最新のRyzen 7000シリーズが搭載で、メモリ最大容量は32GBと大きく、高めのスペックにできます。
14インチで1.38㎏からと軽く、コンパクトな筐体なので、持ち運びが便利な機種です。
当サイトの評価はこのようになりました。本機にはHP Security Wolfが搭載しており、総合評価が高くなりました。
スペック | [usr 3.9] |
---|---|
コスパ | [usr 3.8] |
総合評価 | [usr 4.0] |
Contents
ProBook 445 G10のスペック
CPU | Ryzen 5 7530U Ryzen 7 7730U |
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メモリ | 最大32GB |
ストレージ | SSD 最大512GB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14型) | FHD UWVA 非光沢 |
OS | Windows 11 Pro Windows 10 Pro(11からのダウングレード) |
通信 | 1ギガビットイーサネット、Wi-Fi 6E |
生体認証 | 指紋センサー |
WEBカメラ | 720p HD |
セキュリティ | HP Wolf Security |
寸法(幅×奥行×高さ) | 321.9 × 213.9 × 19.9㎜ |
重さ | 約1.38㎏~ |
バッテリー | 最大約10時間45分 |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 8.2万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUは最新のRyzen 7000シリーズが搭載で、性能が高いRyzen 5か7になります。高負荷な作業をするビジネス用途でも十分使え、マルチタスクもサクサクできます。
メモリはDDR4-3200で、8GB(8GB×1)か16GB(8GB×2)のモデルが販売されていますが、最大32GBまで対応しています。
ストレージは高速データ転送速度があるM.2 SSDで、最大512GBと大容量です。
ディスプレイは標準的なFHD解像度で、UWVA(ウルトラ ワイド ビューイング アングル)というIPS液晶に似た視野角の広いパネルが搭載です。輝度は250ニトと低めなので、屋外では暗くて使いにくい時があります。
その他のスペックはWindows 11 Proか、Winodws 11からダウングレードをしたWinodws 10 Proが搭載で、指紋センサー搭載、無線はWi-Fi 6Eに対応しており、安定した高速通信が可能です。
バッテリー駆動時間は10時間45分と悪くなく、重さは約1.38㎏と軽いので、持ち運びが多い人に向いています。
2023年のトレンドと比較
2023年のノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。(〇/標準搭載、△/モデルによってはあり、×/なし)
Ryzen 7000 | DDR5 | PCIe 4.0 | アスペクト比16:10 |
〇 | × | × | × |
Wi-Fi 6E | 生体認証 | 輝度300nit以上 | 1080P Webカメラ |
〇 | 〇 | × | × |
重量1.4㎏前後 | バッテリー14時間以上 | ||
〇 | × |
旧モデルとの比較
<左/本機種・右/G9>
旧モデルはProBook 445 G9で、家電量販店などで販売されています。(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | G9 | |
CPU | Ryzen 5 7530U Ryzen 7 7730U |
Ryzen 3 5425U Ryzen 5 5625U |
メモリ | DDR4 32GB | |
ストレージ | SSD 512GB | SSD 256GB |
ディスプレイ | FHD UWVA 250nit | |
無線 | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 6 |
バッテリー | 10時間45分 | – |
重量 | 1.38㎏ | |
価格 | 321.9 × 213.9 × 19.9㎜ |
背面のロゴが変わりましたが、筐体自体は同じもののようです。
主な変更点です。
・CPUがRyzen 7000シリーズに
・SSDが倍増
・Wi-Fi 6Eに対応
・背面のロゴが変わった
こちらは、プロセッサーの性能を表すCPU Markスコアです。以前はRyzen 3とRyzen 5でしたが、新機種はRyzen 5とRyzen 7なので大きく性能が上がっています。
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・旧モデル
Ryzen 7 7730U | |
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Ryzen 5 7530U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 3 5425U |
ProBook 445 G10の特徴
HPビジネスノートは昔に比べ、ベゼル(画面の黒い枠)も細くなり、おしゃれになりましたね。
筐体もコンパクトで、寸法は
・幅 321.9
・奥行 213.9
・高さ 19.9㎜
となっています。A4サイズよりも若干大きな寸法で、かばんにも入れやすいサイズです。ただし、厚さは19.9㎜もあり、ちょっと厚めです。
左が本機G10で、右はProBook G9シリーズですが、G10から背面のロゴが変わり、以前のおぜじにもかっこいいと言えない2色から、変更になりました。
