HPのビジネスノートのハイエンドモデルであるEliteBookは、サポートが手厚くセキュリティも豊富で、MILスペックのテストもクリアしているほどの堅牢性を兼ね揃えた機種です。
13.3型でコンパクト・軽量モデルなので、移動が多く、屋外でパソコンを使う機会が多いというビジネスパーソンに特におすすめの機種です!
本機種は完売になり、後継機種のEliteBook 830 G7が販売されました!
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HP EliteBook 830 G6のレビュー
CPU | Intel core i3-8145U Intel core i5-8265U Intel core i7-8565U |
---|---|
メモリ | 最大32GB |
ストレージ | SSD 最大2TB |
ディスプレイ(13.3型) | FHD IPS 光沢なし |
無線 | WiFi6、Bluetooth 5.0 |
WWAN(LTE) | 搭載モデルあり |
OS | Windows 10 Pro、Home |
セキュリティ | TPM、HP Sure sense、HP BIOSphere Gen 5、HP Sure Click、プライバシーシャッターなど |
有線LANポート | あり |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証(IRカメラ) |
光学ドライブ | 搭載可能 |
オーディオ | ノイズキャンセル機能、360方位マイク |
Microsoft Office | 搭載可能 |
寸法 | 310.4×229.3×17.7mm |
重さ | 1.42kg |
バッテリー | 最大14.3時間(JEITA測定) |
価格 | 税込)16万4780円~ |
EliteBookにしては比較的まともな性能で、低価格になっています。と言うのも、Eliteはサポートがかなり手厚いのでスペックのわりに価格が高いのですが、本機種は最低価格が7万9800円(税別)と安くなっています。
プロセッサーは第8世代のCPUですが、Core i5以上を選ぶとビジネス用途でも困ることはない性能です。
メモリも2400MHzですが、32GBまで搭載できるのでデータ処理も速いですね。
ディスプレイは通常モデルが250nitなので、外で使うと若干暗いと思うときがあると思います。ただし、Sure View搭載モデルが1000nitとなっているので、こちらであれば日中の外でも比較的見やすいです。
LTE搭載モデルもあるのでので、移動が多い人でも常時インターネットに接続できます。わざわざインターネットを求めてカフェに行く必要もありません。
またWiFi6も搭載なので、混み合った回線でもスムーズに使えます。
セキュリティは、さすがHPのビジネスモデルって感じですね。堅牢です。ここまでの独自セキュリティを標準搭載している同業他社は見当たりません。
最初に本機種の評価を言うと、本機種のみならずHPのビジネスPCは低スペック高価格です。CPUもメモリもディスプレイももっとまともなものを搭載できるはずですが、サポートやセキュリティにお金がかかるのでこうなっていると思います。
本機種は法人で、絶対的なサポートが欲しいという以外は購入する価値はあまりありません。第11世代CPU搭載のビジネスモデルのThinkPadやThinkBookを購入した方が安いし、ハイスペックです。
それでも人気なのは、以下に紹介するサポートとセキュリティが豊富だからです。
EliteBook 830 G6の特徴
本機種はHPのビジネスモデルにしてはベゼル(画面の黒い枠)が狭く、おしゃれな見た目です。(HPのビジネスモデルの筐体は古いのか分かりませんが、いつも型遅れな外観をしているんです)
寸法は幅310.4㎜、奥行き229.3㎜、そして厚さが17.7㎜となっていて、13.3型としては若干大きいです。
他のビジネスモデルと比較してみると、分かりやすかもしれません。
重さ | 幅 | 奥行き | 厚さ | |
本機種 | 1.42kg | 310.4㎜ | 229.3㎜ | 17.7㎜ |
ThinkBook 13s gen 2 | 1.26kg(-160g) | 299㎜(-11.4㎜) | 210㎜(-19.3㎜) | 14.9㎜(-2.8㎜) |
