HPの上位モデル、13.3インチEliteBookのレビューです。
画面アスペクト比が16:10と縦に長く、13.3インチでも14インチ以上の情報が表示されるので、今まで13.3インチは見にくいと敬遠していた人にも合うと思います。
省電力モデルのCPUを搭載していますが、全体的にスペックが高く、生体認証が2つや500万画素カメラなど、ワンランク上の仕様になっています。
動画も作成したので、こちらもどうぞ。
レビュー機はメーカーからお借りしており、スペックはCore Ultra 5 125U、16GB LPDDR5-7467MHz、256GB PCIe 4.0になります。
Contents
パソコンガイド専用割引クーポン
HP様に当サイト向けの割引クーポンをご提供いただきました。下記リンクより本機を探して購入したら、割引が適用されます。ただし、ワークステーションなど一部の機種は非対象です。・個人向けモデル13.2万円(税込)以上の機種を購入で7%OFF
・法人向けモデル7.7万円(税込)以上の機種を購入で4%OFF
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HP EliteBook 830 G11のスペック
CPU | Core Ultra 5 125U Core Ultra 5 135U Core Ultra 7 155U Core Ultra 7 165U |
---|---|
メモリ | LPDDR5 16GB |
ストレージ | SSD 最大512GB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(13.3型) | WUXGA 400ニト |
OS | Windows 11 Pro |
無線 | Wi-Fi 6E |
生体認証 | 顔認証、指紋センサー |
WEBカメラ | 5MP、IRカメラ |
オーディオ | Bang &Olfsen |
寸法(幅×奥行×高さ) | 300.1 × 215 × 19.2mm |
重さ | 1.288㎏ |
バッテリー | 最大約13時間30分 |
セキュリティ | HP Wolf Security for business |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 18.3万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUはCore Ultraシリーズ1で、NPUを搭載しているのでAIの処理能力は高く、全体的なパフォーマンスが高くなっています。
メモリは最新のLPDDR5-7467MHzでオンボード16GB、ストレージは速度を見る限りPCIe 3.0×4で、最大512GBになります。
ディスプレイは画面アスペクト比が16:10の13.3インチで、14インチ並みの情報が表示されます。より多くの情報を見て取れるので、作業効率も上がります。輝度は400ニトと高いので、明るい室内でも見やすいです。
その他のスペックは、OSはWindows 11 ProでLANはWi-Fi 6Eに対応、イーサネットはありません。Webカメラは500万画素と高解像度で、顔認証と指紋センサーもあるのでサインインは一瞬です。
コンパクトなボディですが13.3インチでは普通サイズで、重さも1288グラム(公称値)と13.3インチにしてはちょっと重たい方です。
USB4が2つあり、USB-Aも2つ、そしてHDMIやセキュリティロックケーブルスロットにnanoSIMスロットと、インターフェイスは必要十分あります。据え置き兼外出用として使いやすい機種です。
旧モデルとの比較
旧モデルのElitebook 830 G10との比較です。画像は角度のせいだと思いますが本機G11の方がコンパクトに見えますね。ただし、同じ寸法です(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | 旧モデル | |
Evoプラットフォーム認証 | 〇 | 〇 |
CPU | Core Ultra 5 125U/135U Core Ultra 7 155U/165U |
Core i5-1335U/1345U Core i7-1355U/1365U |
メモリ | LPDDR5 16GB | DDR5 16GB |
ストレージ | SSD 512GB | SSD 2TB |
ディスプレイ | WUXGA | WUXGA UWVA |
無線 | Wi-Fi 6E | |
バッテリー | 約13.5時間(JEITA 3.0) | 約14時間(JEITA 2.0) |
重量 | 1.28㎏ | |
寸法 | 300.1 × 215 × 19.2mm |
主な変更点です。
・CPUが13世代にからCore Ultraシリーズ1に
・メモリがより速いLPDDR5に
・最大ストレージ容量が減ったが
・バッテリー駆動時間が伸びた
ほぼ同じスペックですが、NPUを搭載しているので全体的な動きがよりスムースになっています。
Evo Editionプラットフォーム認証に準拠
本機は5世代めのEvoプラットフォーム認証に準拠している特別な機種です。
Evoは14世代CPUを搭載しているすべてのPCが準拠しているわけじゃなく、下記項目を満たす「ハイスペックなノートパソコン」のみがEvo認証を得ることが出来ます。
14世代CPU搭載のEvoプラットフォーム認証の主な要件は75を超え、Intel曰く「高性能、高速充電、長寿命バッテリー、即時起動、クラス最高の接続性、および最適なサイズと重量など、75 を超える項目について、妥協することない高い水準をクリアする必要がある」とのことです。
以下は要件の一部です。
- Core Ultra 5/7/9搭載
- アプリケーションを高速かつ高レスポンスで使える
- 電源を問わずにレスポンスが良い事
- フルHDで実利用10時間以上のバッテリー駆動時間
- フルHD以上
- 1.5秒以内でスリープから復帰
- 生体認証/近接デバイス認証対応
- 30分の充電で4時間以上駆動
- 15㎜以下(iGPU)もしくは20㎜以下(dGPU)の厚さ
- Wi-Fi 6E実装
