Acemagic AX15のレビューです。
PCに詳しい人は、「Acemagic」と聞くとミニPCを思い浮かべるかもしれませんが、本機は15.6インチのノートパソコンになります。
エントリークラスの性能で、Web閲覧や動画視聴、オンラインショッピングやオンラインレッスンなど一定のことは普通にでき、ちょっと軽いので時々持ち運ぶという人にも合うと思います。
こちらはレビューをしたまとめです。
良い点 | 残念な点 |
安い! | Wi-Fi 5 |
かっこいい外観 | USBポートの速度が速くない |
ちょっと軽い | SSDの速度が遅い |
インターフェイスが豊富 | バッテリー駆動時間が短い |
メモリの増設に対応 | |
起動が速い |
残念な点も記載しましたが、レビュー時の価格は38499円なので、この価格で文句は言えません。安いのにある程度のことは普通にできます。
レビュー機はメーカーから頂きましたが、記事内容にいかなる制約も受けていません。
Contents
ACEMAGIC AX15のスペック
CPU | Intel N150 |
---|---|
メモリ | DDR4-2666 16GB(最大64GB) |
ストレージ | SSD PCIe 3.0 512GB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(15.6型) | FHD IPS 非光沢 500ニト |
OS | Windows 11 Home |
無線 | Wi-Fi 5 |
生体認証 | ‐ |
WEBカメラ | 100万画素 |
オーディオ | あり |
寸法(幅×奥行×高さ) | 358 × 228 ×17.9mm |
重さ | 1625g |
バッテリー | 4時間30分ほど |
標準保証 | 18か月 |
価格 | 5.4万円~ |
エントリークラスのCPUが搭載で、メモリは16GB×1枚、そしてSSDはPCIe 3.0で512GBになります。CPU性能はそんなに高くないですが、メモリ容量もSSD容量も十分にあり、普段使い用としては十分に使えるスペックです。
16GB以上の大きなメモリを持っていないので試していないですが、メモリサイズは64GBと記載されているので、ここまで増設できると思います。メモリスロットは1つなので、1枚の64GBが必要に・・・いや、ないでしょ、そんなメモリ。32GBなら販売されているので、増設をする人は32GBをどうぞ。
ディスプレイは15.6インチでのFHD(1920×1080ドット)で視野角の広いIPS液晶を採用、そして輝度は500ニトとすごく明るいです。屋外で使うことがある人にも見やすい輝度です。
その他のスペックは、OSはWindows 11 Homeで無線はWi-Fi 5、そして100万画素のWEBカメラが搭載です。
レビュー執筆時はちょうどいくつかのクーポンが出ており、38,499円まで割引されていました。この価格なら、即買いですね!
かっこいい外観
左右のベゼルが細く、引き締まった見た目ですね。5万円台(セール時3万円台)と安いので期待していなかったのですが、全然安っぽくないですね。
ロゴもかっこよく、指紋が付きにくい天板です。
幅約358ミリ、奥行き228ミリと標準的な大きさです。
重さは実測1625gで、15.6インチとしては軽い方です。
厚さは17.9ミリと薄く、低価格PCとは思えないスペックです。
ラウンドエッジの筐体で、おしゃれな感じがします。
ディスプレイは170度ほど開くので、人とシェアをするときや、床に座って作業をするときに役に立ちます。
ACアダプタです。
日本語カバー付きキーボード
本機は英語キーですが、日本語キーが欲しいという人が多いと思います。
そんな人のために日本語キーが印刷されたシリコン製のキーボードカバーが付属しています。
こんな感じの柔らかい薄いカバーで、キーボード上に載せるだけで全然ずれないし、タイピングもしやすいです。
こんなに傾けても取れないんですが、簡単に取り外しできます。
キーボードはテンキー付きで、バックライトはありません。
最下部のキー列は若干スリムになっていますが、主要キーはすべて同じ大きさで操作しやすいですが、4つのカーソルキーすべて同じサイズにしたので(これはこれで操作しやすいのですが)、Shiftが変な位置になっており短いです。
キーピッチ(キーの中心から次のキーの中心までの距離)は18.4 × 18.4㎜で、テンキー付きですが比較的ゆとりのあるサイズです。また、キーストローク(キーを押し込む距離)は1.1㎜と浅く、打鍵感はありません。流れるようなタイピングをする人には良いかもしれません。
ちなみに、日本語カバーは薄いので、付けても付けなくても打鍵感に違いはありませんでした。
タッチパッドは約130㎜×87㎜と大きく、大きいので操作しやすいです。
省電力CPU搭載
搭載CPUはIntel N150で、4コア4スレッド、そして超省電力の6Wになります。エントリークラスの性能ですが、オンラインショッピングやオンラインレッスン、Web検索にYoutubeなどの普段使い用としては、メモリも大きいので十分な性能です。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアで、計測結果は5955でした。サクサク何でもできるわけじゃなく、一瞬の待ちはありますが、タブを何十個も開けて使うようなことをしなければ使えます。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ビジネス用途でもがっつり使える
