XiaomiのRedmi Pad SE 8.7 のレビューです。
8.7インチと絶妙なサイズで、持ちやすい、読みやすい、カバンに入れてもかさばらない、使い勝手が高い機種です。
SoCの性能は低いですが、メモリの処理速度が速くメモリの仮想拡張もできるので、スペック表以上の使い心地の良さがありました。
レビュー機は当サイトの購入品です。
レビュー動画がはこちらからどうぞ。
本機には4Gモデルもあります。
Contents
Redmi Pad SE 8.7のスペック
SoC | MediaTek Helio G85 |
---|---|
メモリ | LPDDR4X 4GB |
ストレージ | eMMC 5.1 64GB+最大2TBのmicroSDカード搭載可能 |
ディスプレイ(8.7型) | 1340×800ドット 500/600nit 10bit 90Hz |
WideVine | L1 |
OS | Android 14ベースの Xiaomi HyperOS |
無線 | Wi-Fi 5(5GHz,2.4GHz) |
生体認証 | 顔認証 |
カメラ | 800万画素/500万画素 |
オーディオ | ドルビーアトモス、デュアルスピーカー |
寸法(幅×奥行×高さ) | 211.58 × 125.48 × 8.8mm |
重さ | 373g |
バッテリー | 6650mAh(動画再生25.2時間) |
価格 | 16,980円 |
<性能評価>
タブレットの頭脳であるSoCにはMediaTek Helio G85が搭載し、ぎりぎりミドルクラスと言ってよい性能でベンチマークスコアは良くも悪くもない結果でしたが、15個のアプリを開いて使っても普通にサクサク動きました。
メモリはLPDDR4Xで4GB搭載し、最大で4GBメモリの仮想拡張ができます。ストレージはeMMC 5.1で64GBと小さいですが、最大2TBのmicroSDカードを増設できるので安心です。
Redmi Padは搭載メモリも性能が高く、メモリの仮想拡張ができるのでSoCの性能が高くなくてもサクサク使えているんだと思います。
ディスプレイはHD解像度(1340×800ドット)と低めですが、ディスプレイが小さくコントラスト比が1500:1と高いため、HDとは気づかないくらい普通に見れます。
色域は記載されていませんが、色深度は10bitで10億色の発色があり、1万円台のタブレットとは思えないほど質も高いです。リフレッシュレートは最大90Hzとぬるぬるで、スクロールもスムーズです。
また、セキュリティレベルはWideVine L1なので、アマゾンプライムやNetflixなどの動画配信サービスで、高画質で見ることができますが、本機の解像度が足りていないので、別のモニターやTVにつながない限り、恩恵を受けることはありません。
OSはAndroid 14ベースの Xiaomi HyperOSで、ちょっとAndroidと違いますが、そんなに違うわけでもなく、UIもほぼ同じなので戸惑うことはないと思います。
無線はWi-Fi 5は2.4GHzと5GHzに対応し、公式サイトには記載されていませんでしたが顔認証にも対応、カメラはフロント500万画素、リア800万画素とタブレットのカメラといった画質でしたが、そんなに悪くありませんでした。
Redmi PadのスピーカーはどれもDolby Atmosのオーディオを採用し、2つのスピーカーが搭載です。1万円台のタブレットの中では、トップクラスかなと思います。
8.7インチで373gとこのサイズにしては軽くないですが、バッテリーは大容量の6650mAhもあり、動画再生時間は約25.2時間にもなります。
Redmi pad SE 8.7 4Gとの違いは?
