ACEMAGIC V1ミニPCのレビューです。
先日レビューをしたノートPCのACEMAGIC AX15はコスパが高い機種でしたが、本機はセール時1.6万円で買える低価格PCですが、普段使い用PCとして十分な性能でした。
ローエンドのCPUを搭載しているので、テキストワークやWebブラウジングなど軽めの用途に合います。
レビュー機はメーカーからいただいたもので、スペックはIntel N150、メモリ16GB、SSD SATA 512GBになります。
まずは本機の良い点と残念なです
良い点 | 残念な点 |
安っぽくない | USB Type-Cがない |
メモリとストレージの換装が可能 | ストレージの換装には知識が必要 |
インターフェイスが豊富 | – |
HDMIケーブルやVESAマウントなど同梱物が多く親切 | – |
保証が最長18か月と長い | – |
技適あり | – |
Contents
ACEMAGIC VISTA Mini V1のスペック
CPU | Intel N150 |
---|---|
メモリ | DDR4-2666 8/16GB |
ストレージ | SSD SATA 256GB(最大2TB) |
グラフィックス | CPU内蔵 |
OS | Windows 11 Pro |
LAN | 1Gbe Wi-Fi 5 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 100 × 100 × 33mm |
重さ | 263g |
ACアダプタ | 30W |
その他 | 技適あり |
標準保証 | 12か月/18か月 |
価格 | 1.6万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUはIntel N150が搭載で、ミニPCや低価格中華PC、Chromebookに搭載されることが多く、ローエンドスペックですがそこそこ使えます。
メモリはDDR4-2666MHzで16GBが搭載し、ストレージはSSD SATAが搭載で速度は遅めですが、気になる場合はSSD PCIe 3.0 最大2TBに換装できます。
OSはWindows 11 Proで、LANは1ギガビットイーサネットを搭載し、無線はWi-Fi 5になります。
インターフェイスはUSB 3,2 Gen 2が2つあり、USB 2.0も2つ、HDMIにDisplayPort、そして3.5ミリイヤフォンジャックもあります。USB Type-Cがないのでアダプタが必要だと思いますが、なかなか高品質なインターフェイスです。
縦横10×10センチの手のひら以下のサイズなのでどこにでも設置できるし、たったの263gで持ち運びも余裕でできます。
現在、amazonと楽天で購入でき、amazonではメモリ8GB+SSD 256GBで、16,880円、楽天では8GB+512GBで22,800円か16GB+512GBの24.800円があります。また、amazonで購入した場合は18か月保証、楽天で購入した場合は12か月保証になります。
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ちっちゃな筐体
小さいですね~。余裕で手のひらに載るサイズです。
重さはたったの263gで、スマホ1個半くらいの軽さです。
<モバイルモニターとキーボードと撮影>
小さいですね~。モニターの横においても、全然邪魔になりません。モニターの後ろに置いたら完全に見えないですね。DPとHDMIがあるので、最大2画面にできます。
小さいっ!一応デスクトップなのにiPhone 14よりも短いです。
意外にしっかりとした造りで、他社のミニPCのような「あからさまな安っぽさ」はありません。先日レビューをした同社のNiPoGiというミニPCブランドがあるのですが、それも安っぽくなくしっかりとした筐体でした。
インターフェイスは豊富で、USB Type-Cがないという以外は困ることはないと思います。
インターフェイスはUSB 3,2 Gen 2(データ転送速度10Gbps)が2つあり、USB 2.0(マウス・キーボード用)も2つ、HDMIにDisplayPort、そして3.5ミリイヤフォンジャックもあります。USB Type-Cがないのでアダプタが必要になると思いますが、なかなか良いインターフェイスですね。
ミニPCのレビューをしていると一番問い合わせが多いことは、技適があるか無いかです。本機にはしっかりと技適マークがあるので安心して日本国内で使えます。
同梱物は30WのACアダプタ、HDMIケーブル、VESAマウントと説明書になります。同梱物多くていいですね。
消費電力がたったの6WのCPU搭載
Intel N150 | |
コア/スレッド | 4/4 |
キャッシュ | 6MB |
iGPU演算ユニット | 24 |
TDP | 6W |
消費電力がたったの6Wと小さく、本機のようなミニPCにぴったりのCPUです。小さな筐体は熱がこもりやすいので、こういった発熱が少ないCPUを搭載すると熱くなりにくいので快適に使えます。また、発熱が低いと寿命も延びやすいですね。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアで、計測結果は5653と第10世代Core i3並みの性能でした。テキストワークなどの軽い作業に向いてます。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ハイエンドPCに搭載される
- 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 5 135U | |
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Core Ultra 5 125U | |
Core 5 120U | |
Core 7 150U | |
Core Ultra 7 165U | |
Core Ultra 7 155U | |
Core i5-1035G1 | |
Intel N150 | |
Pentium Gold 7505 | |
Core i3-1005G1 |
Geekbench AIのONNXでCPUのAI性能を測りました。ONNXはOpen Neural Network eXchangeで、ディープラーニングや機械学習モデルのようなAIモデルの性能を計測します。
Single Precision(単精度)は791とHalf Precision(半精度)も440、Quantized(量子化スコア)も1395と低いスコアでしたが、思ったほど悪くないと思います
Single Precision Score/単精度スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 155H | |
---|---|
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 258V | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U | |
Intel N150 |
Half Precision Score/半精度スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 155H | |
---|---|
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U | |
Intel N150 |
Quantized Score/量子化スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 155H | |
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Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U | |
Intel N150 |
こちらはPCMark10の計測結果で、Essentialは「通常用途(Web検索やビデオ会議、アプリの起動など)の性能」、Productivityは「Microsoft Office(事務系のアプリ)使用時の性能」、Digital Content Creationは「コンテンツ作成(画像・動画編集など)のしやすさ」を表しています。
総合性能の目安は以下になります。
・9000以上・・・超ハイスペック
・7500以上・・・ハイスペック
・5000以上・・・ミドルクラス
・2500以下・・・エントリークラス
