HP Victusは16インチがありますが、若干のスペック違いで15.6インチの本機が発売されました。
Victus 16(14.4万円~)と本機の違いは最新スペックかどうかで、価格が2万円ほど違います。
本機は最新スペックじゃないですが、エントリークラスのゲーミングPCとしては十分な性能で、とにかく安くゲーミングPCを購入したい人は、本機がおすすめです。
当サイトの評価は、このようになりました。
スペック | [usr 4.2] |
---|---|
コスパ | [usr 4.7] |
総合評価 | [usr 4.5] |
2021年のスペックを多用していますが、それにしてもこの価格は安いです。
※2023年10月12日追記)Ryzen 5 7535HS+RTX 2060搭載モデルが発売されたので、情報をアップデートしています。
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Contents
Victus 15 (AMD)のスペックレビュー
CPU | Ryzen 5 5600H Ryzen 7 5800H Ryzen 5 7535HS |
---|---|
メモリ | 最大16GB |
ストレージ | SSD 512GB |
グラフィックス | RTX 3050 RTX 3050 Ti RTX 2060 |
ディスプレイ(15.6型) | FHD IPS 144Hz |
OS | Windows 11 Home |
無線 | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2 |
有線 | 内蔵Gigabit LAN (10/100/1000) |
オーディオ | B&O Play |
WEBカメラ | 92万画素 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 357.9 × 255 × 23.5 ㎜ |
重さ | 2.29㎏ |
バッテリー 電源 |
最大9時間 150W/200W |
保証 | 1年間 |
価格 | 9.8万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUはハイパフォーマンスモデルのRyzen 5000 Hシリーズで、旧モデルとは言えかなり高い性能です。最新のRyzen 5 7535HSも追加され、より性能が高くなっています。
メモリは2スロット・16GBで、仕様書によると最大容量も16GBとなっているので、増設はできなさそうです。
ストレージはSSD 512GBが搭載で、そこそこ大きな容量になっています。
グラフィックスはエントリーモデルのRadeon RX 6500MかNVIDIA GeForce RTX 3050、そしてRTX 3050 Tiになります。RTX 2050も追加されましたが、軽めのゲームを中心にする人に合う性能です。
ディスプレイはFHD IPS液晶と平均的なものですが、輝度が250ニトと低めなので、明るい場所ではちょっと見にくいかもしれません。ただし、リフレッシュレートは144Hzとぬるぬるです。
その他のスペックはWindows 11 Home、ギガビットイーサネットにWi-Fi 6E対応、バッテリーは最大9時間となっています。
全体的に目新しいスペックは「Wi-Fi 6E」と「Radeon RX 6500M」以外になく、コストを削った機種という印象です。そのおかげで、12.4万円からと比較的低価格な値段設定です。
旧モデルとの比較
Victusは16インチはありますが、15.6インチモデルは2022年に初めて発売されたので、旧モデルはありません。
Victus 15 (AMD)の特徴
左右のベゼル(画面の黒い枠)は細いですが、下ベゼルはかなり太いですね。こういった個所は、上位モデルのOMENと差が大きいです。まぁ、気にならに人は気にならないと思いますが。
寸法は
・幅 357.9㎜
・奥行 255㎜
・高さ 23.5 ㎜
で、奥行きはかなり大きいです。まぁ、ゲーミングPCなので、大きい方が排熱性も高く、より高いパフォーマンスを発揮できるので問題ないと思います。
厚さは23.5㎜と大きく、重さは2.29㎏と平均的です。
筐体はエッジも丸く、優しい印象なので、それほど「ザ・ゲーミングPC」といった外観じゃないので、ビジネス用途や普段使い用のPCとしても使えると思います。
ブルー系の色をしたゲーミングPCというのも、珍しいですね。
知らない人が見たら、天板のロゴからはHPのノートパソコンと分からないですね。
WEBカメラ周り
WEBカメラは一般的なHD画質・92万画素ですが、スーパーレゾリューションと言って、FHD解像度までコンバージョンをして、高精細な映像を実現できます。他社はFHDカメラをつけ始めましたが、HPはソフトで改善しているようです。
また、逆光や暗い部屋でもクリアに見えるように、自動調整してくれます。
ただし、プライバシーシャッターの様な、Webカメラを閉じる機能はないようです。
マイクはデュアルマイクで、AIによるノイズキャンセリングに対応しており、バックグラウンドのノイズを削減できます。
オーディオはBang &Olufsenなので、音質は良いです。