- Intel CPS(Connectivity Performance Suite)に対応
- フルHD以上のWebカメラを搭載
- 音声ノイズ抑制や背景ぼかしなどの機能
- Windowsスタジオエフェクト対応
- Thunderbolt 4搭載
- EPEATR Silver以上などサステナブルであること
- Intel Unisonのサポート
代々Evoプラットフォーム認証を受けた機種は数えるほどしかなく、特別な機種になります。
HP Wolf Security for business搭載可能
セキュリティはHP Wolf Security for Businessが搭載可能で、包括的なセキュリティになっています。
- HP Sure Sense・・・ディープラーニングを活用したリアルタイム検知機能があり、悪意のあるファイルを検出し、マルウェア、ゼロディ攻撃、ランサムウェアなどからPCを守るセキュリティ機能
- HP BIOSphere Gen6・・・ウイルスやマルウェアによる不正なBIOSの書き換えや、破損からシステムを保護
- HP Sure Click・・・Web閲覧のセキュリティ強化で、タブを閉じるだけでマルウェアが消滅する
- HP Sure Start・・・自動復旧機能で攻撃を受けても自動でリカバリ
- HP Client Security Software・・・パスワード関係などのセキュリティ機能
- HP Secure Erase・・・BIOSの中のSecure Eraseを使って内蔵ドライブのデータを完全に削除することが出来る
- ナノセキュリティロックケーブルスロット・・・盗難や持ち運び防止用のセキュリティワイヤーを使うスロット
- TPM・・・独立して機能するチップで、パスワードなどの重要情報を格納できる
- Windows Defender・・・Windows搭載のセキュリティ機能で、マルウェアなどのウイルスからパソコンを守ってくれる
「世界で一番安全なビジネスPC」と言っているだけありセキュリティは万全で、次項で紹介する東京生産ということもあり、安心して使えます。
日本でのサポート
HP ElitebookのElite Premiumサポートは、電話・チャット、メール・LINEなどでやっており、対応時間は月-金9:00-21:00、土9:00-17:00になります。一番うれしいのは、電話した時に「その件でしたらこちらの部署におかけ直しください」と言う定番の文句が出てこないことですね。たらいまわしを回避し、1つの窓口で対応してくれます。また、サポートは国内になります。
保証は1年間引き取り修理が付いており、最長4年に延長ができます。また、オンサイト修理という保証にもアップグレードできます。
- 引き取り修理・・・指定業者がパソコンを引き取りに来て修理工場に配送、修理後配達される(期間内はパーツ代や配送代など無料)
- 出張修理/オンサイト修理・・・家や事務所に来てその場で修理。期間内は交換パーツ代など無料
- アクシデントサポート・・・標準保証ではカバーされない水濡れや落下破損、盗難などに対応
保守拠点は国内に420か所以上あるので、修理も速いです。
また、他にも有料サポートが多くあるので、公式サイトを確認してみてください。
HP Product Quality
本機は12万時間の品質テストをクリアし、米軍の物資調達企画であるMIL-STD 810Gの19項目に適合と堅牢性の高い機種です。
持ち運びやオフィスでの使用にも、安心して使えます。
NPU搭載CPU
Core Ultra 7 155U/165U | Core Ultra 5 125U/135U |
|
製造プロセス | Intel 4(7nm) | |
P/E/LPコア | 2/8/2 | 2/8/2 |
スレッド | 14 | 14 |
キャッシュ | 12MB | 12MB |
Pコア最大クロック | 4.8/4.9GHz | 4.3/4.4GHz |
Eコア最大クロック | 3.8GHz | 3.6GHz |
Xコア | 4 | 4 |
ベースパワー | 15W | |
マックスパワー | 57W |
CPUは今までのようにPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)も搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
また、14世代(Intel Core Ultraシリーズ1)からLP Eコアという低消費電力コアも搭載しており、よりバッテリーが長持ちしやすくなっています。それに加えて、末尾がUの省電力モデルなので、動画再生時のバッテリー駆動時間は約13.5時間と長めになっています。
AI専用のプロセッサーであるNPUを搭載し、グラフィックスはIntel Graphicsになっています。AIコアに対応したアプリがどんどん増えてきているので、少しずつですがNPUがあると毎日の作業が楽になってきます。
Core Ultra 7 165UとCore Ultra 7 135UはvPro対応モデルで、企業で多くのPCを一括管理をする場合に便利です。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアで、Core Ultra 5 125Uのスコアは19976と予想よりも高いスコアでした。かなりの上位モデルであるCore Ultra 7 258V(19935)とほとんど同じスコアですね。
ただし、2024年からは今までのCPUの性能だけじゃなく、NPUの性能も加味して性能を見るので、同じスコアでも一概に言えないですね。
他のCPUとの比較です。平均と書かれた赤のバーは、PassMark社が公表している平均値です。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ハイエンドPCに搭載される
- 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Core Ultra 9 185H | |
Ryzen AI 9 365 | |
Ryzen 7 8845H | |
Core Ultra 7 165H | |