- 18000~・ゲーミングPCなどのハイスペックPCに搭載される
- 20000~・専門的な機種に搭載されることが多い
Cinebench 2024のスコアで、Cinema 4DのデフォルトレンダリングエンジンであるRedshiftのパワーを利用して、CPUとGPUの能力を計測します。計測結果はマルチコア182、シングルコア60とシングルコア性能は悪くありませんでした。
マルチコア性能は4コアなので高くないですね。これは、いくつものアプリやタブを同時に開いて使う処理が苦手と言うことです。ほどほどにしましょう。
他のCPUとの比較です。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 7 8845HS | |
Apple M1 Max | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 7 155U | |
Apple M1 | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Core i7-1280P | |
Intel N150 |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Apple M1 Max | |
Apple M1 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Ryzen 3 8300GE | |
Ryzen 7 8845HS | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 7 155U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 5 7535U | |
Core i7-1280P | |
Intel N150 |
こちらはPCMark10の計測結果で、Essentialは「通常用途(Web検索やビデオ会議、アプリの起動など)の性能」、Productivityは「Microsoft Office(事務系のアプリ)使用時の性能」、Digital Content Creationは「コンテンツ作成(画像・動画編集など)のしやすさ」を表しています。
総合性能の目安は以下になります。
・9000以上・・・超ハイスペック(主にグラボ搭載機種)
・7500以上・・・ハイスペック
・5000以上・・・ミドルクラス
・5000以下・・・エントリ―クラス
本機種のスコアです。
- 総合性能は3101→エントリークラス
- Essentialは6436→通常用途やビデオ会議などもできる
- Productivityは4607→サクサク動かないが使える
- Digital content creationは2730→不向き
Essential
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core Ultra 7 155U | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 3 7335U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5500U | |
Intel N150 |
Productivity
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 7 155U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Intel N150 |
Digital Content Creation
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 7 7735U | |
Core Ultra 7 155U | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535U | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i5-1235U | |
Ryzen 3 5425U | |
Intel N150 |
16GBと大きなメモリ&増設可能
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリはDDR4-2666MHzで、メモリ性能を測るMemory Markは2281と上位モデルのDDR4-3200の平均値を越えました。
その他のメモリとの比較です。
Memory Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
LPDDR5X平均 | |
---|---|
DDR5平均 | |
LPDDR5平均 | |
LPDDR4X-4266MHz平均 | |
本機DDR4 | |
DDR4-3200MHz平均 |
その他の特徴
ディスプレイ
ディスプレイは15.6インチのFHD(1920×1080ドット)で。視野角が広いIPS液晶を採用です。
左は低価格PCに搭載されるNTSC 45%と言う色域で、真ん中が本機、右はsRGB 100%のディスプレイですが、本機はNTSC 45%以上sRGB 100%以下と言った感じで、ちょっと青みがかった色をしています。
画像編集や動画編集には向かないディスプレイです。
この画像はどれだけ黒を描写できるかのテストで、比較的しっかりとした黒を描写できています。コントラスト比は低くないようです。
