最新のインテル第12世代HシリーズのCPUに、最大でNVIDIA GeForce RTX 3080 Ti、もしくはRTX A5500が搭載でき、4K相当のWQUXGA DCI-P3 100%、そしてHP Dreamcolor対応のディスプレイもあります。
大規模な3Dワークや4K映像編集、中規模なレンダリングシミュレーションなどをこなせる、ノートPCワークステーション最高峰の機種です。
当サイトの、ワークステーションとしての評価はこの様になりました。
スペック | [usr 4.7] |
---|---|
コスパ | [usr 3.7] |
総合評価 | [usr 4.8] |
有線LANポートがなかったり、Webカメラの解像度が低いなどのマイナス点もいろいろとありますが、HP Wolf Security搭載で「セキュリティが堅牢」なので、総合評価は星4.8/5と高めになりました。
Contents
ZBook Studio 16 G9のスペック
CPU | Core i7-12700H/12800H Core i9-12900H |
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メモリ | DDR5 最大64GB |
ストレージ | SSD 最大2TB |
グラフィックス | NVIDIA RTX A1000/A2000/A3000/A4500/A5500 NVIDIA GeForce RTX 3060/3070 Ti/3080 Ti |
ディスプレイ(16型) | WUXGA IPS/WQUXGA OLED 非光沢 タッチあり Dream Colorあり |
OS | Winodws 10 Pro(Windows 11 Proからのダウングレード) |
無線 | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2 |
オーディオ | Bang&Olufsen、スピーカー×4 |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証 |
WEBカメラ | 720p、IRカメラ |
セキュリティ | HP Wolf Security |
寸法(幅×奥行×高さ) | 356 × 242 × 19㎜ |
重さ | 約1.9㎏ |
電源 | 約200W |
保証 | 3年間 |
価格 | 45.9万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUは最新のインテル第12世代が搭載で、ハイパフォーマンスモデルのHシリーズが搭載です。上位モデルのCPUで、かなり高い性能です。
メモリは最新のDDR5-4800MHzが搭載で、メモリスロット2つ・最大64GBになります。旧モデルはオンボードメモリ 1枚だったので、容量が倍になり、かなり使いやすくなっていますね。
ストレージはM.2 SSDで、最大2TBと大容量です。
グラフィックボードは業務用で高度な技術計算(OpenGL)に最適化されたNVIDIA Aシリーズか、DirectX(3Dゲーム)に最適化されたNVIDIA GeForce が選択でき、どちらも現行最高のモデルが選べます。
ディスプレイはアスペクト比が16:10と縦に長く、16インチでも17インチ並みの情報が表示されます。解像度はフルHD相当のWUXGAと、4K相当のWQUXGAになり、4KディスプレイはOLED液晶もあり、高品質です。
16インチと大型ながら有線LANポートはありませんが、Wi-Fi 6Eに対応しているので、安定した高速回線で作業ができます。
その他のスペックは、指紋センサーと顔認証が搭載し、Bang&Olufsenがチューニングしたスピーカーが4つ搭載、Webカメラは720pとなっています。
筐体は比較的コンパクトな寸法ですが、重量は約1.9㎏と重たいです。
2022年のトレンドと比較
2022年のノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。(〇/標準搭載、△/モデルによってはあり、×/なし)
12世代CPU | DDR5 | PCIe 4.0 | アスペクト比16:10 |
〇 | 〇 | – | 〇 |
Wi-Fi 6E | sRGB 100%以上 | 輝度300nit以上 | 1080P Webカメラ |
〇 | △ | 〇 | × |
Thunderbolt 4 | 生体認証 | アルミニウム素材 | バッテリー14時間以上 |
〇 | 〇 | 〇 | – |
未確認の部分もありますが、ほぼ上の項目を満たしています。WEBカメラが高画質じゃないのが珍しいですね。
旧モデルとの比較
<左/本機種・右/Studio 15 G8>
旧モデルのZBook Studio 15 G8との比較です。(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | ZBook Studio 15 G8 | |
CPU | Core i7-12700H/12800H Core i9-12900H |
Core i7-11800H Core i7-11850H Core i9-11950H |