個人的にはロゴが変わったおかげで、企業だけじゃなく、社会人も個人的に買うことが多くなるんじゃないかなと思います。
MILスペック
本機は2万時間に及ぶ品質テストや、12万時間を超えるHP独自の総合テストををクリアしており、19項目のMIL規格と言う米軍の物資調達規格に準拠しており、落下テストや気温・気圧の変化テスト、ディスプレイ部の耐久性など様々なテストもクリアしています。
Webカメラ周り
WEBカメラはHD 720pで、FHD解像度ではありません。ProBookクラスのビジネスノートなら、高画質FHD Webカメラが合ったらうれしかったですね。
また、WEBカメラには物理シャッターが付いており、カメラを使わないときは閉じておくと安心です。
他には内蔵スピーカーと、ノイズリダクション機能付き内蔵デュアルマイクを搭載し、Web会議なども普通にできます。
キーボード
フルサイズのキーボードを採用し、右側にあるenterキーが異常に大きく変ですが、ミスタイプしにくいです。主要キーも同じ大きさなので、ミスすることが少ないと思います。
電源ボタンはdeleteキーの左側にありますが、長押ししないと反応しないので、間違って消すこともないと思います。
キーピッチ(キーの中心から次のキーの中心までの距離)は18.7×18.7㎜で、十分な幅があります。また、キーストローク(キーを押し込む距離)は1.5㎜と浅くもなく深くもないので、入力しやすいですね。
Ryzen 7000シリーズ搭載
Ryzen 7 7730U | Ryzen 5 7530U | |
製造プロセス | 7nm | |
アーキテクチャ | Zen 3 | |
コア/スレッド | 8/16 | 6/12 |
L3キャッシュ | 16MB | |
ベースクロック | 2.0Hz | |
ブーストクロック | 4.5GHz | |
GPUコア | 8 | 7 |
TDP | 15W |
プロセッサーはコアとスレッド数が違いますが、クロック数は同じです。
アーキテクチャはZen 3、Ryzen 7000シリーズの中位モデルになります。ビジネス用途で十分な性能があり、高負荷なマルチタスクにも耐えることができます。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアです。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 14000~・ハイエンドPCに搭載される
- 15000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i5-1340P | |
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Ryzen 7 7730U | |
Core i5-1345U | |
Ryzen 5 7530U | |
Core i7-1365U | |
Ryzen 5 Pro 5675U | |
Ryzen 3 7330U | |
Ryzen 3 PRO 5475U |
当サイトでは、ビジネスPCの場合はスコア1万以上を推奨していますが、どちらも余裕で超えていますね。
サクサク使えるので、困ることはないと思います。
ディスプレイ
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 |
14型 FHD | なし | UWVA | 250nit |
ディスプレイは一般的なFHD(1920×1080ドット)解像度で、UWVA(ウルトラ ワイド ビューイング アングル)液晶になります。
UWVAはIPS液晶みたいに高視野角で、IPS液晶と似ています。ただし、IPS液晶の方が発色もよく、若干高い品質です。
輝度は250ニトと低めですが、屋内で使う分には問題ない明るさです。屋外では、暗くて見にくいと思うことがあります。
低価格のHPシリーズじゃなく、上位モデルのProBookなので、せめて輝度は300ニト欲しかったですね。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリはDDR4-3200MHzで、最大16GBモデルが販売されています。ただし、PCはメモリ最大32GBに対応しているので、増設・換装も可能です。
8GBモデルはメモリ1枚、16GBモデルはメモリ2枚(8GB×2)になっており、メモリは1枚よりも2枚の方が処理速度が速いので、8GBモデルを購入した場合は、8GBメモリを追加できます。
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
ストレージは高速データ転送速度があるM.2 SSDが搭載で、最大512GBと大容量です。パソコンの起動やデータ移動なども速く、サクサク快適に使えます。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 3.0×4 | |
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HDD |
セキュリティ
セキュリティはHP Wolf Security for Businessが搭載で、包括的なセキュリティになっています。
- HP Sure Sense・・・ディープラーニングを活用したリアルタイム検知機能があり、悪意のあるファイルを検出し、マルウェア、ゼロディ攻撃、ランサムウェアなどからPCを守るセキュリティ機能
- HP BIOSphere Gen6・・・ウイルスやマルウェアによる不正なBIOSの書き換えや、破損からシステムを保護
- HP Sure Click・・・Web閲覧のセキュリティ強化で、タブを閉じるだけでマルウェアが消滅する