本機にはSIMカードを入れて通話もできる4Gモデルがあり、デュアルSIM対応です。
スペック的な違いはほぼなく、通話ができ、GPSも搭載しています。
仮想メモリの拡張ができる
本機はストレージを占有してメモリの仮想拡張ができます。デフォルトでメモリ増設1GBが選ばれていますが、最大で+4GBにできます。
2つの設定でメモリ処理速度を測ってみました。
メモリ+デフォルトの+1GB時は4.65GB/秒、+4GB時は4.77GB/秒でした。拡張しても処理速度はそんなに変わりませんが、それにしても1万円台のタブレットでこの処理速度はめちゃくちゃ速いですね。
メモリ速度がこんなに速いので、サクサク使えていると思います。
他のタブレットの比較です。
メモリ速度
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
ThinkPhone/8GB | |
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Tab P12 Pro/8GB | |
Tab P11 Pro Gen 2/6GB | |
Tab Plus/8GB | |
Tab P12/8GB | |
Redmi Pad SE 4GB+3GB仮想メモリ | |
Tab P11 Pro/6GB | |
Redmi Pad SE 8.7+4GB仮想メモリ | |
XiaoXin Pad/6GB | |
Tab M10 Plus 3rd Gen | |
Tab M11 | |
Lenovo Tab M9 /4GB | |
Blackview Tab 90 Wifi/4GB | |
Tab M7 (3rd Gen)/2GB | |
Lavie T8 2023/3GB |
本機と同じくらいの速度であるTab P11 Proは約6万円で6GBのメモリが搭載しています。本機は価格を考えると、すごく処理速度が速いですね。
最大2TBのmicroSDカードを搭載可能
本機は最大2TBのmicroSDカードを搭載できます。
元々あるストレージは64GBと小さいので、手持ちのカードがあれば増設してもいいかもしれません。
筆者の所有のSanDisk製カード256GBを増設したら、しっかりと読み込まれました。
ストレージのシーケンシャル速度を計測したらリード237MB/秒、ライト84MB/秒と遅かったです。ただし、Webブラウジングや動画視聴などは普通に使え、データのやり取りが多くなければ特に影響はないと思います。
シーケンシャルリード
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Tab P11 Pro Gen 2 | |
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Tab P12 Pro | |
Tab P12 | |
Tab P11 Pro | |
Tab Plus | |
XiaoXin Pad | |
Tab M10 Plus 3rd Gen | |
ALLDOCUBE X Game | |
Lenovo Tab M9 | |
Redmi Pad SE | |
Redmi Pad SE 8.7 | |
Tab M7 (3rd Gen) | |
Tab M11 | |
Chromebook CM14 Flip | |
Lavie T8 2023 |
シーケンシャルライト
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Tab P11 Pro Gen 2 | |
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Tab M10 Plus 3rd Gen | |
Tab P12 Pro | |
Tab P12 | |
Tab Plus | |
Tab M11 | |
Lavie T8 2023 | |
Tab P11 Pro | |
XiaoXin Pad | |
Lenovo Tab M9 | |
ALLDOCUBE X Game | |
Redmi Pad SE | |
IdeaPad Duet Chromebook | |
Redmi Pad SE 8.7 | |
Tab M7 (3rd Gen) | |
Chromebook CM14 Flip |
8.7インチと絶妙な大きさで持ちやすい
8.7インチと大きすぎず小さすぎずの画面で、持ちやすいんですよね。スマホよりも大画面で見やすいし、一般的なタブレットよりもコンパクトで持ちやすいです。
右が本機8.7インチで、左は9インチのタブレットです。解像度の違いで本機の文字の方が若干大きいですが表示量も多く見やすいです。
解像度は1340×800ドット(画面比5:3)と低いですが、画面が大きくないので荒く見えたりなどはありません。FHDと並べても肉眼で気が付くことはないくらいです。
リフレッシュレートは90Hzと一般的な60Hzよりもスムーズに動きます。高速スクロールをしても、カクツかないです。
左は本機で色域の記載はなし、右は2万円ほどのRedmi Pad SEでNTSC 70%になります。本機は色深度が10bitで10億色の発色が可能ですが、色彩は上位モデルに比べると若干狭いです。
5万円の筆者のメインタブレットと本機を暗闇で撮影し、色彩比較をしてみました。本機はしっかりとした黒を描写できませんが、色彩的には1万円台のモデルにしてはすごく良いです。
コントラスト比は1500:1と高く、すっきりとしたシャープな描写になっています。また、輝度は通常時で最大500ニトと明るく、屋外モードでは600ニトで直射日光が当たってもある程度見やすいです。
