテリー駆動時間は最大13.7時間と長時間作業ができます。筐体もコンパクトで薄い、そしてパワフルの機種です。ディスプレイはIPS液晶ですがPureSight Proディスプレイを採用しており、OLEDディスプレイとあまりそん色ないほど高品質です
CPU | Core Ultra 7 258V |
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メモリ | LPDDR5X 32GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
ディスプレイ(15.3型) | 2.8K IPS |
OS | Windows 11 Home |
無線 | Wi-Fi 7 |
生体認証 | 顔認証 |
WEBカメラ | FHD |
重さ | 約1.53㎏ |
バッテリー | 最大約13.7時間 |
価格 | 24.9万円~ |
OmniBook Ultra Flip 14-fh
今話題のAI PCで、コンパクトボディでちょっと軽めの14インチになります。最高でCore Ultra 9も搭載でき、メモリは最大32GB、2.8K OLED、そしてWi-Fi 7に900万画素と言う外付けカメラでもあまり見ない高解像度カメラが搭載です。
CPU | Core Ultra 5 226V Core Ultra 7 258V Core Ultra 9 288V |
---|---|
メモリ | LPDDR5x 16/32GB |
ストレージ | SSD 1TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14型) | 2.8K OLED |
無線 | Wi-Fi 7 |
カメラ | 900万画素+IRカメラ |
生体認証 | 顔認証、指紋センサー |
寸法(幅×奥行×高さ) | 313 × 216 × 14.9㎜ |
重さ | 1.34㎏ |
バッテリー | 20時間 |
価格 | 19.9万円~ |
OmniBook Ultra 14-fd
今話題のAI PCで、Arm版のSnapdragonじゃなくAMD Ryzenが搭載になります。これ、待ってる人多かったんじゃないでしょうか?仕事で使うのにOSがArm版だと使いにくいですしね。メモリは最大32GBと大容量で、なんと900万画素のWebカメラです!!4K解像度が約829万画素なので、900万画素って4K以上ですね。また、最新のWi-Fi 7にも対応しています
CPU | Ryzen AI 9 365 Ryzen AI 9 HX 375 |
---|---|
メモリ | LPDDR5x 32GB |
ストレージ | SSD 1TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14型) | 2.2K IPS タッチ |
無線 | Wi-Fi 7 |
カメラ | 900万画素+IRカメラ |
生体認証 | 顔認証 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 315 × 227 × 16.4㎜ |
重さ | 1.57㎏ |
バッテリー | 21時間 |
価格 | 18.9万円~ |
IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 9
IdeaPad初のCopilot+PCで、最大45TOPSを持つSnapdragon X Plus X1P-42-100搭載です。ディスプレイはWUXGAですが有機ELディスプレイで10bit(10.74億色)対応と、高品質です。しかもWi-Fi 7に対応し、今まで以上に高速通信が可能です。Copilot+PCと言えば価格が高いですが、本機は11万円台と比較的安く、学生にも手が出やすいと思います。
CPU | Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
---|---|
メモリ | LPDDR5X 16GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
ディスプレイ(14型) | WUXGA OLED 10bit |
OS | Windows 11 Home |
無線 | Wi-Fi 7 |
生体認証 | 指紋センサー |
WEBカメラ | FHD |
重さ | 約1.5㎏ |
バッテリー | 最大約14.1時間 |
価格 | 11.9万円~ |
まとめ
良い点
・コンパクトで若干軽い
・NPU搭載で今まで以上に便利に
・高級感のあるデザイン
・発熱が少ない
・ディスプレイが2.2Kと高精細
・画面比が16:10で、14インチでも15インチ並みの情報が表示される
・高画質500万画素Webカメラと便利な顔認証センサー
・バッテリー駆動時間がめっちゃ長い
・最新規格Wi-Fi 7に対応
残念な点
・Windows 11になってある程度は改善したものの、ARM版であることは依然としてデメリットになっている
・インターフェイスがミニマム
・ストレージの速度が上位モデルにふさわしいか疑問
総合評価
Copilot+PCなのでAIを活用して今まで以上に便利になった機種で、作業時間を短縮できるし、今までできなかったことがNPUのおかげでできるようになり、より楽しくPCを使えると思います。
スペック的にほぼ問題なく、あっ、ストレージが最新のPCIe 4.0じゃなく1つ前のPCIe 3.0規格かなという速度でしたね。ここ以外はツッコミどころもなく、全体的にハイエンドです。
ただし、Arm版のOSなので使えないドライバがあったり、エミュレーターで動いて本来の性能を発揮できないということもあります。
こんな人におすすめ | 理由 |
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外出が多い人 | コンパクトで1.32㎏と軽量だが、画面比が16:10で表示情報が多い。バッテリー駆動時間が激長! |
最先端のAI PCを使いたい人 | Copilot+PCで最大45TOPSのNPU性能を持つ |
高速無線通信が必要な人 | 最新のWi-Fi 7対応で、現在主流のWi-Fi 6/6Eの約5倍の最大通信速度 |
Webカメラをよく使う人 | Widows Studio Effectが使え、Webカメラは500万画素 |
とにかく高性能なPCが欲しい人 | CPU、メモリ性能は抜群 |
Arm版OSでも問題ない人 | Arm版OSを採用 |
ブロガー | コクリエイターやイメージクリエイターで必要な画像を作れる |