- HP Sure Start Gen 6・・・自動復旧機能で攻撃を受けても自動でリカバリ
- HP Client Security Software・・・パスワード関係などのセキュリティ機能
- HP Secure Erase・・・BIOSの中のSecure Eraseを使って内蔵ドライブのデータを完全に削除することが出来る
- ナノセキュリティロックケーブルスロット・・・盗難や持ち運び防止用のセキュリティワイヤーを使うスロット
- TPM・・・独立して機能するチップで、パスワードなどの重要情報を格納できる
- Windows Defender・・・Windows搭載のセキュリティ機能で、マルウェアなどのウイルスからパソコンを守ってくれる
Wi-Fi 6Eに対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6Eに対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができるのですが、執筆時現在の日本では6GHz帯はまだないので使えません。最大で5GHz帯になります。
バッテリー駆動時間
バッテリーは42Whrで、最大10時間45分のバッテリー駆動時間があります。
やっていることや輝度に夜も寄りますが、半日くらいは使えるくらいのバッテリー容量です。丸一日外出するような人は、ACアダプタも一緒に持ち運んだほうが良いです。
インターフェイス
インターフェイスは豊富で、ビジネス用途でも十分になっています。
左側面にはセキュリティロックケーブルスロット、RJ45、そしてUSB-Aになります。
右側面はヘッドフォン/マイクジャック、HDMI 2.0、USB A×2、USB Type-C(Power Delivery + Display ポート機能付き)、そして電源コネクタになります。
サポート・保証
HPのサポートは、電話・チャット、メール・LINEなどでやっており、対応時間は月-金9:00-21:00、土9:00-17:00になります。一番うれしいのは、電話した時に「その件でしたらこちらの部署におかけ直しください」と言う定番の文句が出てこないことですね。たらいまわしを回避し、1つの窓口で対応してくれます。また、サポートは国内になります。
保証は1年間引き取り修理が付いており、最長4年に延長ができます。また、オンサイト修理という保証にもアップグレードできます。
- 引き取り修理・・・指定業者がパソコンを引き取りに来て修理工場に配送、修理後配達される(期間内はパーツ代や配送代など無料)
- 出張修理/オンサイト修理・・・家や事務所に来てその場で修理。期間内は交換パーツ代など無料
- アクシデントサポート・・・標準保証ではカバーされない水濡れや落下破損、盗難などに対応
保守拠点は国内に420か所以上あるので、修理も速いです。
また、他にも有料サポートが多くあるので、公式サイトを確認してみてください。
ライバル機種
ThinkBook 14 Gen 5(AMD)
本機と同じCPUを搭載しており、その他のスペックや品質は本機以上です。ディスプレイも高品質のIPS液晶で、WEBカメラはFHD解像度、バッテリー駆動時間も長いです
CPU | Ryzen 3 7330U Ryzen 5 7530U Ryzen 7 7730U |
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メモリ | 最大32GB |
ストレージ | 最大SSD×2 |
ディスプレイ(14型) | FHD IPS液晶 タッチあり |
通信 | Wi-Fi 6E、ギガビットイーサネット |
生体認証 | 指紋センサー |
WEBカメラ | FHD 1080p |
重さ | 1,4kg |
バッテリー | 最大約13.4時間 |
価格 | 7.7万円~ |
Thinkbook 13x Gen 2
Evoプラットフォーム認証を得た初のThinkBookで、省電力CPUを搭載し、1.2㎏と軽量コンパクトモデルです。13.3型ですが画面比が16:10と縦に長く、14インチ以上の情報が表示されます。インターフェイスはUSB4が2つだけと少ないですが、持ち運び用としては問題なく、ドックを持っていたら、据え置き用としても使いやすいです
CPU | Core i5-1235U |
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メモリ | 16GB |
ストレージ | SSD 512GB |
ディスプレイ(13.3型) | WQXGA IPS sRGB 100% 400nit 光沢なし |
無線 | Wi-Fi 6E |
生体認証 | 顔認証、指紋センサー |
Evoプラットフォーム認証 | 〇 |
重さ | 1.2㎏ |
バッテリー | 最大約20.3時間 |
価格 | 9.9万円~ |
まとめ
良い点
・小型軽量で持ち運びがしやすい
・メモリが最大32GBと大きく、増設換装もできる
・指紋センサー搭載
・HP Security Wolf搭載
残念な点
・ディスプレイがちょっと低品質
・WEBカメラがHD 720p
総合評価
メモリが大きく、高性能のRyzen 7000シリーズが搭載で、実務に関するスペックは高めです。使用していて、スペックが足りないと思うことはないと思います。
また、包括的なセキュリティであるHO Wolf Security搭載で、安心して重要なデータを扱うことができます。
ただし、ディスプレイの輝度が低く、屋外での作業には不向きで、WEBカメラはここ最近の上位モデルに搭載するFHD解像度ではないので、ちょっと残念です。
カメラは外付けFHDカメラを買えば解消されるし、あまりWeb会議がない人であれば気にならないと思います。