Ryzen 7 8840HS | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 7 155H | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 258V | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core i5-1335U | |
Core Ultra 5 135U | |
Core Ultra 5 125U/平均 | |
Core 5 120U | |
Core 7 150U | |
Core Ultra 7 165U | |
Core Ultra 7 155U |
Geekbench AIのONNXでCPUのAI性能を測りました。ONNXはOpen Neural Network eXchangeで、ディープラーニングや機械学習モデルのようなAIモデルの性能を計測します。
Single Precision(単精度)は2458とかなり高く、Half Precision(半精度)は1042も良いスコア、Quantized(量子化スコア)は3972と良いスコアでした。
Single Precision Score/単精度スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Uitra 5 125H | |
---|---|
Core Uitra 5 125U | |
Core i7-1260P | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
Half Precision Score/半精度スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Core Uitra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Uitra 5 125U | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
Quantized Score/量子化スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Core Uitra 5 125H | |
Core Uitra 5 125U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
Cinebench 2024のスコアで、Cinema 4DのデフォルトレンダリングエンジンであるRedshiftのパワーを利用して、CPUとGPUの能力を計測します。計測結果はマルチコア475、シングルコア94とこのCPUにしてはそこそこ高い性能でした。
他のCPUとの比較です。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 7 8845HS | |
Apple M1 Max | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 7 258V | |
Apple M1 | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125U | |
Core i7-1280P |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Apple M1 Max | |
Apple M1 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Ryzen 3 8300GE | |
Ryzen 7 8845HS | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Core i7-1280P |
こちらはPCMark10の計測結果で、Essentialは「通常用途(Web検索やビデオ会議、アプリの起動など)の性能」、Productivityは「Microsoft Office(事務系のアプリ)使用時の性能」、Digital Content Creationは「コンテンツ作成(画像・動画編集など)のしやすさ」を表しています。
意外にもCore Ultra 5 125H並みの性能でした。
総合性能の目安は以下になります。
・9000以上・・・超ハイスペック(主にグラボ搭載機種)
・7500以上・・・ハイスペック
・5000以上・・・ミドルクラス
・2500以下・・・エントリ―クラス
本機種のスコアです。
- 総合性能は5797→ミドルクラス
- Essentialは9782→通常用途やビデオ会議などは快適にでできる
- Productivityは7574→快適に使える
- Digital content creationは7136→高めの性能
Essential
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 3 7335U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5500U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Productivity
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1235U |
Digital Content Creation
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 7 7735U | |
Core Ultra 5 125U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i5-1235U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Ryzen 3 5425U |
5分の4K動画を撮影し、Davinci Resolveでレンダリングにかかった時間です。当然ですが、時間が短いほうが高性能です。3回計測し、平均は3分55秒でした。あれ?なんでこんなに速いんだ??