OMEN Gaming Hub
OMEN Gaming HubからRGBライティングやマクロキー、オーバークロックの調整などができ、機械学習のアルゴリズムにより、今までは知識が無いとちゃんとした設定が難しかった電圧をワンクックで調整し効率的な冷却と性能アップをすることもできます。(注 本機はRGBライティング非対応)
また、以下のような設定もできます。
ネットワークブースターから通信の振り分けができ、例えば、ゲームは有線LANに接続し、ゲーム以外のブラウザなどは無線LANに繋いで通信をするなどと設定できます。
パフォーマンスコントロールからファンの速度や、CPUパフォーマンスの設定もできます。
キーボード
キーピッチ(キーの中心から次のキーの中心までの距離)は縦横18.7×18.4㎜で、十分な幅があります。また、キーストローク(キーを押し込む距離)は1.5㎜とそこそこ深く、押しやすいと思います。
また、バックライトもあるので、暗い場所でもタイピングがしやすいです。
CPU
Ryzen 5 7535HS | Ryzen 7 5800H | Ryzen 5 5600H | |
---|---|---|---|
アーキテクチャ | Zen 3+ | Zen 3 | |
コア/スレッド | 6/12 | 8/16 | 6/12 |
GPUコア | 6 | 8 | 7 |
基本クロック | 3.3GHz | 3.2GHz | 3.3GHz |
ブーストクロック | 4.55GHz | 4.4GHz | 4.2GHz |
キャッシュ | 16MB | ||
TDP | 35-54W | 45W |
CPUは高性能Ryzen 5000Hシリーズが搭載で、「Zen 3」アーキテクチャになります。実はRyzen 5000シリーズって、旧アーキテクチャ・Zen 2を使ったものもあり、上位モデルのみZen 3アーキテクチャになっているんです。
追加されたRyzen 5 7535HSはZen 3+で、Zen 3と比べ以下の点が変わっています。
・前世代と比較して最大30%高速
・最大24時間のバッテリー
・内蔵GPUがRDNA2(レイトレーシング対応)
・統合型グラフィック性能はRyzen 5000シリーズの最大2倍
・DDR5/LPDDR5のメモリに対応
・PCIe Gen 4対応
・Wi-Fi 6E対応
こちらはCPU Markのスコアです。
スコアの目安
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 6800H | |
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Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 5 6600H | |
Ryzen 7 Pro 5850U | |
Ryzen 5 7535HS | |
Ryzen 5 5600H | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 5600U | |
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 3 5400U | |
Ryzen 3 5300U |
Ryzen 5000シリーズは全体的に高い性能です。
こちらはCinebench R23の結果で、マルチコアはパソコンの総合性能で、シングルコアが高いとクリエイティブワークやゲームなどがやりやすくなります。
Cinebench R23
オレンジ色・・・マルチコア 青・・・シングルコア
Core i7-11800H | |
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Core i5-11500H | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 5 5600H | |
Core i7-11370H | |
Core i5-11300H | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 |
こちらはGeekbench 6のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 5 7535U | |
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Ryzen 5 7535HS | |
Ryzen 7 7735U | |
Ryzen 7 7730U | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 5 5600H | |
Ryzen 5 7530U |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 7735U | |
---|---|
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 7 7730U | |
Ryzen 5 7535HS | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 5 7530U | |