メモリ | DDR5 64GB | DDR4 32GB |
ストレージ | SSD 2TB | SSD 2TB |
GPU | GeForce RTX 3060/3070 Ti/3080 Ti NVIDIA RTX A1000/A2000/A3000/A4500/A5500 |
GeForce RTX 3060/3070/3080 NVIDIA T1200 NVIDIA RTX A2000/A3000/A4000/A5000 |
ディスプレイ | 16型 WUXGA IPS WQUXGA OLED |
15.6型 FHD IPS UHD OLED |
無線 | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 6 |
電源 | 200W | 150/200W |
重量 | 1.9㎏ | 1.9㎏ |
寸法 | 356 × 242 × 19㎜ | 354 x 234.6 x 17.9㎜ |
価格 | 45.9万円~ | 24.8万円~ |
変更点です。
・CPUが第12世代に
・メモリがDDR5になり、オンボードメモリが2スロットに
・グラボに上位モデルが追加
・ディスプレイが15.6インチから16インチに
・画面比が16:9から16:10に変更
・Wi-Fi 6Eに対応
プロセッサーの性能を表すCPU markスコアです。
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・旧モデル
Core i9-12900H | |
---|---|
Core i7-12700H | |
Core i7-12800H | |
Core i9-11950H | |
Core i7-11850H | |
Core i7-11800H |
ZBook Studio 16 G9の特徴
ベゼル(画面の黒い枠)がすごく細く、15.6インチだった旧モデルと比べてもほぼ同じサイズで、幅+2㎜、奥行+7.4㎜です。
寸法は、
・幅 356㎜
・奥行 242㎜
・高さ 19㎜
で、15.6インチ並みの寸法です。
ワークステーションなので厚さは19㎜と大きめで、重さも約1.9㎏と重たいです。ただし、このスペックの16インチのワークステーションとしては、軽い方ですね。
筐体には陽極酸化仕上げによる高い耐傷性のあるCNCアルミニウムを採用しており、耐久性も高く、高級感もあります。
底面には大きな通気孔があり、がっつりとフレッシュエアーを吸い込んでくれそうです。
内部の排熱機構にはべーパーチャンバーを採用しており、液体を気化させ、GPUやCPUからの熱移動を促進し、チャンバー全体に熱を分散させるので、放熱性能も高いです。
MILスペック
本機はMIL規格と言う米軍の物資調達規格に準拠しており、耐久性・堅牢性の高い機種になっています。
ISV認証
本機はISV(独立系ソフトウェアベンダー)により、アプリケーションとの互換性や安定稼働、高い運用性をテストされてISV認証を取得しているので、安心して使えます。
英語版のみですが、公式サイトでどのベンダーのどのソフトと互換性があるか確認が出来ます。
ただし、本機が発売されたばかりなので、執筆時時点では検索に出てきませんでした。
キーボード
キーボードは日本語キーでバックライト付き、テンキー付き、防滴機能付きになります。
キーピッチ(キーの中心から次のキーの中心までの距離)は縦横18.7㎜で、十分な幅があります。また、キーストローク(キーを押し込む距離)は1.5~1.7㎜とちょうどよい深さがあり、タイピングしやすいと思います。
パームレストには指紋センサーがあり、顔認証カメラもあるので、サインインはお好きな方でサクッとできます。
また、バング&オルフセンのオーディオで、ツイーター2つ、ウーファー2つの計4つが搭載です。しかも、ディスクリート(独立)アンプを搭載しているので、音質も良いです。
ちなみに、マイクは一般的なデュアルアレイマイクが搭載です。
ZCentral Remote Boost
ZCentral Remote Boostとは、簡単に言うと複数のユーザーが送信元コンピューターを共有でき、リモートアクセスでも編集やビッグデータの視覚化などできます。
例えば複数の本機種をラックマウントに搭載し、リモートワークで社員が自宅や外出先から本機種に接続し、パワフルな作業ができるようになります。
しかも、社員が自宅で使っているパソコンには「データは送信されず、画面のピクセル情報のみ転送」されるので、セキュリティ面でも安心です。
複数台購入を考えている企業の方は、公式サイトで詳しく紹介されているので読まれてみてください。
CPU
Core i9 12900H |
Core i7 12800H/12700H |
|
Pコア | 6 | |
Eコア | 8 | |
スレッド | 20 | |
キャッシュ | 24MB | |
ターボブースト時 | 5.0GHz | 4.8/4.7GHz |
Pコア最大周波数 | 5.0GHz | 4.8/4.7GHz |
Pコア基本周波数 | 2.5GHz | 2.4/2.3GHz |
