WiFi6にLTEも搭載可能と、外出先での無線通信は最高クラスの環境で、小型軽量の2 in 1 PCで場所を選ばずに使えるので、持ち運びが多いビジネスパーソンは特に使いやすくなっています。
また、内蔵マイクが4つの360度全方位マイクなので、ZoomやChatwork、Skypeなどのビデオ通話で声が相手に伝わりやすいです。
アルミニウムを使った筐体で耐久性も高く、セキュリティやサポートも万全なので、長く安心して使える機種です。
Contents
EliteBook x360 1040 G7のスペックレビュー
発売日 | 2020年11月 |
---|---|
カラー | シルバー |
CPU | Intel core i5-10210U Intel core i7-10710U |
メモリ | 最大16GB |
ストレージ | SSD 最大512GB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14型) | フルHD IPS 非光沢 タッチディスプレイ 1000nit(HP Sure Viewあり) |
OS | Windows 10 Pro |
無線 | WiFi6、Bluetooth 5搭載、LTEモデルあり |
その他 | 指紋センサー、顔認証、Office Home &Business 2019搭載可能 |
セキュリティ | HP Sure Sense, HP Biosphere Gen5, HP Sure Startなど |
バッテリー | 最大15.9時間 |
寸法 | 319.3×202.6×16.6㎜ |
重さ | 1.34㎏ |
保証・サポート | 1年間引き取り修理・エリートプレミアムサポート |
価格 | 15万3780円~ |
パソコンの頭脳であるCPUには第10世代のインテルが搭載で、Core i7は性能が特に高いモデルが搭載です。HPのビジネスモデルとしては、最高峰の性能です。
メモリは最大16GBと大きく、ストレージは高速起動が可能なM.2 PCIe NVMeが搭載です。データ移動も速いし、パソコンの起動は10秒ほどです。
ディスプレイは高解像度のフルHDで、コントラスト比が高く、視野角も広いIPS液晶になっています。また、ディスプレイの輝度が1000nitとかなり高いので、日中の日が当たる場所でもディスプレイが見やすいです。
インターフェイスも豊富で、USB-AにUSB-C(Thunderboltが2つ!!)、そしてHDMIもあるので、困ることはないと思います。ただし、SDカードリーダーがないので、これだけは変換ポートが必要です。
HPのビジネスモデルと言えば「独自セキュリティが豊富」で、ここまで強固なセキュリティを標準搭載してモデルは、そうそう見ないですね。安心して使えます。
Eliteシリーズは上位サポートが付いており、ビジネスサポートの中でもワンランク上のサポートになっています。
SDカードリーダーがないことを除けば、特段マイナスポイントが見つからない「完成された機種」だと思います。
旧モデルとの比較
<左・本機種/右・G5>
旧モデルのElitebook x360 1040 G5との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | X360 1040 G5 | |
CPU | Core i5-10210U Core i7-10710U |
Core i5-8250U Core i7-8550U/8650U |
メモリ | 16GB | 32GB |
ストレージ | SSD 512GB | SSD 1TB |
ディスプレイ | FHD IPS | FHD IPS |
無線 | WiFi6、4G LTE | WiFi5、4G LTE |
バッテリー | 15.9時間 | 11.1時間 |
重量 | 1.34㎏ | 1.42㎏ |
価格 | 15.3万円~ | 販売終了 |
CPUが第8世代から10世代に変わり筐体も小型軽量化されていますが、バッテリ駆動時間は40%ほど増え、メモリとストレージの最大容量が減っていますね。まぁこの機種で、メモリ32GBは必要ないと思うので影響は軽微だと思います。
14型で1.34㎏と軽量なので、持ち運びがしやすくなっていますね。
こちらはCPUの性能を表すPassmarkスコアです。
[visualizer id=”18300″ lazy=”no” class=””]第8世代から10世代に上がっているので、大きく性能がアップしていますね。Core i5でもスコア約6400もあるので、ビジネス用途でも使いやすくなっています。
ライバル機種
<左から本機種・Probook x360 435 G7・Lenovo ThinkPad X1 Carbon>
本機種と似たような機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)
本機種 | Probook x360 435 G7 | ThinkPad X1 Carbon | |