Ryzen 5 5600H | |
Ryzen 7 7730U |
グラフィックス
搭載できるグラフィックボードはRX 3050、RTX 3050 Ti、そして新しく追加されたRTX 2050と3つもありますが、すべてエントリークラスの性能です。
DirectX 11で動作するFire Strikeのスコアです
Fire Strike
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3080 Ti | |
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RTX 3070 Ti | |
RTX 2080 | |
RTX 2070 Super | |
RTX 3060 | |
GTX 1660 Ti | |
Radeon RX 6500M | |
RTX 3050 Ti | |
RTX 3050 | |
GTX 1650 | |
RTX 2050 |
こちらは。DX12で動作するWQHD(2K/2560×1440)向けのTime Spyです。
Time Spy
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3080 Ti | |
---|---|
RTX 3070 Ti | |
RTX 2080S | |
RTX 3060 | |
RTX 2070 Max-Q | |
RTX 3050 Ti | |
RTX 3050 | |
Radeon RX 6500M | |
RTX 2050 | |
GTX 1650 |
ゲームのベンチマーク
各グラフィックボードの平均ベンチマークで、スペックや状況により数値は変動するので、参考値として見てください。スコアの単位はfps(1秒間に更新されるコマ数)で、60以上が「快適」にプレイできる目安です。
RTX 2050のスコアはないですが、GTX 1650並の性能なので、虹6やフォートナイトなどはできるほどだと思います。
RTX 3050 Ti ベンチマークスコア
オレンジ色・・・低画質 青・・・標準 赤・・・高画質
Fortnite | |
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The Witcher 3 Wild Hunt | |
Cyberpunk 2077 | |
PUBG | |
Red Dead Redemption 2 | |
Battlefield V | |
Apex Lengends | |
Rainbow Six Siege |
RTX 3050 ベンチマークスコア
オレンジ色・・・低画質 青・・・標準 赤・・・高画質
Fortnite | |
---|---|
The Witcher 3 Wild Hunt | |
PUBG | |
Call of Duty: Warzone | |
Battlefield V | |
Apex Lengends | |
Rainbow Six Siege |
ディスプレイ
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 |
FHD | なし | IPS | 250nit |
リフレッシュレート | |||
144Hz |
ディスプレイはリフレッシュレートが144Hzと高く、ゲームによってはぬるぬるプレイできます。ただし、本機搭載のGPUじゃ、ここまで出るタイトルも少ないので、画質調整は必須です。
FHD解像度にIPS液晶と一般的で、輝度はちょっと低めの250ニト、色域は記載されていないのでNTSC 45%と一般的なものになっています。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
メモリはDDR4-3200MHzが搭載で、メモリスロット2つ・16GBが搭載です。増設もできそうですが、仕様書には最大16GBと記載されているので、できないと思います。
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
ストレージはM.2 SSDが搭載で、高速起動、高速読み込みが可能です。最新のPCIe 4.0じゃないですが、十分に速い速度です。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャルリード
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 4.0×4 | |
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PCIe 3.0×4 | |
HDD |
Wi-Fi 6Eに対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6Eに対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができるのですが、執筆時現在の日本では6GHz帯はまだないので使えません。最大で5GHz帯になります。
バッテリー駆動時間