4K動画レンダリング速度
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
---|---|
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen AI 9 HX 370 |
500万画素WEBカメラ
<画像左はプライバシーシャッターを閉じた状態>
Webカメラは超高画質の500万画素で、内蔵Webカメラとしては最高峰の品質です。一般的なPCにはHD解像度(約92万画素)、ビジネスPCにはFHD解像度(約200万画素)が搭載していますが、本機は倍以上の500万画素です。
Web会議やビデオ通話はもちろん、オンラインレッスンの講師など仕事で使う人にも使えます。
ズームするとわかりやすいですが、FHDよりもが高画質できれいな映りです。
また、カメラ拡張機能で、オートフレームやマルチカメラで2つの映像を表示など「あったらいいな」という機能が付いているので、より快適に使えます。
マイクはノイズキャンセリング機能付きのデュアルマイクで、スピーカーはデンマークの高級老舗オーディオメーカーのバング&オルフセンで、2つのスピーカーを搭載しています。
後ほど動画に上げますが、音質は結構良くミドルもしっかりと効いています。大迫力の音量ではないですがWeb会議などの用途であれば十分良いオーディオです。
また、HP Dynamic Voice Levelingは、PCの3m以内であれば自動的に声がクリアに聞こえるようマイクを調整 するので、歩きながら話す人も、複数人で会議をする場合でも、安心して通話ができます。しかも、PCをデスクに置いて、部屋を歩いていても、カメラが映る範囲であれば、常にフレームの中央に映されます。
オーディオ関係は高品質で、ハイエンドスペックですね。
顔認証に対応しておりサインインは一瞬、そしてカメラシャッターもあるので、カメラを使わないときは閉じておくと安心です。
その他の特徴
外観
上のベゼル(画面の黒い枠)は13㎜と細くないですが、左右は約6.5㎜と細く、太くなりがちな下ベゼルも細めです。
直線的なデザインでちょっと角ばっており、ビジネスPCって感じが漂ってますね。
また、サステナビリティを意識した機種で、天板の90%はリサイクルされたマグネシウムを使用し、キートップの50%は廃棄されたDVDを、そして外箱とクッションは100%サステナブル素材を使用しています。
マグネシウムは剛性が高く、毎日の持ち運びも安心です。また、手触りもよく、高級感があります。
角度を変えると何かわかりずらいですが、個人的に好きなロゴです。
寸法は幅300.1ミリ、奥行き215ミリと一般的な13.3インチのサイズで、実測1306g(公称値1288g)でした。13インチの平均は1.2キロほどなので本機はちょっと重たい方です。
厚さは19.2ミリと薄くないですが、分厚いというほどでもありません。
ヒンジ部分にも「ELITEBOOK」ってロゴが入っています。上位モデルって、こういう細かいところまでこだわって作られてますね。
全体的にシャープエッジですが、丸みもあるので見る場所によっては優しい印象を与えると思います。
ディスプレイは170度くらいでしょうか?ここまで開きます。
ディスプレイ
ディスプレイは13.3インチのWUXGA(1920×1200ドット)と通常の画面アスペクト比の16:9よりも縦に長い16:10で、13.3インチでも14インチ並みの情報が表示されます。
ほぼ同じくらいの表示量がありますね。13.3インチとコンパクトですが今までの14インチ(16:9)と同じくらいの表示量があるので、14インチから乗り換える人も生産性は落ちません。
左が本機で右はsRGB 100%のディスプレイですが、本機の方がより色彩が豊かですね。これであればSNS用の画像・動画編集も十分にできる色域です。あと、右の比較写真よりもシャープな描写になっていますね。
最後は視野角のチェックです。正面、横、上から見ても四隅が暗くなったりせずにしっかりと見えます。
キーボード
キーボードはバックライト付きで、キーピッチ(キーの中心から次のキーの中心までの距離)は18.7×18.7㎜で、ほぼフルサイズ。また、キーストローク(キーを押し込む距離)は1.5㎜と悪くないです。
主要キーは大きく使いやすいですがFキー列は小さめ、最下部のキーは細長くカーソルキーはすべて小さいです。今まで大きなサイズのPCを使っていた人は、慣れが必要かもしれません。
打鍵感はそんなにないですが、普通のキーボードで、普通にタイピングできます。
キーボード下には指紋センサーがあり、顔認証もあるのでどちらでもサインインできます。これ、便利ですね。最近はどっちか一つと言うものが多いのですが、顔認証が反応しないことって時々あるので、そういったときに便利です。
そこそこ高めのグラフィックス性能
グラフィック性能が高いとOfficeを使った作業や複数画面での作業、そして画像・動画編集などがしやすくなります。3D Graphics Markのスコアは4045と、2024年モデルで言えば普通くらいでした。
3D Graphics Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen 7 8845HS | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 7 7735U | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core i7-1260P | |
Core i7-1355U | |
Core i5-1335U | |
Core i5-1340P | |
Ryzen 3 7335U |
次はゲームの3DMarkを使い、グラフィック性能を測ります。
Steel Nomad Lightは1719、Wild Lifeは14404、Fire Stikeは4490、そしてNight Raidは19246と、高いスコアではないですがそこそこのグラフィック性能です。
Steel Nomad Liteは、DirectX 12 Ultimateの性能をテストし、レイトレーシングを使用しない中量級ゲームを想定したベンチマークです。スマホなどの他のデバイスとスコアを比較できる、クロスプラットフォームです