ThinkPad X390 Yoga | 1.29kg(-130g) | 310.4㎜(±0㎜) | 219㎜(-10.3㎜) | 15.95㎜(-1.75㎜) |
ThinkPad X13 Gen 1 | 1.18kg(-240g) | 311.9㎜(-1.5㎜) | 217㎜(-12.3㎜) | 16.5㎜(-1.2㎜) |
まぁ、大きめですね。
あまり気にならないかもしれませんが、厚さ17.7㎜と言ったら薄めの15.6型クラスか、標準的な14型クラスです。
ちょっと今まで筐体について悪い面を紹介しましたが、ボディはCNC削り出しのアルミニウム合金なので高級感があり、耐久性・耐食性に優れています。
また、マイクが3つも搭載されているので360度方位の音を拾い、グループでのビデオ会議でも、どの位置に座っても声が通りやすくなっています。音声以外のノイズを除去する「ノイズキャンセリング機能」もあるので、雑音がひどくて音が聞こえないということも減ります。
キーボード
キーピッチは18.7mmとタイピングしやすい幅で、キーストロークは1.5mm〜1.7mmと比較的深いです。キーストロークが深いと打感がよく、押しごたえがあるんですね。
また、どこか見覚えがあるようなトラックポイント(←この呼び名はオリジナル)ポイントスティックがあるので、手がホームポジションから離れずに使うことができます。(これ、ここまで似たもの作って、大丈夫なんでしょうかね?)
クリックボタンも2つあり、よりThinkPadっぽくなっています。
ディスプレイ
ディスプレイは数種類あるので、これによって買うモデルを決めるかもしれません。
Sure View | 解像度 | 液晶 | 輝度 | 光沢 | |
WiFiモデル | |||||
Core i3/i5/i7 | 無し | 1920×1080 | IPS | 250nit | 無し |
Core i5 | あり | 1920×1080 | IPS | 1000nit | 無し |
LTEモデル | |||||
Core i5/i7 | 無し | 1920×1080 | IPS | 400nit | 無し |
Core i7 | あり | 1920×1080 | IPS | 1000nit | 無し |
基本的にどのディスプレイもFHD IPS液晶なので高画質ですが、輝度が250nitと言うのは屋外で使うにはちょっと薄暗いと感じる人もいると思います。室内でも日中の明るい時は薄暗いかもしれません。
かく言う私は、一度250nitのノートパソコンを買いましたが普段使っていたものが300nitのため、暗すぎて目が痛くなったので返品したことがあります。
もしかしたら、古いパソコンから買い替える場合は問題ないかもしれませんが、今使っている、もしくは今まで使っていたディスプレイの輝度が高い場合はストレスになるかもしれません。
<左Sure View OFF・右Sure View ON>
HP Sure Viewという「覗き見防止機能」が搭載しており、カフェや電車内など周りに人がいるときには機能をONにすると視野角が狭くなるので、横から覗き見できない仕組みになっています。
ただし、視野角だけでなく輝度も落ちるので、明るさ設定が低いと正面からでも見にくくなります。
また、前面カメラにPrivacyShutterという物理カバーがあるので、使用していないときは閉じて、プライバシーを守ることができます。
サポート
HPのサポートは手厚いと有名ですが、Eliteシリーズ購入の場合は更にひとつ上のElite Premiumサポートが受けられます。
- サポート受付時間が長い(平日朝8時〜21時・土曜朝8時〜17時30分まで)
- 1つの窓口で対応(たらい回しなし)
- サポートセンターは日本で、熟練エージェントが対応(普通は中国などのコールセンター)
- 60分で解決しない場合は、マネージャーへ報告し対応
- 修理→発送手配を3営業日で実施
法人はもちろん、個人でもこのサポートは助かりますね。
MIL規格
MIL規格とは「米軍の物資調達規格」で、簡単に言うと米軍が紛争地に持って行っても使える品質があるということですね。
落下テストや衝撃、振動テストなんかも行っているので、安心して使えますね。
セキュリティ
セキュリティはかなり豊富で、HP独自のものが多いので堅牢です。
- HP Sure Sense・・・ディープラーニングを活用したリアルタイム検知機能があり、悪意のあるファイルを検出し、マルウェア、ゼロディ攻撃、ランサムウェアなどからPCを守るセキュリティ機能