CPU | Core i5-10210U Core i7-10710U |
Ryzen 3 4300U Ryzen 5 4500U |
Core i7-1165G7/1185G7 Core i5-1135G7/1145G7 |
メモリ | 16GB | 16GB | 32GB |
ストレージ | SSD 512GB | SSD 512GB | SSD 2TB |
グラフィックス | UHDグラフィックス | 内蔵グラフィックス | Iris Xe |
ディスプレイ | FHD 画面比16:9 |
FHD IPS 画面比16:9 |
FHD/UHD相当 画面比16:10 |
無線 | WiFi6、4G LTE | WiFi6 | WiFi6、4G/5G LTE |
バッテリー | 15.9時間 | 17時間 | 26時間 |
重量 | 1.34㎏ | 1.45㎏ | 1.13㎏~ |
価格 | 15.3万円~ | 8.5万円~ | 16.2万円~ |
本機種のような14型の2 in 1 PCでLTE搭載モデルって、少ないんですよね。なので、比較機種のThinkPadのみ2 in 1 PCでなく普通のノートパソコンになります。
HPの機種は2 in 1 PCなので使い勝手も高く、ペンを使ってメモ取りやイラストを描いたりもできます。また、「世界で最も安全なビジネスノート」と宣伝しているくらい堅牢なセキュリティソフトが付いています。
ThinkPadはタイピングがしやすいと有名なキーボードが搭載で、超小型軽量、バッテリー駆動時間も最大26時間と長いです。また、画面の縦横比が通常の16:9じゃなく16:10なので、縦に表示される情報量が15型並みにあります。
こちらはCPUの性能を表すPassmarkスコアです。
[visualizer id=”18306″ lazy=”no” class=””]Ryzenやインテル11世代のThinkPadと比べると見劣りしますが、スコア7000あればビジネス用途でも快適に使え、1万オーバーとなるとかなり高い性能なので、本機種搭載CPUも高い性能があります。
購入のポイント
- 本機種・・・レアな14型2 in 1 PCでLTE搭載モデル。バッテリー駆動時間も十分にあり、比較的軽い
- Probook x360 435 G7・・・LTEは無いが2 in 1 PCで、CPU性能も高め。LTEが必要ないならこれがいいかも
- ThinkPad X1 Carbon・・・超小型軽量モデルで抜群の性能。ただし、2 in 1 PCじゃない。
メリット・デメリット
良い点
・小型軽量で持ち運びがしやすい
・アルミニウム素材で高級感がある
・WiFi6にLTEもあり
・2 in 1 PCで使い勝手が高い
・Thunderbolt 搭載
悪い点
・CPUにインテル11世代搭載だったら嬉しかった。
この価格でこの性能や機能があるので、上記以外に特に悪いと思う点はありません。あえて言えばSDカードリーダーがあったら使いやすい人も増えたかもです。
EliteBook x360 1040 G7の特徴
これ、気付きました?MILスペックに準拠したビジネスモデルってどこのブランドでも同じですが、ベゼル(画面の黒い枠)が太いんですよね。でも、本機種は極薄なんです。
画面占有率が89%とかなり大きく、前モデルと比べると、上部のベゼルは44%、下部のベゼルは21%、左右のベゼルは18%、それぞれ薄型化されています。
すごいですね。今まで「HPのビジネスモデルと言えばおしゃれじゃない」と言うイメージを持っていた人もいると思いますが、昔の話ですね。
寸法は幅319.3㎜、奥行き202.6㎜、厚さ16.6㎜と、14型ノートパソコンとしては合格点以上の小型化に成功しています。
大学ノートA4サイズ(297㎜x210㎜)と比べると、幅+約2.2㎝、奥行き-0.74㎝と小さいのが分かります。
厚さ(高さ)も16.6㎜と小さく、一円玉(直径20㎜)の約3/4サイズです。今お使いのビジネスバックに、すっぽり入ると思います。重量もたったの1.34㎏なので、持ち運びがしやすいですね。
細かな配慮がされた機種で、ディスプレイ部分(開閉部分)に角度が付いているので、片手でも開けやすいです。
また、パソコンを閉じても超省電力状態のまま通信を行い、次にパソコンを開いたときはメールなどの情報がアップデートされている「コネクテッド・モダンスタンバイ」にも対応しているので、顔認証と合わせて、「パソコンを開いたらすぐに使い始めたい」人にはうってつけの機種です。
素材
素材はアルミニウムの塊からCNC精密加工によって削り出し、たわみに強く軽量、耐久性も高い筐体になっています。ブラッシュアップ仕上げにより、見た目も上品で、高級感がありますね。
2 in 1 PC
HPでx360と言えば、2 in 1 PCのことを指します。ディスプレイ(ヒンジ)が360度回転するので、色々な形状にして使うことができます。
<テントモード>