次は視野角のチェックです。どこから見ても四隅が暗くなったりせずにしっかりと見えます。
輝度は500ニトと高く、屋外でも比較的見やすいです。
標準的なグラフィックス性能
グラフィック性能が高いとOfficeを使った作業や複数画面での作業、そして画像・動画編集などがしやすくなります。3D Graphics Markのスコアは1032と低いです。2画面作業くらいはできますが、画像編集や大きなデータをExcelで扱うなどには向いていません。
3D Graphics Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen 7 8845HS | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 7 7735U | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 155U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core i7-1260P | |
Core i7-1355U | |
Core i5-1335U | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i5-1340P | |
Intel N150 |
次は軽い2Dゲームのドラゴンクエスト10のベンチマークで、2893で「やや重い」でした。
ゲームには向きません。
Webカメラ&オーディオ/スピーカー
カメラは100万画素で、HD解像度よりちょっと良い画質になります。
ちょっと趣のある映り栄えですが、オンラインレッスンや会議などでも使えます。
スピーカーは動画で紹介しますが、価格の割に普通の音で悪くないです。
排熱性能
通気口は幅広く、かっこいい底面カバーですね。
筐体内部にはファンが一つと、ヒートパイプが一つだけでした。最低限の排熱機構ですが、CPUがたったの6Wの省電力モデルなので一切問題ありませんでした。むしろファンレスでも問題なく動くほどの省電力CPUです。
CPUの性能をフルで使うCinebench 2024と言うベンチマークを実行時に、PCの表面温度と騒音値を測りました。
PC表面温度は38.4度と普通、平均騒音値は43dBとちょっと音がします。ベンチマークが重たすぎたので予想よりも高い温度と騒音値でしたが、このPCでCinebenchほど重たいアプリを使うことはないと思うので、こんなに音はしないし、温度も高くならないと思います。
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
搭載ストレージはSSD 512GBで、シーケンシャル速度を計測したら、リード(読み込み速度)は561MB/秒、ライト(書き込み速度)は457MB/秒とHDD並みの速度でした。SSDにしてはすごく遅いので、データ移動が多い人は考え物です。
起動時間を計測したら、5回の平均で16.4秒と予想以上に速かったです。(10秒→速い、15秒→普通、20秒以上→遅い)
1回目 | 18秒 |
---|---|
2回目 | 18秒 |
3回目 | 16秒 |
4回目 | 15秒 |
5回目 | 15秒 |
平均 | 16.4秒 |
Wi-Fi 5に対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
無線はWi-Fi 5で、5GHzで接続できるのでそこそこ速いです。ただし、ルーター距離が離れると2.4GHz接続になるので通信速度は下がります。ルーターの近くでPCを使う人に合います。
バッテリー駆動時間
バッテリーは38Whrで、輝度60%ほどでYoutubeを再生してバッテリー駆動時間を計測しました。
100%から1時間後に87%(-13%)、その1時間後に64%(-23%)、そしてもう1時間で38%(-26%)になりました。バッテリー残量が80%を下回ると減りの速度が上がったので、4時間半ほどで0になると思います。
15.6インチなので持ち運びをする人は少ないかもしれませんが、外出時はモバイルバッテリーやACアダプタがあると助かります。
インターフェイス
USBのデータ転送速度は速くないですが、いろいろなポートがあるので使いやすいと思います。
右側面はTFカードリーダー、USB 2.0、USB 3.2、そして3.5ミリジャックです。
左側面は充電ポート(USB Type-C)、USB 3.2、HDMI、そしてUSB Type-Cの充電専用ポートです。
まとめ
良い点
・安い!
・かっこいい外観
・15.6インチにしてはちょっと軽い
・インターフェイスが豊富
・メモリの増設が可能
残念な点
・この価格なので文句なし!
総合評価
エントリークラスのスペックで、Web閲覧や動画視聴、オンラインショッピングやオンラインレッスンなど一定のことは普通にできます。
あまりPCを使わないけど必要だという人は、この価格なのですごく良いと思います。また、15.6インチで1625gとこのサイズにしては軽いので、時々外出時にPCが必要だという人も軽い作業をするのであれば役に立つと思います。
Author
・パソコンガイドメインライターの本田。PCやタブレット、その他ガジェットが好きで、年間2~30台ほどのPCとモニターや周辺機器を購入するマニア
・元ミュージシャン
・暖かいところが好きで、よくタイに旅行に行く
・既婚(妻と子供2人)
・最近の趣味はオーディブルを聞きながらぼけ~っとすること
・はまってることは、裸足で1日10分歩く健康法
・若く見られがちだが40代