Steel Nomad
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3050 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 Max-Q | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 7 7735U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Wild Life
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3050 Ti | |
---|---|
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 Ti | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
GTX 1650 Max-Q | |
Ryzen 7 8845HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Fire Strike
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3050 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 | |
Core Ultra 5 125H | |
GTX 1650 Max-Q | |
Arc A350M | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 7 7735U | |
Core Ultra 5 125U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Night Raid
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 4050 | |
---|---|
RTX 3050 | |
RTX 3050 Ti | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 Ti | |
Core Ultra 5 125H | |
GTX 1650 Max-Q | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 7 7735U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
次はゲームのベンチマークで、ドラゴンクエスト10は14027で「すごく快適」、FFXIV黄金のレガシーは5372で「普通」でした。2Dゲーム性能はそこそこ高いです。
ドラクエX FHD画質
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 5345U | |
Ryzen 7 7730U | |
Ryzen 5 7530U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 7 7735U | |
Core i7-1355U | |
Core i5-1335U |
FFXIV 標準品質
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 7 8845HS | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Ryzen 7 7735U | |
Ryzen 3 7335U |
排熱性能
通気口は小さいです。
筐体内部にはファンが一つと、ヒートパイプが一つだけでした。最低限の排熱機構ですが、CPUが省電力モデルなので問題無いようでした。
CPUの性能をフルで使うCinebench 2024と言うベンチマークを実行時の、CPUの温度推移図です。ベンチマークを回した瞬間に373度(摂氏100度)まで一瞬上がり、その後343度(70度)ほどを安定して移動しています。
最初になぜこんな動きをしたのか分かりませんが、70度近辺を安定して移動しているところを見ると、問題なく排熱できていると思います。また、いろいろなベンチマークスコアも高かったので、問題ないと思います。
この時のPC表面温度は33.1度でした。問題ない温度です。
同じく、この時の騒音値は平均30dBと静かな方です。オフィスで高負荷な作業をしても、周りの人は気にならないと思います。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリは最新のLPDDR5-7467MHzで、オンボードメモリ16GBになります。メモリ性能を測るMemory Markの結果は2642と、LPDDR5にしては遅かったです。
その他のメモリとの比較です。
Memory Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
LPDDR5X平均 | |
---|---|
DDR5平均 | |
LPDDR5平均 | |
本機種LPDDR5 | |
LPDDR4X-4266MHz平均 | |
DDR4-3200MHz平均 |
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
搭載ストレージはSSD 256GBで、シーケンシャル速度を計測したら、リード(読み込み速度)は3117MB/秒、ライト(書き込み速度)は2030MB/秒と普段使い用PC並みの速度でした。ただし、これだけの速度があれば、遅いと思うこともありません。
起動時間を計測しました。めちゃくちゃ速いわけじゃなかったですが、普通に速いです。
1回目 | 15秒 |
---|---|
2回目 | 15秒 |
3回目 | 15秒 |
4回目 | 15秒 |
5回目 | 15秒 |
平均 | 15秒 |
Wi-Fi 6Eに対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