ソファやベッドに寝転がって使うときは、テントモードだと底面の吸気口を塞がないので、筐体が熱くなりにくく、使いやすいです。
<タブレットモード>
移動中の車内やベンチに座っているときなど、タブレットの様にして使えるタブレットモードだと、使いやすいです。
この他にも、通常のノートブックモードでがっつり作業をしたりと、状況に合わせて形を変えることができます。
アクティブペン
本機種はアクティブペンに対応したディスプレイですが、ペンは付属されていないので、必要な場合は別途購入することになります。
公式サイト内に、↑このように紹介している箇所があるのですが、こちらから購入すると「税込み1万1000円」で、本機種を購入するカスタマイズページから購入すると「税込み7040円」なので、購入の際はお気をつけて。
HPリチャージャブル アクティブペン G3は充電式で、4096段階の筆圧を感知し、傾き検知もあります。
オーディオ
オーディオは「デンマークの老舗高級オーディオメーカー・バング&オルフセン」を採用し、キーボード左右に2つのスピーカー、底面にも2つのスピーカーがあるので、音質は標準以上です。
<キーボード横のスピーカー>
<底面のスピーカー>
また、天板に2つのマイク、ディスプレイ側にも2つの合計4つのマイクで360度をカバーするので、複数人で本機種1台使うようななビデオ会議でも、皆の声がクリアに相手に伝わります。
キーボード
キーボードはエンターキーやバックスペースキーがかなり大きくなっており、手が小さな人でも、大きな人でも使いやすいと思います。
キーピッチ(キーの中心から上下左右の次のキーの中心までの距離)は18.7×18.7㎜と標準的なサイズなので、普通にタイピングもしやすいです。
キーストローク(キーを押し込む距離)は1.3㎜と若干浅いので、軽めのタイピングだとタイプしやすいです。
耐久性
HPのビジネスノートでは12万時間を超える耐久性や衝撃・振動テストを実施しており、それに加えて米軍の物資調達規格であるMIL-STD 810Hの19項目のテストもやっています。耐久性、堅牢性は高いです。
CPU
Intel core i5-10210U | Core i7-10710U | |
製造プロセス | 14nm | 14nm |
コア/スレッド | 4/8 | 6/12 |
ベースクロック | 1.6GHz | 1.1GHz |
ターボブースト時 | 4.2GHz | 4.7GHz |
キャッシュ | 6MB | 12MB |
TDP | 15W | 15W |
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCなど専門的な機種に搭載されることが多い
(グラフをタップすると数値が表示されます)
[visualizer id=”16302″ lazy=”no” class=””]Core i5でも6510と比較的高い性能があり、ビジネス用途でもそこまでストレスを感じることはないと思います。Core i7は一般的に使用されるCore i7-10510U(スコア7349)じゃなく、スコア1万オーバーのCore i7-10710Uと言うハイスペックモデルなので、「とにかく快適に使いたい人向け」です。
「コアとスレッド」は並行作業がやりやすいかどうかの目安になるのですが、Core i5は4コア8スレッド、Core i7は6コア12スレッドになっています。4コア8スレッドでも大きいですが、より多くのソフトやタブを開いて同時に使う場合は、Core i7の方がより快適です。
<アプリの数は例です>
ディスプレイ
インチ | 解像度 | 液晶・光沢 | 輝度 | タッチディスプレイ | HP sure View |
14インチ | フルHD 1920×1080 |
IPS・なし | 1000nit | 〇 | 〇 |
ディスプレイは高解像度のフルHDで、視野角が広くコントラスト比が高いIPS液晶が使用されています。また、標準的なディスプレイは輝度が250~300nitくらいですが、本機種は輝度が1000nitもあるので、日中の日が当たるような場所でも、ディスプレイが明るくて見やすいです。
<Sure view ON>
HP Sure ViewをONにすると後ろからのぞき見できなくなるので、カフェなどの公共の場で使用するときは便利です。
キーボード上部には「プライバシーシャッター」ボタンがあり、ディスプレイ上部のWebカメラを使用していない時や離席中はシャッターを閉じてプライバシーを守ることができます。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する場所で、パソコンの作業台になります。作業台が大きいとより大きなデータや、より多くのことがやりやすくなります。
本機種はCore i5モデルが8GB、Core i7モデルが16GBでどちらもオンボードなので、メモリの増設はできません。