2~3万円のタブレットでも300ニトや高くても400ニトの輝度が一般的ですが、本機はすごいですね。
Widevine L1対応
DRM InfoというアプリでRedmi Pad SEの情報を調べると、セキュリティレベルがしっかりとL1になっていました。
これはWideVine L1に対応ということで、動画配信サービスも高画質のHD画質で見ることができます。が、本機は解像度が低いので、別途モニターやTVに繋ぐと高画質になります。
Redmi Pad SE 8.7の特徴
ベゼルはそんこんなに細いわけじゃないですが太くもなく、普通です。
小型で373gと軽いので、持ちやすいです。
おしゃれなスカイブルーでかわいらしいタブレットです。シャーシはメタルですが、背面カバーは樹脂を使用しており、落としにくいように表面にざらついた加工が施されています。
カラーはオーロラグリーンとグラファイトグレーもあります。
これ、ほとんどの人が気づかないと思うのですが、薄いゴールドっぽい色でDolby Atmosのロゴがプリントされています。(写真撮るの難しかった)
1万円台のタブレットにDolby Atmosオーディオが搭載し、スピーカーが2つ搭載しています。さすが中華タブレット・・・この価格でここまでやるなんてすごいですね。
ドルビーアトモスは立体的な音を表現でき、臨場感あふれる音になります。音楽鑑賞や動画視聴に合うオーディオです。
インターフェイスはUSB 2,0で3.5ミリジャックもあります。
電源ボタンとボリュームボタンは、縦持ちをした時の右側面にあります。タブレットですが小さいので、スマホと同じ仕様ですね。(タブレットは横持を考えているので、横持時の上にボリュームボタン、左側面に電源がある)
本機と妻が使っているRedmiのスマホですが、これだけ大きさが違います。オンラインコミックなども読みやすいんです。
ちなみに、LINEやSkypeではできますが、本機は電話じゃないので電話することはできません。
厚さはスマホと同じくらいですね。
GPSはないが位置情報でカーナビ代わりにもできる
本機はGPSはないですが(4Gモデルはあり)、位置情報をONにしてカーナビ代わりにすることもできます。ただし、GPSがないので不十分な精度になることもあるそうです。
別売りだがカバーも購入
ハンドストラップ付の純正ケースも販売されています。
こうやって手に付けたら落とさないし、移動時も楽です。
ストラップをキックスタンド代わりにできました。これ、便利ですね
カメラ
カメラはフロント800万画素、リア500万画素と低解像度ですが、意外に悪くない出来上がりでした。
あれ?左のスマホ(5000万画素)と比べても、悪くないですね。先日レビューした11インチのRedmi Pad SEでも同じでした。低解像度ですが、悪くないカメラです。
また1万円台のタブレットでは珍しく、フラッシュもついています。
ミドルクラスのSoC
MediaTek Helio G85 | |
プロセス | 12nm |
コア | 8コア(A75、A55) |
最大クロック | 2.0GHz+1.8GHz |
GPU | Arm Mali-G52 |
Socはbig.Littleで、パフォーマンスの高いコアと、省電力のコアの2種類を搭載しており、低負荷なことをしているときは省電力コアで作業をするため、バッテリー駆動時間が長くなるという特徴があります。
Antutuベンチマークはダウンロードできましたが、ネットワークエラーになり実行できませんでした。
Geekbench 6はクロスプラットフォームのベンチマークで、CPUやGPUコンピューティングのスコアを計測できます。計測スコアはマルチコア1405、シングルコア403と、低めのスコアでした。
低めのスコアなのですが、アプリ15個開いてもWebブラウジングは快適にでき、ちょっと重ためのゲームもできました。ただし、設定を扱っているときは、タップした後に反応するまで0.数秒ですが反応が遅れることもありました。
Geekbench 6 マルチコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Snapdragon 8+ Gen 1 | |
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Snapdragon 870 | |
MediaTek Kompanio 1300T | |
MediaTek Dimensity 7050 | |
MediaTek Helio G99 | |
Snapdragon 695 | |
Snapdragon 750G | |
MediaTek Helio G99 | |
Snapdragon 690 5G | |
Snapdragon 7c Gen 2 | |
Snapdragon 730G | |
MediaTek Helio G90T | |
MediaTek Kompanio 520 | |
Snapdragon 680 | |
Helio G88 | |
Helio G85 | |
Snapdragon 662 | |
Unisoc T610 | |
Unisoc T606 | |
MediaTek Helio P90 | |
MediaTek Helio P22T | |
MediaTek Helio P60T | |
Helio G80 |
Geekbench 6 シングルコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Snapdragon 8+ Gen 1 | |