Eコア最大周波数 | 3.8GHz | 3.7/3.5GHz |
GPU実行ユニット | 96 | |
ベースパワー | 45W | |
最大パワー | 115W |
CPUはPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)の2つを搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
また、Intel Thread Directorというハードコアが、命令をより効率よくPコアとEコアに割り当てて実行できるので、性能もかなり上がっています。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアです。
スコアの目安
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ハイエンドPCに搭載される
- 15000~ゲーミングPCやワークステーションなど専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-12900H | |
---|---|
Core i7-12700H | |
Ryzen 9 6900HS | |
Core i7-12800H | |
Ryzen 7 6800H | |
Core i5-12500H | |
Core i7-1280P | |
Ryzen 7 5800H | |
Core i7-11800H | |
Core i7-1270P | |
Core i7-1260P | |
Core i9-10855H | |
Core i7-1165G7 |
ノートパソコンで3万近いスコアは、考えられないほどですね。
次はCinebench R23のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
マルチコアは8000を、シングルコアは1500を超えるとかなり高い性能です。
Cinebench R23 マルチコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-12700H | |
---|---|
Core i9-12900H | |
Ryzen 9 5900HX | |
Ryzen 7 5800H | |
Core i9-11950H | |
Core i9-11900H | |
Core i7-11850H | |
Core i7-11800H | |
Ryzen 7 5800U | |
Ryzen 5 5600H | |
Core i7-1165G7 |
Cinebench R23 シングルコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-12900H | |
---|---|
Core i7-12700H | |
Core i9-11950H | |
Core i9-11900H | |
Core i7-1185G7 | |
Core i7-11850H | |
Core i7-1165G7 | |
Core i7-11800H | |
Core i5-11500H | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 9 5900HX | |
Ryzen 7 5800U |
グラフィックス
グラフィックボードは業務用で高度な技術計算(OpenGL)に最適化されたNVIDIA Aシリーズか、DirectX(3Dゲーム)に最適化されたNVIDIA GeForce が選択でき、どちらも現行最高のモデルが選べます。
まずはOpenGLに最適化されたグラボです。旧名称はQuadroと言い、こちらの方がなじみがある名前だと思います。
RTX A5500 |
RTX A4500 |
RTX A3000 |
RTX A2000 |
RTX A1000 |
|
アーキテクチャ | Ampere | ||||
CUDAコア | 7424 | 5888 | 4096 | 2560 | 2048 |
RTコア | 58 | 46 | 32 | 20 | 16 |
Tensorコア (TFLOPS) |
232 | 127 | 128 | 80 | 64 |
単精度性能 (TFLOPS) |
24.7 | 17.8 | – | 9.3 | 7.5 |
メモリタイプ | GDDR6 | ||||
メモリ帯域- | 512GB/秒 | 512GB/秒 | 264GB/秒 | 192GB/秒 | 224GB/秒 |
メモリ容量 | 16GB | 16GB | 12GB | 8GB | 4GB |
TGP | 115W | 115W | 115W | 60W | 60W |
詳細情報はNVIDIA公式サイトになかったのですべてが分かりませんでしたが、一番ローエンドのRTX A1000でもCUDAコア2048もあります。RTX A2000以上はミドル~ハイエンドモデルで、ビデオメモリも8GB~16GBとかなり大きいです。
NVIDIAによると、3Dアニメーションやモーショングラフィックスは、
・RTX A1000はローエンド