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動なんかにも関わってくるパーツなんですね。
SSD(PCIe NVMe) | HDD | |
最大データ転送速度 | 16Gbps~32Gbps | 6Gbps(SATA接続) |
平均起動時間 | 10秒~15秒 | 30秒~2分(新品の場合) |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい |
価格 | 高い | 安い |
ストレージはCore i5モデルがSSD 256GB、Core i7がSSD 512GBになります。256GBモデルだと若干不安がある人もいると思いますが、その場合は外付けHDDを使うか、公式ページで紹介されている「AOS BOX Cool」と言うクラウドサービスを使用すると、より多くのデータが保存できます。
LTE
LTEはnanoSIMを使ってスマホの様に常時インターネットに接続できる機能で、インテルのXMM 7360 LTE-Advancedが搭載可能です。
下り(受信)最大450Mbps、上り(送信)最大50Mbpsと、速いですね。
各キャリアの重要なバンドは以下になり、すべて対応しています。
- docomo・・・1,3,19,21
- au・・・1,18
- softbank・・・1,3,8
WiFi6
WiFi6は次世代通信規格で、前世代の最大通信速度(6.9Gbps)よりも約40%速い9.6Gbpsになります。
また、一度に電波を飛ばせるデバイスの量が増えたので、混雑している回線でも安定して、より高速な通信が可能になっています。
セキュリティ
世界で最も安全なビジネスPCをうたっているだけあり、HP独自の堅牢なセキュリティが搭載です。
- HP Sure Sense・・・ディープラーニングを活用したリアルタイム検知機能があり、悪意のあるファイルを検出し、マルウェア、ゼロディ攻撃、ランサムウェアなどからPCを守るセキュリティ機能
- HP BIOSphere Gen5・・・ウイルスやマルウェアによる不正なBIOSの書き換えや、破損からシステムを保護
- HP Sure Click・・・Web閲覧のセキュリティ強化で、タブを閉じるだけでマルウェアが消滅する
- HP Sure Start Gen6・・・自動復旧機能で攻撃を受けても自動でリカバリ
- HP Sure Run Gen 3・・・ウイルス対策ソフトやOSのセキュリティ機能をOFFにさせない
- HP Sure Recover Gen3・・・OSがウイルスに感染した場合でも、正常な状態に自動リカバー
- HP Client Security Maneger Gen6・・・パスワード関係などのセキュリティ機能
- HP Secure Erase・・・BIOSの中のSecure Eraseを使って内蔵ドライブのデータを完全に削除することが出来る
- セキュリティナノロックケーブル用スロット・・・盗難や持ち運び防止用のセキュリティワイヤーを使うスロット
- TPM・・・独立して機能するチップで、パスワードなどの重要情報を格納できる
- Windows Defender・・・Windows搭載のセキュリティ機能で、マルウェアなどのウイルスからパソコンを守ってくれる
インターフェイス
右側面インターフェイスは、左からThunderbolt(USB-C)が2つ、HDMIにUSB-3.1 Gen1が搭載です。Thunderboltが2つあるのは嬉しいですね。
左側面には、USB-A 3.1 Gen1、ヘッドフォン/マイクジャック、SIMカードスロット(WWANモデルのみ)、ロックケーブル用スロットです。
SDカードリーダーがないのが残念ですが、比較的充実したインターフェイスになっています。
保証・サポート
Eliteシリーズは、他のビジネスモデルよりも上位のPremiumサポートが標準で付属しており、最長5年まで延長できます。
受付時間は、平日朝8時~夜9時、土曜日は朝8時から夕方5時半までで、1つの窓口で解決してくれます。たらいまわしがないので、スピーディーだし安心ですね。
また、修理保証は1年間取り修理で、HP指定業者が自宅や会社にPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれます。最長5年まで延長でき、保証期間内はパーツ代や輸送費は無料です。
オンサイト修理という「エンジニアが指定住所に来て修理」をする保証にアップグレードでき、こちらも最長5年まで延長できます。
まとめ
大きな波がなく全体的にまとまった構成で、個人的にはSDカードリーダーがないこと以外は、欠点らしき欠点は無いと思います。
今までのビジネスモデルに比べ格段におしゃれになったし、2 in 1 PCなのでより使いやすい機種ですね。
比較的小さく軽いので、持ち運びも便利だし、顔認証にコネクテッド・モダンスタンバイ機能もあるので、パソコンを開いたらすぐに作業ができるのも嬉しいですね。