本機種のスコアです。
- 総合性能は2886→エントリークラス
- Essentialは5996→通常用途やビデオ会議などは普通にでできる
- Productivityは4043→そこそこ使える
- Digital content creationは2693→不向き
性能は低いですが、普通に使える程度のスコアでした。グラフィック性能が低いので画像編集などには向きませんが、テキストワークなどの軽いビジネス用途なら使っても問題なさそうです。
Essential
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
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Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 7 PRO 6850H | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 3 7335U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5500U | |
Intel N150 |
Productivity
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 7 PRO 6850H | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1235U | |
Intel N150 |
Digital Content Creation
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
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Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 7 PRO 6850H | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 7 7735U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Intel N150 |
増設できる
ゴム足をはずし、中にあるネジを外してカバーを外します。ちなみにゴム足は両面テープで張り付けられているので、外すのが大変です。しかも、一回剥がすと粘着力が落ちるので、持ち運びを想定している人はご注意ください。
中にはメモリ1枚、SSD SATA1枚入っており、メモリは最大16GBまで換装できます。
ストレージはSSD SATA 256GBか512GBが入っており、最大2TBにできますが、OSをクローンして移動したりと面倒くさいので、外付けストレージを使った方がいいと思います。
その他の特徴
グラフィックス性能
グラフィック性能が高いとOfficeを使った作業や複数画面での作業、そして画像・動画編集などがしやすくなります。
3D Graphics Markのスコアは1043とかなり低い性能でした。メモリが1枚のシングルチャンネルだし、CPUの性能も低いのでこのくらいですね。
3D Graphics Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
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Ryzen 7 8845HS | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 7 PRO 6850H | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 7 7735U | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core i7-1260P | |
Core i7-1355U | |
Core i5-1335U | |
Core i5-1340P | |
Ryzen 7 PRO 5850U | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1235U | |
Ryzen 3 7335U | |
Intel N150 |
念のため3DMarkでFire Strikeの性能を測ってみました。
Fire Strikeの計測結果は1282と、分かりきっていたことですがかなり低い性能でした。
軽いゲームのドラゴンクエスト10のベンチマークは2728 で「やや重い」でした。
グラフィック性能はすごく低いですが、画像編集などしなければ気になることはないと思います。
騒音値・発熱
CPUの性能をフルで使うCinebench 2024をしているときに、発熱と騒音値を測りました。
PC背面温度は45.6度とちょっと温かく、騒音値は45dBとなぜか高い数値が出ましたがほぼ無音で、集中しないと聞こえません。
ただし、このPCでCinebenchほどの高負荷なことをすることはまずないと思うので、こういった温度や騒音値を見ることはないと思います。
最大16GB搭載できるメモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリはDDR4-2666MHzで、メモリの性能を測るMemory Markの計測結果は2191と、シングルチャンネルメモリにしては良いスコアでした。
その他のメモリとの比較です。
Memory Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
DDR5平均 | |
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LPDDR5平均 | |
LPDDR4X平均 | |
DDR4/本機 | |
DDR4-3200MHz平均 |
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
搭載ストレージはSSD SATAで、シーケンシャル速度を計測したら、リード(読み込み速度)は560MB/秒、ライト(書き込み速度)は502MB/秒とSSD SATAの平均的な速度でした。
起動時間を5回計測した平均は14秒でした。速いです。
1回目 | 14秒 |
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2回目 | 14秒 |
3回目 | 14秒 |
4回目 | 14秒 |
5回目 | 14秒 |
平均 | 14秒 |
モニター
モニターの購入や買い替えを検討の方は、筆者が使っているLenovoモニターもおすすめなので、こちらも併せてどうぞ。
また、本機は最大2画面で使えます。
まとめ
良い点
・ち~さな筐体なので、どこにでも設置しやすい
・他の低価格ミニPCと比べるとつくりがしっかりしている
・ほぼ無音
・USB 3.2 Gen 2が2つも搭載
・RJ45が搭載
・HDMIケーブルやVESAマウントなど同梱物が多く親切
・Windows 11 Pro
・保証が最長18か月と長い
残念な点
・SSDの換装ができるが知識が必要
・USB Type-Cがない
総合評価
約1.6万円のPCにしては良いPCですね。
CPU性能は価格なりですが、ブラウジングやテキストワークならスペックの低さもそんなに気にならないし、これだけ小さいのでどこに置いても場所とらずで使いやすいと思います。
しかも、そこまで安っぽいわけじゃないので、リビングなど人から見られるような場所でも全然おいて大丈夫だと思います。
現在、amazonと楽天で購入でき、amazonではメモリ8GB+SSD 256GBで、16,880円、楽天では8GB+512GBで22,800円か16GB+512GBの24.800円があります。また、amazonで購入した場合は18か月保証、楽天で購入した場合は12か月保証になります。
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Author
・パソコンガイドメインライターの本田。PCやタブレット、その他ガジェットが好きで、年間2~30台ほどのPCとモニターや周辺機器を購入するマニア
・元ミュージシャン
・暖かいところが好きで、よくタイに旅行に行く
・既婚(妻と子供2人)
・最近の趣味はオーディブルを聞きながらぼけ~っとすること
・はまってることは、裸足で1日10分歩く健康法
・若く見られがちだが40代