---|---|
Snapdragon 870 | |
MediaTek Dimensity 7050 | |
Snapdragon 695 | |
MediaTek Kompanio 1300T | |
MediaTek Helio G99 | |
Snapdragon 750G | |
MediaTek Kompanio 520 | |
Snapdragon 690 5G | |
MediaTek Helio G99 | |
Snapdragon 7c Gen 2 | |
Snapdragon 730G | |
MediaTek Helio G90T | |
Snapdragon 680 | |
Helio G85 | |
Unisoc T606 | |
Unisoc T610 | |
Snapdragon 662 | |
Helio G80 | |
MediaTek MT8183 | |
MediaTek Helio P60T | |
MediaTek Helio P90 |
PCMark for Android
次はPCMark for Androidで、アプリケーション実行時の総合的なパフォーマンスを計測します。
計測スコアは7963と悪く無いスコアでした。ビジネスPCのお供に使っても、普通に使えるくらいのスコアです。
Work 3.0
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
ThinkPhone/Snapdragon 8+ Gen 1 | |
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Tab P12 Pro/Snapdragon 870 | |
Tab P11 Pro Gen 2/MediaTek Kompanio 1300T | |
Tab P12/Dimensity 7050 | |
Tab P11 Pro/Snapdragon 730G | |
Redmi Pad SE 8.7/Helio G85 | |
Redmi Pad SE/Snapdragon 680 | |
Tab M10 Plus 3rd Gen/Snapdragon 680 | |
Tab M10 FHD PLUS(2nd Gen)/MediaTek Helio P22T | |
Tab M7 (3rd Gen)/MediaTek MT8166 |
3Dグラフィックス性能
グラフィック性能を測る3DMARKは、実行できませんでした。何度リインストールしても、ネットワークエラーになりました。
原神はできる?
ロングバージョンはこちら。
ちょっと重ための原神をやってみたら、最初はちょっとカクツきましたが、街中を走ったり派手じゃない戦闘では十分プレイできました。
ホビーユーザーなら問題ない範囲です。
ただし、ストレージが64GBと小さいので、microSDカードに入れないとストレージがパンパンです。
あと4GBしか残ってないですが、まだまだ普通に動いています。すごい!
Wi-Fiは2.4GHzと5GHzに対応
無線はWi-Fi 5で、5GHzでの接続だと6.9Gbpsと速いです。
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
Wi-Fi速度を計測しました。Wi-Fi速度はそこまで速くないですが、ゲームや動画視聴などにも十分な速度です。
PC | 本機 | 本機 |
ルーターから10m 230Mbps |
ルーターから10m 26Mbps |
ルーターの目の前 69Mbps |
セキュリティアップデート
タブレットにはAER (Android Enterprise Recommended)というセキュリティアップデートの期間があり、本機は3年後の2027年8月までになっています。
これ以降も使えますが、セキュリティがアップデートされません。
ライバル機種
まとめ
良い点
・小型で持ちやすい
・かわいいタブレット
・大幅な効果はなかったが、メモリの拡張が可能
・SoC性能はぎりぎりミドルクラス
・約10億色の発色
・顔認証付き
・この価格ではオーディオが高品質
・カメラが意外に使える品質
・バッテリー駆動時間がめちゃくちゃ長い
残念な点
・全然気にならないが、解像度がFHD以上あれば動画配信サービスを見るときに高画質で見ることができた
・無線速度が速くない
総合評価
これ、16,980円のタブレットですよ。
すごいですね。
15個アプリを開いてWebブラウジングも普通にできたし、重ためのゲームである原神もできました。また、ドルビーアトモスのスピーカーが搭載し、音もこの価格のタブレットにしてはすごく良いです。
一般的なタブレットの用途であれば、これで十分ですね。
最大の特徴は、スマホより大きく普通のタブレットよりも小さいので、持ち運びがしやすい点です。電車に乗っているときに、漫画を読んだり雑誌や小説などスマホじゃ見にくいものも見やすいです。
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Author
・パソコンガイドメインライターの本田。PCやタブレット、その他ガジェットが好きで、年間2~30台ほどのPCとモニターや周辺機器を購入するマニア
・元ミュージシャン
・暖かいところが好きで、よくタイに旅行に行く
・既婚(妻と子供2人)
・最近の趣味はオーディブルを聞きながらぼけ~っとすること
・はまってることは、裸足で1日10分歩く健康法
・若く見られがちだが40代