バッテリー駆動時間は最大7時間~9時間となっており、グラボによって変わります。
ゲーミングPCとしては普通ですが、さすがに電源につながずにゲームをすると数時間でバッテリーが切れるので、外出時はACアダプタも持ち歩いた良いと思います。
また、電源はRadeon 6500Mが150W、その他が200Wとなります。
インターフェイス
左インターフェイスは、電源、USB-A 5Gbps、マイク/ヘッドフォンジャック、そしてSDカードリーダーがあります。
右インターフェイスはUSB Type-C 5Gbps、RJ45、USB-A 5Gbps、そしてHDMI 2.1になります。
品質も高くなく、若干少なめのインターフェイスですが、必要十分だと思います。また、SDカードリーダーがあるので、画像や動画編集をする人には使いやすいですね。
サポート・保証
以前は上位モデルのOMENのみ対象だったCafe de Omenは、Victus製品でも使えるようになりました。
このサポートの特徴は「技術的サポートと修理受付窓口」があり、1年間利用でき、受付時間は月~金・9時~21時、土曜日は9時~17時、日曜は休みです。LINEでの自動サポートは24時間365日です。
サポートの特徴として「サポートスタッフ全員が熟練プレーヤー」で、みなさんマニアックらしいです。普通に「ゲーム用語」を使っても理解できる人たちなので、話が速いですね。また、自分に合ったアクセサリ、例えばディスプレイやVR用ヘッドセット、マウス・・・など、HP製品に限らずアドバイスをくれます。
また、標準保障として、「1年間の使い方サポート」と「1年間の引き取り修理保証」があり、電話やLINE、ツイッターでもサポートをしています。購入時に詳しく書かれた「パソコン入門」もあるので、初めてパソコンを買う人でも設定から使い方まで、分かりやすいと思います。
ライバル機種
ライバル機種は最新スペックを搭載しており、本機よりもスペックが高いですが、価格も上がります。より高品質で最新スペックを求めるなら、以下のモデルもおすすめですが、とにかく安いグラボ付きPCをお探しなら、本機が一番です。
Victus 16(AMD)
本機種と似たような機種ですが、最新スペック満載で画面も16.1型と大きいです。本機より高い性能ですが、最低価格も2万円ほど高いです
CPU | Ryzen 5 6600H Ryzen 7 6800H |
---|---|
メモリ | 最大32GB(販売モデルは8/16GB) |
ストレージ | SSD 512GB+空きスロット1つ |
グラフィックス | RTX 3050 RTX 3050 Ti |
ディスプレイ(16.1型) | FHD IPS 非光沢、144Hz |
LAN | Wi-Fi 6E、内蔵ギガビットLAN(10/100/1000) |
重さ | 最大2.48㎏ |
バッテリー | 最大9時間 |
電源 | 最大200W |
価格 | 14.4万円~ |
Legion 570 Pro AMD
Ryzen 6000Hシリーズ搭載でメモリはDDR5、ストレージはSSD PCIe 4.0とハイスペックな機種です。グラボはミドルクラスなので、中量級ゲームをメインにする人に合います。また、画面アスペクト比が16:10と縦に長いので、今まで見えなかった敵も見えやすくなります
CPU | Ryzen 5 6600H Ryzen 7 6800H |
---|---|
メモリ | 最大32GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
グラフィックス | RTX 3050 Ti RTX 3060 Laptop |
ディスプレイ(16型) | WUXGA / WQXGA IPS 光沢なし |
リフレッシュレート | 165Hz |
OS | Windows 11 Home/Pro |
無線 | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.1 |
有線 | 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T |
重さ | 2.5㎏ |
バッテリー | 最大約11時間 |
電源 | 230W |
価格 | 15.8万円~ |
まとめ
良い点
・ゲーミングPCに見えない外観なので、プライベートや仕事用に使える
・徹底的にコスト削減をしたモデルで、安い
残念な点
・2022年夏発売のゲーミングPCとしては、目新しいスペックではない
総合評価
本機の特徴は、何といっても安い!これに限ります。安いといっても品質が悪いわけじゃなく、最新スペックじゃないというだけであって、高い品質なので安心して使えます。
2022年モデルは円安(2022年8月現在)の影響などで価格が大きく上がっていますが、本機は手ごろに買える価格なので、購入しやすい機種です。
ゲーミングPCとしてだけじゃなく、普段使い用やビジネス用途でも使えるほどです。
2023年に新しくRyzen 5 7535HSとRTX 2050搭載モデルが出ましたが、これも新しく出たというだけで、性能が上がっているわけでもないので、うれしいアップデートではないですね。
それでも、価格は安いので、初めてのゲーミングPCとしては十分だと思います。