インテルWireless-AC 9560 2×2(Wi-Fi 5) | 2.4/5GHz | 1.7Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6Eに対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができるのですが、執筆時現在の日本では6GHz帯はまだないので使えません。最大で5GHz帯になります。
バッテリー駆動時間
バッテリーは3セル・56Whrと大きく、JEITA 3.0測定で約13.5時間の動画再生時間になります。バッテリー駆動時間は長いので、安心して持ち運べます。
また、急速充電に対応しており、30分で最大50%の充電が可能です。
インターフェイス
インテ―フェイスは、USB-Aが2つ、Thunderbolt 4が2つあり、HDMIなどもあるので、必要十分だと思います。屋内で使うときはThunderbolt 4対応ドック(アマゾンで1.4万円くらいからあります)を使うと便利です。
右側面はnanoSIMスロット、 ナノセキュリティロックケーブル用スロット、USB 3.2 Gen 1(データ転送速度5Gbps)、オーディオ/マイクコンボジャックです。
左側面はHDMIにUSB 3.2 Gen 1とThunderbolt 4が2つ、そしてThunderbolt 4にはこういった機能・性能があります。
- Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き
- 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
- PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000Mbps
- 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
- 8K出力にも対応
ライバル機種
ThinkPad X1 Carbon Gen 12
14インチですが、1.09㎏と超計量モデルです。Intel Core Ultraシリーズ1搭載で、メモリやストレージなども最新スペック満載です。キーボードには感圧クリックパッドを選べたり、コミュニケーションバーが搭載したりと、中も外も大きな変化があります。必要な機能は何でもあるんじゃ?というくらい最先端で快適に使えるPCです。また、Evo Editionプラットフォーム認証にも準拠しています。
CPU | Core Ultra 5 125U/135U Core Ultra 7 155U/165U Core Ultra 5 125H Core Ultra 7 155H |
---|---|
メモリ | LPDDR5X 最大64GB |
ストレージ | SSD 最大2TB |
グラフィックス | Intel Graphics Intel Arc Graphics |
ディスプレイ(14型) | WUXGA IPS タッチパネルあり 2.8K OLED |
OS | Windows 11 Home/Pro |
無線 | Wi-Fi 6E、LTE/5Gあり |
生体認証 | 顔認証、指紋センサー |
WEBカメラ | 1080p FHD 4K(8MP)+MIPI |
重さ | 1.09㎏~ |
バッテリー(JEITA 3.0) | 最大約12.8時間 |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 22.1万円~ |
ThinkBook 13x Gen 4
第14世代搭載のクリエイターPCで、最大でCore Ultra 9+メモリ32GBとハイスペックです。2.8K解像度にsRGB 100%の高色域、顔認証や指紋センサーと快適に使えるスペックです。エッジ トゥ エッジデザインでキーボードが筐体の端から端まで広がっているので、コンパクトな筐体ですが十分なキーピッチがありタイピングがしやすいです。1.17㎏と軽く、バッテリー駆動時間は最大約12.1時間と丸一日使えます
CPU | Core Ultra 5 125H Core Ultra 9 185H |
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メモリ | LPDDR5X 最大32GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
ディスプレイ(13.5型) | 2.8K(2880×1920) IPS液晶 タッチあり |
無線 | Wi-Fi 6E |
その他 | FHD+IRカメラ、指紋センサー、顔認証、Dolby Atmos |
寸法(幅×奥行×高さ) | 292.9 × 205 × 12.9㎜ |
重さ | 1.17㎏ |
バッテリー(JEITA 3.0) | 最大約12.1時間 |
価格 | 15.9万円~ |
まとめ
良い点
・マグネシウム合金ボディで、耐久性も高く高級感あり
・NPU搭載CPUでAI処理が速くなる
・画面比が16:10で、13.3型でも14型並みの情報が表示される
・メモリが最新のLPDDR5
・WEBカメラが500万画素と高性能高機能
・生体認証が2つある
・HP Wolf Security搭載可能
・Evo Edition プラットフォーム認証に準拠
残念な点
・この価格とスペックを考えると、筐体が小さくなく、そして1.3㎏と重たい
総合評価
省電力モデルのCPUを搭載でしたが比較的高い性能で、十分高負荷な作業にも耐えられる機種です。まぁ、Evoプラットフォーム認証の機種なので、快適に使えるのは当たり前ですが、それ以上にカメラの性能やWolf Securityなどビジネスに必要な機能が満載している感じです。
EliteBookは上位モデルなのでワンランク上の機能や性能が採用されますね。
ただし、13.3インチにしては軽いわけじゃなく、筐体も小さいわけじゃないです。それでも13.3インチは小さなPCなので持ち運びには便利です。
Author
・パソコンガイドメインライターの本田。PCやタブレット、その他ガジェットが好きで、年間2~30台ほどのPCとモニターや周辺機器を購入するマニア
・元ミュージシャン
・暖かいところが好きで、よくタイに旅行に行く
・既婚(妻と子供2人)
・最近の趣味はオーディブルを聞きながらぼけ~っとすること
・はまってることは、裸足で1日10分歩く健康法
・若く見られがちだが40代