・A2000は中規模モデル
・A3000は大規模モデル
・A4500とA5500は特大規模モデル
になっています。
こちらは、DirectX(3Dゲーム)に最適化されたNVIDIA GeForceです。ゲーミングPCに搭載されるグラボです。
RTX 3060 Laptop |
RTX 3070 Ti Laptop |
RTX 3080 Ti Laptop |
||
アーキテクチャ | Ampere | |||
プロセス | 8nm | |||
CUDAコア | 3840基 | 5,888基 | 7424基 | |
RTコア | 30基 | 46基 | 58基 | |
Tensorコア | 120基 | 176基 | 232基 | |
ブースト周波数 | 1282-1485MHz | 1035-1485Hz | 1260-1590Hz | |
メモリタイプ | GDDR6 | |||
メモリ帯域 | 336GB/s | 448GB/s | 512GB/s | |
メモリバス幅 | 192bit | 256bit | 256bit | |
メモリ容量 | 6GB | 8GB | 16GB | |
TDP | 90W | 80-125W | 115-150W |
RTX 3080 TiとRTX 3070 Tiはウルトラハイエンドモデルで、RTX 3060はミドルクラスになります。
DirectX 11で動作するFire Strikeと、DX12で動作するWQHD(2K/2560×1440)向けのTime Spyです。
Fire Strike
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3080 Ti | |
---|---|
RTX 3070 Ti | |
RTX 3080 | |
RTX 3070 | |
RTX 2080S | |
RTX 2080 | |
RTX 2070 Super | |
RTX 3060 | |
RTX 2070 | |
RTX 2070 Max-Q | |
RTX 2060 Max-Q | |
GTX 1660 Ti | |
RTX 3050 Ti | |
RTX 3050 | |
GTX 1650 | |
GTX 1650 Max-Q |
Time Spy
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3080 Ti | |
---|---|
RTX 3080 | |
RTX 3070 Ti | |
RTX 3070 | |
RTX 2080S | |
RTX 2080 | |
RTX 2070 Super | |
RTX 3060 | |
RTX 2070 | |
RTX 2070 Max-Q | |
RTX 2060 Max-Q | |
RTX 3050 Ti | |
RTX 3050 | |
GTX 1650 | |
GTX 1650 Max-Q |
ディスプレイ
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 |
WUXGA WQUXGA WQUXGA |
なし | IPS IPS OLED |
400nit 500nit 400nit |
リフレッシュレート | 色域 | その他 | |
60Hz 240Hz 60Hz |
― DCI-P3 100% DCI-P3 100% |
省電力 DreamColorディスプレイ DreamColorディスプレイ、タッチ |
ディスプレイは3種類あり、1つはフルHD相当のWUXGA(1920×1200ドット)、もう2つは4K相当のWQUXGAで、IPS液晶とOLED液晶の2種類になります。
ちょっと構成がややこしいので、グラボごとにまとめてみます。
ディスプレイ | グラフィックボード |
---|---|
WUXGA | RTX A1000、A2000、A3000、A4500 RTX 3060 |
WQUXGA/IPS (240Hz) |
RTX A5500、RTX 3080 Ti |
WQUXGA/OLED (タッチ) |
RTX 3070 Ti |
これを見てわかる通り、リフレッシュレートが高いものはRTX A5500かRTX 3080 Tiを搭載している必要があるので、RTX 3060やRTX 3070 Tiで「ゲームも仕事も」とお考えだった人は、残念ですが、別機種を購入した方が良いかもしれません。というのも、A5500モデルは103万円~、RTX 3080 Tiモデルは90.3万円からです(泣)。
また、画面アスペクト比が16:10と縦に長いので、15.6型の旧モデルに比べるとかなり大きくなりました。表示量は、17インチ並みになっています。
色域は最大でデジタルシネマ規格のDCI-P3 100%と高く、OLEDは完全な黒が描写でき、よりシャープでくっきりした描写が可能です。
左からOLED液晶 DCI-P3 100% 10bit(10億7374万色以上)、IPS液晶 sRGB 100%、IPS液晶 NTSC 45%のディスプレイです。色域や液晶が違うと全然見た目が変わるので、映像編集や画像編集をする人は、特に広色域のディスプレイがおすすめです。