- HP BIOSphere Gen5・・・ウイルスやマルウェアによる不正なBIOSの書き換えや、破損からシステムを保護
- HP Sure Click・・・Web閲覧のセキュリティ強化で、タブを閉じるだけでマルウェアが消滅する
- HP Sure Run・・・OSの重要な機能や設定を構成時の状態に維持し、万が一設定が無効になった場合は再起動し、安全な状態に戻す
- HP Sure Recover・・・OSがウイルス感染しても自動的にリカバリーする
- HP Sure Start・・・自動復旧機能で攻撃を受けても自動でリカバリーする
- HP Client Security Software・・・パスワード関係などのセキュリティ機能
- HP Secure Erase・・・BIOSの中のSecure Eraseを使って内蔵ドライブのデータを完全に削除することが出来る
- ナノセキュリティロックケーブルスロット・・・盗難や持ち運び防止用のセキュリティワイヤーを使うスロット
- TPM・・・独立して機能するチップで、パスワードなどの重要情報を格納できる
- Windows Defender・・・Windows搭載のセキュリティ機能で、マルウェアなどのウイルスからパソコンを守ってくれる
セキュリティはかなり多いので、詳しくはこちらからどうぞ。
CPU
本機種では第8世代のCPUを搭載ですが、LTEモデルは法人などでパソコンを一元管理しやすいvProに対応しています。
下のグラフはCPUの性能を表すPassmarkスコアで、赤が本機種搭載CPUです。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
↓グラフをタップすると数値が表示されます↓
[visualizer id=”13634″ lazy=”no” class=””]Core i5とi7は比較的高い性能なのでビジネス用途でもがっつり使えますが、Core i3は調べ物をしたり、簡単な資料作成などであればそこまで遅いと感じないと思います。(おすすめはしませんが)
メモリ
メモリはDDR4-2400MHzでメモリスロット2つで、最大32GBまで搭載できます。
動作周波数(MHz)が高いと処理速度も速いのですが、本機種は2018年だったらぼちぼち良い性能ですが、今見るとちょっと型落ち感が否めないです。
まぁ、DDR4なので悪いわけじゃないですが。
ストレージ
ストレージはいくつか種類があります。
- 128GB SSD SATA
- 256GB SSD PCIe NVMe
- 256GB SSD SATA 自己暗号化機能付き
- 512GB SSD PCIe NVMe(Optaneメモリ32GB搭載)
- 1TB SSD PCIe NVMe
- 2TB SSD PCIe NVMe
SATAと言うのは最大データ転送速度が6GB/秒で、SSDにしては遅いものです。PCIe NVMeは最大データ転送速度は16GB~32GB/秒と、かなり速いです。
Optaneメモリとは、よく使うデータをすぐに表示できるようにキャッシュ(記憶)し、頻繁に使うアプリやソフト、ページなどを素早く表示できます。
LTE
LTEは、格安SIMなどを入れて常時インターネット接続ができる機能で、下り最大450MB/秒です。
今は主流が5G回線のCAT.16なので比べると遅さを感じますが、下り最大450MB(CAT.16は1GB)なので悪く無いと思います。
インターフェイス
- MicroSIMスロット
- マイク入力/ヘッドフォン出力コンボポート
- USB 3.1ポート
- HDMI
- ネットワークポート(RJ45)
- HP UltraSlim Dock コネクター
- USB Type-C(Thunderbolt)
- 電源コネクター
- セキュリティロックスロット
- USB 3.1ポート
インターフェイスは13型にしては多く、ThunderboltやDockコネクターがあるので、配線が多い人でも使いやすいと思います。
もちろん、会社のイントラネットやLAN接続もできるので、使い勝手が良いです。
最後に
スペック的には普通クラスですが、サポートとセキュリティが豊富なので若干高い価格に設定されています。
ただし、手厚いサポートが必要な人は、少しお金を出してもこのサポートを受ける価値があると思います。
HPのビジネスモデルはお勧めできる機種が少ないのですが、本機種は「スペックを求めないのであれば」購入してもいいかなと思える機種です。