また、WQUXGAはDreamcolorに対応しており、これはHP独自の技術で最大10億色以上の描写できます。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリは最新のDDR5-4800MHzで、メモリスロット2つ・最大64GBになります。
旧モデルは32GBと小さかったので購入しない人も多かったと思いますが、本機であれば十分な容量があります。
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
搭載ストレージはM.2 SSDで、最大2TBと大容量です。パソコンの起動も、データ移動もサクサクです。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャルリード
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
SSD | |
---|---|
HDD |
セキュリティ
世界で最も安全なPCメーカーであるHPの包括的なエンドポイントセキュリティで、HP Wolf Securityがプレインストールされています。
一部ですが、こういったセキュリティが施されています。
- HP Sure Sense・・・ディープラーニングを活用したリアルタイム検知機能があり、悪意のあるファイルを検出し、マルウェア、ゼロディ攻撃、ランサムウェアなどからPCを守るセキュリティ機能
- HP BIOSphere・・・ウイルスやマルウェアによる不正なBIOSの書き換えや、破損からシステムを保護
- HP Sure Click・・・Web閲覧のセキュリティ強化で、タブを閉じるだけでマルウェアが消滅する
- HP Sure Run・・・OSの重要な機能や設定を構成時の状態に維持し、万が一設定が無効になった場合は再起動し、安全な状態に戻す
- HP Sure Recover・・・OSがウイルス感染しても自動的にリカバリーする
- HP Sure Start・・・自動復旧機能で攻撃を受けても自動でリカバリーする
- HP Secure Erase・・・BIOSの中のSecure Eraseを使って内蔵ドライブのデータを完全に削除することが出来る
詳しくはこちらの公式サイトをどうぞ。
Wi-Fi 6Eに対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6に対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができるのですが、執筆時現在の日本では6GHz帯はまだないので使えません。最大で5GHz帯になります。
電源・バッテリー
バッテリーは6セル86Whrと大容量で、電源は150W(RTX A1000~3000)か200Wになります。
ちょっと一般的な機種に比べ、電源が小さいです。
インターフェイス
インターフェイスはSDカードリーダーがなく、RJ45(有線LAN)もないので、ドックを持っていると問題なく使えますが、持っていないと変換ハブなどが必要になると思います。
左側面は、AC電源コネクタ、Thunderbolt4ポート×2、コンボステレオヘッドフォン/マイクジャックになります。
右側面はmicroSDカードリーダー、USB Type-C(10Gbps)、USB-A(5Gbps)、そしてセキュリティロックになります。
Thunderbolt 4には、こういった機能・性能があります。
- Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き
- 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
- PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000Mbps
- 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
- 8K出力にも対応
サポート・保証
HPでは電話やチャット、LINE、Twitterでもサポートをしており、本機種の場合は3年間のオンサイト修理保証が付いています。
オンサイト修理とは、エンジニアが現場(会社や自宅)に来てくれて修理してくれるので、安心だし、早いですね。(修理は土日祝日を含む週7日対応)
ビジネスモデルのサポート受付時間は、月~金が朝9時から夜21時まで、土曜日が朝9時から夕方17時までとなっています。また、ワークステーション専用のテクニカルサポート部署が東京にあり、ベテランエンジニアが対応してくれます。
最長5年まで延長でき、サポートや保証が手厚いので助かりますね。
ライバル機種
以下のライバル機種は、すべてWWAN搭載可能で、ストレージもSSD 2枚以上搭載可能です。
ZBook Fury 16 G9
現行最高性能を誇る機種で、メモリスロットは4つ、M.2 SSDスロットも4つと、デスクトップの様なノートパソコンです。大きく重たいので移動は大変ですが、どこででも本格的な作業ができる機種です。ZBook StudioよりもCPU性能く、メモリなどの容量が大きいですが、ディスプレイは本機の方が良いです
CPU | Core i7-12800HX/12850HX Core i9-12950HX |
---|---|
メモリ | DDR5 最大128GB |
ストレージ | SSD ×4 |
グラフィックス | NVIDIA RTX A1000/A2000/A3000/A4500/A5500 |
ディスプレイ(16型) | WUXGA 非光沢 |
通信 | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2、LTEあり、RJ45 |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証 |
WEBカメラ | HPプライバシーカメラ(5MP)、IRカメラ |
重さ | 約2.6㎏ |
電源 | 200/230W |
価格 | 45.9万円~ |
ThinkPad P1 Gen 5
アスペクト比16:10の16インチで、重さは1.81㎏からと持ち運びがしやすく、グラボも最大でRTX A5500、もしくはGoForce RTX 3080 Tiが搭載できます。CPUやメモリ、SSDも最新スペックで、パワフルな機種です
CPU | Core i7-12700H/12800H Core i9-12900H |
---|---|
メモリ | 最大64GB |
ストレージ | SSD×2 |
グラフィックス | NVIDIA RTX A1000 /A2000/A3000/A4500/A5500 Laptop GPU NVIDIA GeForce RTX 3070 Ti/3080 Ti |
ディスプレイ(16型) | WUXGA/WQXGA/WQUXGA IPS タッチあり |
OS | Windows 11 Home/ Pro |
無線 | Wi-Fi 6E、5Gあり |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証あり |
WEBカメラ | 1080p |
重さ | 1.81㎏~ |
バッテリー 電源 |
最大約21.9時間 170W/230W |
価格 | 33.8万円~ |
ThinkPad P16 Gen 1 Intel
第12世代CPUのHXシリーズが搭載で、メモリもSSDも最新スペックです。画面アスペクト比が16:10と縦に長く、16インチでも17インチ並みの情報が表示でき、最大で4K Adobe RGB 100%も選択できます。最高峰の業務用ワークステーションです
CPU | Core i5-12600HX Core i7-12800HX/12850HX Core i9-12900HX/12950HX |
---|---|
メモリ | 最大128GB |
ストレージ | SSD×2 最大8TB |
グラフィックス | NVIDIA RTX A1000 Laptop GPU NVIDIA RTX A2000 Laptop GPU NVIDIA RTX A3000 Laptop GPU NVIDIA RTX A4500 Laptop GPU NVIDIA RTX A5500 Laptop GPU |
ディスプレイ(16型) | WUXGA/WQXGA/WQUXGA IPS 光沢なし WQUXGA OLED 光沢なし |
OS | Windows 11 Home/Pro |
無線 | Wi-Fi 6E、4G LTEあり、Bluetooth 5.2 |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証あり |
WEBカメラ | なし/FHD 1080p |
重さ | 2.95㎏ |
バッテリー 電源 |
最大約23.5時間 170W/230W |
価格 | 35.4万円~ |
まとめ
良い点
・コンパクトなボディ
・アルミニウム素材でおしゃれ・傷もつきにくい
・画面比が16:10で、16型でも17型並みの情報が表示される
・最新で高性能CPU搭載
・最新メモリ搭載
・グラフィックスが豊富で用途に合わせて選べる
・4K解像度、DCI-P3 100%あり
・Dreamcolor対応ディスプレイあり
・Wi-Fi 6E対応
・スピーカーが4つ!
・セキュリティが堅牢
残念な点
・WWANなし
・有線LANポートなし
・拡張性がほぼない
・電源が若干小さい
・Webカメラが低解像度
総合評価
最新のインテル第12世代CPU Hシリーズが搭載で、グラフィックボードも最高のものが搭載可能、そしてディスプレイもDreamcolor対応のものがあり、最高クラスのワークステーションです。
ただし、16インチにしては拡張性が低く、インターフェイスもちょっと乏しい、そしてWebカメラがHD画質720pと低解像度だったりと、完ぺきとはいいがたい機種になります。
それでも、HPのビジネスPCと言えば、高度なセキュリティを持つHP Wolf Securityがあることが大きなアドバンテージです。「安心して使える」点では、他の会社より秀でていると思います。このおかげで、日本でのワークステーションのシェアが、14年連続で1番になったのかなと思います。